※これは妄想腐小説です BL要素が含まれます
~間違われた方、苦手な方はお戻り下さい~




































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ゲーム…


Satoshi争奪戦とも呼べるようなこのゲームに俺が参加し始めて早4週間…









ルールを理解した俺にもう睨むような視線を寄越す奴はいなくなった。


こういうしっかり割り切る所もこの客層だからなのだろう。










そしてこのゲームを楽しんでいるからなのだろうな。



大抵の奴は少し悔しがりその後は直ぐに次に期待しているような発言をしている。









まるで宝くじを買うようなものだ……



当選するかその時がくるまでドキドキし、当たれば喜び外れれば次回に期待する…












このゲームに参戦してからよくできていると思ったものだ。






このゲームのお陰で店は平日でも週末並みに混み、しかも必ず量が出る酒もある。


それに気づいた時、このゲームはSatoshiが考えだしたというより店側が作りだしたんじゃないかと思った程だ。








…まあ、それを聞いて素直に”そうだ“と答える店員はいないと思うがな。




それに、客側から文句が出る事もないだろう。








”賞品“があれ程魅力的なんだから……















俺のゲームの戦績は連敗中。



”色“というのが曲者なんだ。







最初は青みが強いチェック柄でチャレンジしたが、”チェック“というのはダメだったみたいだ。

単色の青色の服を着ている奴に負けた…









その次の週は淡い紫のカーディガンを着て挑戦したが、その時は白いシャツと白いパンツを履いた40過ぎ位の渋めの男性に負けた…


しかもその男性はSatoshiと何度も関係をもっているという話が聞こえてきた…











本当に”色“で選んでいるのかと疑ったが、その次の週…



Satoshiは同じ曜日の同じ時間に店に現れ、いつもと同じ事をしたのに誰にも声をかけず酒を飲んで1人で帰っていった。













そこで周りがどの色だと推測を始めたり、”時々あるんだよな“ と言ったりしていて、本当に色で選んでいるんだという事が分かった。



そして聞き耳をたてていたら今日の自分の ”ラッキーカラー“ で選んでいるんだという情報を知った。












占いを参考にするなんて本当にこれはゲームなんだなと改めて思った。





そしてSatoshiがB専じゃない事もハッキリした。


白い上下を着ていた男性は、俺から見てもモてると思う人物だったからだ。











まあ、歳を重ねれば俺はあれ以上に洗練された男になってるだろうけどな。
















そして今日。


俺はまたゲームに参戦する為にここに来た。








この”地味“と言われたスーツで。




だが、あの時と違うのはこの赤いネクタイだろう。










私服は白か黒が多い俺。






そこで考えたのがこのネクタイだ。






先週の日曜に買いに行ってある程度の色を揃えた。


その時に私服も何着か色のある物を増やしたが、ネクタイなら私服では着れそうにない色でもこの為だけに着け替えれば余裕だしな。










そして俺が今日選び、店に入る前に替えたのが赤色だ。



そしてネクタイピンも赤い石が着いた物にしてみた。








今日こそは、必ず……



この”赤“で勝負だ。


















いつもの時間になり、Satoshiは店に現れた。



俺から少し離れた入口に近いカウンターに座ったSatoshi。










今日もバーテンダーと会話をし、最初に頼むマティーニを飲んでいた。




そして…















『じゃあ、”カンパリソーダ“を。』


















待ってましたと言わんばかりに次々と出る”シェリー“の声。


俺も勿論、出遅れたりしない。









そして人数分行き渡った所でいつものSatoshiのチェックが入った。



この瞬間は、皆から息を飲む音が聞こえそうなくらいだ……










そしてSatoshiがゆっくりと見回した後……












カタッ



動いた。












”赤“…

今日は”赤“がこい…










そう心の中で思っている俺の前に……

















スタッ…
『………今日は睨まれないで済むよね?』



《!》



スッ
『いい赤色のネクタイだね。フフ』



















そう言ってSatoshiは俺の前で妖艶に笑ってみせた……