大分竹田高校事件~ またも少年の命を踏みにじる検察の不当決定 | ・大津、出水、そして全国の子供たち、死んじゃいけない~ヘロの独り言

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・ 全国で子供たちが陰湿ないじめによって死に追い込まれている。
  命を奪うものは直接の加害者だけじゃない。見てみぬふり、時には言葉の暴力や直接の暴力で、子供たちを死に追いやる教師もいる。
  そんな狂った社会に向けて、老人は怒りをこめてつぶやきます。



当時の顧問など再び不起訴 熱中症で剣道部員死亡
2009年に竹田高校剣道部の部員が熱中症で死亡した事故で業務上過失致死の疑いで書類送検された当時の顧問と副顧問に対し大分地検は8日に再び不起訴処分とし捜査を終結しました。
竹田高校剣道部の部員だった工藤剣太さんが2009年に部活動中に熱中症で倒れ死亡した事故では当時の顧問と副顧問が業務上過失致死の疑いで書類送検されました。
大分地検は2人を不起訴処分としていましたが平成25年7月、検察審査会は2人の不起訴は不当であると議決しました。
これを受けて大分地検は再び捜査しましたが「熱中症の発生を予見すべき状況にあったとは言えない」などと判断し嫌疑不十分として8日2人を改めて不起訴処分とし捜査を終結しました。
 大分地検は「高校生が亡くなったことを重く受け止めて捜査を尽くした」とコメントしています。工藤さんの両親は8日会見を開き「何の罪にも問われないのは残念」などと話し今後は民事裁判で2人の責任を追及していきたいとしています。(1月8日 テレビ大分
http://www.tostv.jp/news/backnum.php

(註: 顧問の暴行容疑についても、大分地検は3年の時効にかかったとして不起訴の判断)

正義は行われませんでした。
熱中症を予見すべき状況になかったとは、一体どういう判断なのでしょうか。
教師であり、部活動顧問でもある人間に、そういう注意義務はないということでしょうか。
パイプ椅子をふりあげ、意識不明になった少年に馬乗りになってビンタをくらわした人間には、そもそも予見しようという意識すらなかったのです。
たまたま路上ですれ違った相手がその場に倒れこんだのではないのです。
子供たちを預かり指導すべき立場の人間には、とうぜん厳しい注意義務が求められるはずです。少年の状態を正しく見極めようとしなかったばかりか、あろうことか暴行までくわえた人間が、その義務を果たそうとしなかったことは誰の目にもあきらかです。
地検の判断は、放置の是非を問うものか。それとも、放置と少年の死の因果関係を問うものなのか。その点も実に不明確で、とうてい納得できるものではありません。
予見すべき状況にあったとは言えないとは、一体どういう日本語なのでしょう。
この決定によって、市民の司法にたいする不信はいやでも高まらざるをえません。
そればかりか、指導の名のもとに瀕死の少年に暴行をくわえてもなんの罪も問われないとすれば、全国の教育現場に巣食う第二第三の坂本(顧問)たちを勇気づけることになります。
司法と教育現場に深刻な闇を広げる、実に恐ろしい決定と言わざるをえません。

柔道や剣道などの武道指導者は、警察と深いかかわりをもっています。
こうした不当決定の背景に、そうした暗い人脈の力が働いてはいないか。
そこまで疑えばきりがない。せめて、そうでないことを祈るばかりです。

ご両親はひきつづき戦うと言明されています。
戦場は民事に移ります。このおそるべき暴力教師の負担を国に肩代わりさせるのではなく、あくまでも彼ら個人の責任において負担履行させる。
すでにご承知だとは思いますが、国家賠償法のつぎの規定
▲第一条  国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。
○2  前項の場合において、公務員に故意又は重大な過失があつたときは、国又は公共団体は、その公務員に対して求償権を有する。
この規定を法的な根拠として、彼らに逃げ得を許さない。それが今後のご両親の戦いになります。
まだ無法を野放しにしたわけではありません。全国の坂本予備軍にそれを思い知らせるためにも、引き続きご両親の戦いを応援していきたいと思います。

それにしても・・・・・・
暴力顧問を放置するばかりか昇格までさせ、その一方で健太くんの存在を黙殺した県教委。
今回の決定で彼が【刑事罰】を免れたということで、さぞかし胸をなでおろしていることでしょう。
それを思うと、なおさら無念さがつのる決定です。
大分にかぎらず、全国の教育現場にはびこる闇はまだまだ深い・・・・・・


参考:
体罰隠蔽、横行か 大阪市への学校報告 外部調査で指摘
朝日新聞デジタル 1月5日(日)17時34分配信

教師の体罰・暴力の実態を把握するため、大阪市が委嘱した弁護士チームが昨年市立学校を調べた結果、一部の中学校で暴力を知りつつ市教委に報告しなかったり、調査せずに「教諭から聴取した」などとうそを伝えたりした疑いがあることがわかった。教諭をかばうため、虚偽の報告書を作った疑いも浮上。チームは市教委に再調査を求めた。
市立桜宮(さくらのみや)高校で一昨年発覚した暴力問題を機に、市が弁護士でつくる「外部監察チーム」に調査を依頼。チームは外部から情報が寄せられた小中高など計41校を調べ、24校で体罰・暴力を確認した。
チームが作った報告書によると、ある中学のハンドボール部顧問が昨年4月以降に生徒を平手でたたいたり、ボールをぶつけたりしていた。顧問も「女子生徒数人や3年男子全員をたたいた」と認め、被害をうかがわせる生徒のアンケートも存在した。だが、校長は「指導の一環であり体罰ではない」として市教委に一切報告書を出していなかった。