あくびが出たら、うとうと昼寝。


先週、沖縄に行ってました。


ゆいレールから少し那覇大橋まで歩く途中にある、


「うるくそば」っていうお店で、遅いお昼を食べてたんです。



あくびが出たら、うとうと昼寝。



となりで食べてた家族の会話が聴こえました。


「ね~ママ。今日は暑いね」


「そうね」


「なんど、あるのかな?」


「昨日と、いっしょさぁ」


「きのうより、あついよ」


「いっしょ」


「じゃー、あしたは?」


「あしたも、今日といっしょさ」


一瞬で、心とカラダがふわっとほぐれた。


ゆるいはいいな~。


と、思ったら「プっ」とおならが出た。


(アカーン!あんた、どんだけゆるいのガーン



あくびが出たら、うとうと昼寝。



きいろや、ちゃいろい はっぱが、



たくさん、おちてきた。



くうきが、つめたくなってきた。



土のうえを裸足で、走っていたころに、



ともだちと、おちばとえだで、怪獣をつくりました。



「これが、くちで。 こっちのがて」


「もっと、おっかないかおにしよう」


「じゃ、めがこうあがってて。はながやたらふとくて、ながくて」


「いいね。かいじゅうっぽくなってきた」


「てがさがってるけど、どうする?」


「う~ん。ま、いいよ。もっと、はっぱをからだにつけよう」


「だんだん、もりのおばけになってない?」


「もりのおばけが、かいじゅうにへんしんするの」


「なるほど!」



あくびが出たら、うとうと昼寝。



「できた!もりのおばけかいじゅう」


「なまえ、どうする?」


「うーん。ひかりごんは?」


「なんかよわっちー」


「がおがおじーは?」


「おじーになってる」


「つちのなかから、でてきた、もぐらんがーは?」


「それにしよう!」


もぐらんがーは、やまにいつもひっそりと立ってました。


さむくなると、もぐらんがーのところへ


いかなくなりました。


しばらくして、


「きょうは、もぐらんがーにあいにいってみよう」


「どうしてるかな?」


「このあいだ、いえからもってきたぼうしかぶってるはずだよ」


「あった。あれ?」


「あれ?」



あくびが出たら、うとうと昼寝。



「もぐらんがーが、はんぶんになってる」


「おちばが、かぜでとばされたんだ」


「やせて、ほねだけになっちゃった」


「うん」


「もとに、もどそう」


「こうやって、たくさんはっぱをあつめて」


「もぐらんがーだ!」


こがらしが、たくさん吹いてきたころに、


あったかいかっこうして、また、あいにいきました。





あくびが出たら、うとうと昼寝。



「あ!」


「あ~あ」


「もぐらんがーが、しんじゃった」


「ぼろぼろになってる」


「このあいだの、かぜにやられたのかな」


「うん。ぼうしはおいてってる」


「もぐらんがーの、おはかをつくってやろう」


じめんをえだでほってたら、


ともだちが、いったんです。


「うちの、じーちゃんが、いってた。


たいせつなものは、なくならないんだって」


「へー、どこかにあるの?」


「そう。みえないだけで、ちゃんとどこかにいるんだって」


おはかに、ちいさくなったえだとはっぱをいれて、


さけびました。



あくびが出たら、うとうと昼寝。



「おーい。もぐらんがー。いたらへんじしろー」


「おーい」


「いそうにないな」


「みえないだけじゃないかな」


「そっかも」


「このはっぱ、もぐらんがーかもしれない」


「あ、そっか」


「ちゃんと、いてほしいな」



あくびが出たら、うとうと昼寝。


しばらくして、


バケツに、こおりがはって


くうきも、つめたくなり、


ふゆがやってきました。


あるつきのないよるに、


たくさんの、ゆきがつもりました。


まるで、ほしくずのように。



ともだちと、おおはしゃぎ!


ぼくたちは、ゆきで、


もぐらんがーをつくりました。


「こんどは、ゆきもぐらんがーだ」


「また、ぼうしをかぶせてあげよう」


「あ、そうだ」


「なに?」


「たいせつなものは、なくならないって、ほんとだね」



あくびが出たら、うとうと昼寝。




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