1980年早々にメンバーチェンジを

したばかりのチューリップが、
この年の7月26日に

岐阜県の鈴蘭高原で行った、

このメンバーでは初めての

大型屋外ライヴの音源を、
ノーカットで収録した

2本組カセットテープ

(80年10月発売)。


メンバーは、

財津和夫(Vo,Key,G)、

安部俊幸(G,Vo)、

姫野達也(Key,Vo,G)の3人に、
前年の秋冬のツアーで

サポートメンバーとして

加入していた、

元がむがむ、ARBの

宮城伸一郎(B,Cho)と、

新加入・元リンドンの

伊藤薫(Dr,Cho)。


78年7月、

オリジナルメンバーで行った

鈴蘭高原でのライヴ

成功裏に終わったことを受け、
若返ったメンバーでふたたび、

前回以上のステージを

というはずだったのだが、
開始前に降り始めた雨が

いつまでも止まず、

急遽ステージ上に屋根をつけ

開演したものの、
雨はいつしか豪雨となり、

客席はずぶぬれ、

零下にもなろうかという

冬のような気温のなかでのステージは、
吹き込む雨に器材も不調をきたし、

演奏状態も音質も悪いが、
当初予定の曲順を変更、

この新メンバーで演奏可能な曲は

全て演奏したという

完全燃焼のアクトとなった。


思い通りに音が出ない

楽器に対していらだちながらも、

必死になって

客席に歌いかける財津和夫は、
この極限状態ともいえる状況での

客席とステージの一体感に感動し、
以後よみうりランドサッカー場や

芦ノ湖畔などでの

大掛かりな、一日限りの

野外ステージに挑むことになる。


この2本組カセットテープは、

当初は参加者のみに

限定発売(配布?)され、

わずかに市販されたものの、
ついにレコード化はされないまま、

長く廃盤のままだったが、
東芝EMIの「音蔵」シリーズで

一度だけのCD化のあとふたたび廃盤。


いまだに再版されていない

レアな音源となっている。

(★★★★)」(2007.8.22記)

 

1980年7月26日、

岐阜県の御嶽鈴蘭高原スキー場の

特設ステージで、

一日だけ行われたライヴでした。

 

チューリップの

大ファンであった私ですが

個人的に、

この年初頭のメンバーチェンジで、

デビューからのメンバー、

吉田彰さん(B)と、

上田雅利さん(Dr)が

抜けられてしまったのが、

とてもショックで、

すぐに応援する心境には

なれなかったので、

このイベントには

参戦しませんでした。

 

さらに、

この新メンバーでの楽曲は、

この日の直前にリリースされた

シングル盤1枚だけでしたので、

当日の演奏曲は、

旧メンバー時代の曲と

この時点で2枚出されていた

財津和夫さんのソロアルバムの曲

ばかりになるのだろうと予想でき、

旧メンバー時代の曲を

旧メンバー2人不在で演奏することや、

チューリップとは

明確に分けてほしかった

財津さんのソロ名義の曲を

チューリップで演奏することへの

違和感もあって、

不参加を決めたのだったと思います。

 

その後、

この日参加されたという方と

お話しする機会があったのですが、

豪雨と暴風で

演奏を聴くどころではなかったけれど

とにかくあの場にいて、

同じ空間で同じ時間を

多くのファンたちと、

そしてなによりメンバーたちと

共有できたことで、

何にも代えがたい幸福感を

得ることができたそうです。

 

1000回以上のライヴを行ってきた

チューリップですが、

未発表のライヴ音源は

まだまだたくさん

あるのではないかと思います。

 

限定発売とか

オンデマンド方式

などでもいいので、

聴いてみたいと

思い続けているのですが、

実現はなかなか難しそうです。