※これは妄想腐小説です BL要素が含まれます
~間違われた方、苦手な方はお戻り下さい~









































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スタスタ



ここなら……いや、まだ見られてる。


もっと奥か?










スタスタ






よし、大分奥まできた。



でもこんなにメインとなる場所から離れていると流石にテーブルや椅子もないか…。














『翔太?ここなら蚊は来ねぇの?』



《え?あ、うん……キョロキョロ。たぶん大丈夫。》



『そっか。良かった。』



《…蚊、そんなに嫌なんだ?》



『は?嫌に決まってんだろ?
だってあいつ等、予告なしに勝手に刺していくじゃん。
で、残るのは痒さと苛立たしさ。最悪の食い逃げ野郎だろ。』



《…ブッ!アハハハ!》



『なんで笑う?翔太はそう思わねぇの?』



《アハハハ!…いや、うん確かに食い逃げだよね。
でもその言葉のチョイスが…ハハハ最高!》



『そんな笑う程かぁ?』



《だって、蚊に対して“食い逃げ”なんて自分では思い付かない言葉だったからさ。ハハハ。
あ、あとはやっぱり智琉が来てくれて嬉しいなって思ってるから、何でも楽しいのかも。》



『…あー。ほんと遅れてごめんな?』



《あ!別に責めてる訳じゃないって!
それに何時間も待ったとかじゃないんだし気にしないでよ!》



『ん~、でもなぁ…』



《ただ、ちょっと驚いたかな。
いつも待ち合わせとかして智琉が遅れた事なんてなかったじゃん?》



『あ、それは…』



クイッ
《やっぱり“コレ”?》



『ん?』



《双葉さんチョイスの浴衣って事は、“撮影会” あったんじゃない?》



『おう。あったな。』



《やっぱり!》















そりゃこんないい被写体を撮らない訳ないよね。





エロくて、美しいんだから、誰もが撮りたくなるはず。










あぁ…アシスタントの誰か数枚俺にも譲ってくれないかな…


仁ノ宮君は絶対にくれないだろうけど…










ジー

それにしても、本当に浴衣姿似合ってるよな…








黒い浴衣に帯は赤。

でもその赤い帯に花模様の黒と金の刺繍…





あれ?これただの黒い浴衣だと思ったけど、よく見たら同じ黒で模様ついてる?


金魚……いや、鯉か!







双葉さんチョイスにしては少し地味かと思ったけど、明るいライト下だともっと目を惹くかも…


この格好で1人ここまで歩いて来たと思うと……












ガシッ!

《帰りは絶対に俺に隠れながら歩いて!》



『あん?……なんで?』













あぁ!

そうだった!




智琉は他人からの視線はガン無視できる人だったんだ!






だからどんなに注目を集めていようと、少し危ないかもと俺が感じるような時だって平気で………っ!














《隠れなくていいから俺の10センチ隣を歩いて!》



『10cm……ん?無理じゃね?腕がぶつかって__ 』



《手を繋げばいい!
寧ろ腕に絡まってくれてればいいから!いいね!?》



『お、おぉ…分かった。』



《よし!》













これで何とか大丈夫だろう。


それに問題はホテル内なだけで、出たら直ぐタクシーに乗せれば済むんだし。








…というか、来る時もタクシーとかで来たよな?





まさか電車とか……


いや、人混み嫌いな智琉だから1人では絶対に乗らないはず。






あ、でもバスという事も___

















『ふぅ…。やっぱあっちぃ。』



《あ!喉渇いてるよね!
今何か持ってくるからちょっとここで待ってて。》



『いや、俺も行くよ。』



《なんで!?》



『いやなんでって、自分のは自分で持つだろ。』



《ここまで来た意味!》



『あ!蚊がいるんだった!』



《うん!それ!!だからここで待っててよ。》



『ん~、でも2人分だと翔太が重くね?』



《全く問題なし!》



『というか、翔太は蚊に刺される心配とかねぇの?』



《俺が!?いや智琉以外マジ眼中にないから!!》



『…は?』



《おっと…。あー、うん。俺は大丈夫。虫除け完璧だし。》



『おぉ。準備いいな。』



《ああ、うん…でしょ?
あ、でも離れすぎたからテーブルどころか此処には椅子すらなくて…》



『別に立ってられるし俺は平気だぞ。』



《ホッ。良かった。じゃあ飲み物取りに__ 》



スッ
「お話し中失礼致します。」



《!》












だ、誰!?












「この度は当ホテルをご利用頂きありがとう御座います。
こちらにテーブルのセッティングをさせて頂きたいのですが、宜しいでしょうか?」














その人の後ろを見ると、ホテルのスタッフが数人テーブルや2脚の椅子、そして料理まで手にして並んでいた。












《…え?態々して下さるんですか?》



「勿論でございます。」



《ありがとうございます!助かります!》



「では直ぐにご用意させて頂きます。」













その人が言うと1分もかからない内にテーブル等が完璧にセットされ、ビュッフェ仕様だったはずの料理まで皿に乗ってあった。


これは、取りに行く事を考えるとありがたいな。






そして、テーブルの真ん中と足元には仄かな灯りの小さいランプまで…








至れり尽くせり。


でも、ここが有名な高級ホテルなのだからそれも納得だった。










スッ
「最後にこちらを。」












用意された席に着いた俺達の前に出されたのは……シャンパン?

しかもボトル…で?







さっき見た時、飲み物も色々種類はあったし中にはシャンパンもあったと思うけど、グラスだったはず。


それなのに…ボトルで?




あ、遠いから取りに行くのが面倒だと思って用意してくれたとかか?












『…あの?これってもしかして…』



「はい。お2人の素敵な夜に…との事です。」













…ん?俺達に?













