ぼくら夫婦は、いつも仲良しだったわけではない。
むしろ、よく口論していた気がする。
でも、今日、ふと気づいた。
それで良かったんだって。
お互いに遠慮せず、いられた良い関係だったのだと思う。
だからこそ、ファインダーの向こうの妻は、いつも笑顔でいてくれたのだろう。
いつだって、とびきりの笑顔でいてくれた。
撮った写真を見返す習慣がなかったぼくは、そこに気づくのが遅かった、とても。
でも、気づけたことに感謝しよう。
今は物理的な距離は、とても離れているけれども、心の距離は逆に近づいた。
そんなぼくを妻は、遠くから、きっと微笑んでみていてくれることだろう。