『…因みに、どっちからの贈り物ですか?』



「はい。大城さんでございます。」













えっ!?


大城さんって、蒼威さん!?





蒼威さんがなんでシャンパンなんて!?















『あ、じゃあ貰います。
色々して頂いてありがとうございました。』



「とんでもございません。
他のお飲み物もどうぞウェイターにお声掛け下さい。
では、素敵な夜をお楽しみ下さい。失礼致します。」














 
お辞儀をしてスーツ姿の人が離れると、俺は智琉に問いただした。


蒼威さんからなんでシャンパンが届くのかと。













『ん?あぁ、蒼威兄さんも恋人と一緒に今日このホテルにいるんだよ。
で、遅刻した原因はその2人の所為。
約束の20分前には着いてたのに、ロビーで待ち伏せされて泊まる部屋に連れてかれたから。』
















遅れた原因は蒼威さんだったのか…






でも、相手が蒼威さんなら何も言えないな。


寧ろよくこっちに来てくれたとすら思うし。










あ、もしかしてこのシャンパンは智琉を遅らせたお詫びでもあるのかも?






…にしては、お高すぎるシャンパンな気もするけど、智琉が受け取ったんだからありがたく飲ませてもらおう。













《しかし、凄い偶然だね。》



『ん?蒼威兄さん達か?』



《うん。》



『違う違う。あっちが毎年ここに泊まって花火見てんだよ。
2人共忙しいのにこの日だけは休みを合わせて泊まるようにしてるんだと。』



《へぇ~!そうだったんだ。》



『ん。』














恋人と部屋で花火鑑賞…


全客室から今日の花火が見れる造りらしいから、最高だろうな。







そして花火を見終わった後はそのままベッドに……







…いいな。


来年は俺も智琉とここに__








でも、お高いんだよなこのホテル…。


このホテルを調べた時に“おぉ…”ってなったもんな…










そう考えると、本当に謎なんだよな。


うちみたいなさほど大きくもない会社が、こうしてこんな高いホテルで飲めてるなんて…




しかも会費は1人2000円なのに、この料理や酒も飲み放題……














『どうした?』



《え?あぁ、うん…うちの会社の謎に直面中…?》



『謎?』



《だって会費が1人2000円なのに、このホテルシェフの料理に種類豊富な酒!しかも食べ放題飲み放題!
……あり得なくない?》



『あり得ないって…だって翔太んとこの会社は……』



《え?うちの会社が何?》



『知らねぇの?』



《なにを?》



『…あー。社員は知らないとかなのか?』



《なにが??》



『…ま、知らなくてもいいからって事なら俺が言うべきじゃないな。』



《なに?そんな言い方されたら物凄く気になるんだけど?》



『ま、お疲れ楽しめ!って労われてるって事だろうから気にすんなよ。
ほら、乾杯しようぜ。な?』



《えー?…まあ、うん。じゃあ乾杯?》



チンッ
『おう、お疲れー。』



ゴクッ
《っ!美味っ!蒼威さんありがとう!》



『ハハ。翔太がそう言ってたって伝えとく。』



《よろしく!》













それから料理やお酒を楽しみ、色々話しに盛り上がっていると……













ドーン 

  ドーン




《あ、始まった!》













花火が打ち上がった。





うわっ。

本当にここ立地最高じゃん。






真正面から見れる花火。


美味しい料理に美味しい酒。





しかも、人とぶつかり合う位ひしめき合う混雑もなく、隣に存在を感じられるのは愛しい恋人だけ…








本当に、過去最高にいい花火が見れてる…













ジー…



『…ん?なんだよ?』



《いや、最高だなって思って。》



『まぁな。いい場所だよなここ。』















花火というより、智琉を見て言ってるんだけどな。













《あ、そういえば今日はカメラは持ってきてないの?》



『ん?あぁ。持ってきてない。』



《え?絶対に写真撮ると思ったのに…》



『花火の写真ならいつでも撮れるだろ。
でも、今日の俺は翔太が見る花火を見にきたからな。』



《!》



『それに今日は、“夜のデート” なんだろ?
なら、1人カメラを覗いているなんて野暮な事はしないって。フフ。』













…あぁ……ヤられた。



花火の光りのお陰で、バッチリ俺に笑いかけてくれる可愛くて綺麗な顔を見てしまった…









人とは距離をとった…



そして今は皆、次々に打ち上がる花火に夢中だろう…






だから……










グッ…


『フフ。ここでキスでもしてくんの?』



《…ダメ?》



『俺は問題ねぇよ。
でも、翔太が立てなくなんじゃね?』



《…当分、座ってるし。
それに、花火終わっても10時まではここで飲み食いできるから、それまでに余裕で回復できるし。》



『ここにそんないんの?』



《え?いないの?》



『花火が終わったら直ぐ帰るのかと思った。』



《え?》



『だって聖一朗が、翔太なら俺のこの格好見たら直ぐに帰るって言うって自信もって言ってたからな。』



《…自信?
確かにその格好で街中ブラブラなんて絶対にさせられないけど…“直ぐ”ってなんで?》



クイッ
『ここ。』



《ココ?》



『聖一朗曰く、“手を突っ込みたくなる位の開き具合に絶妙に作ったから” だとよ。』



《っ!!》














自信というか、“自信作”かよ!!





なんていう代物を作ってんだよ双葉さん!


そりゃこんなエロい格好になる訳だわ!







まさに、男なら魅惑のスポットじゃん!











ジー


そういう造りなんだと改めて聞かされると…





うん……








ジー

《手もだけど、顔も突っ込みやすそう…。で、思う存分舐め__ 》



『おい。』



《っ、だって智琉がそんな事言うからもうそれしか考えられなくなったんじゃんか!》



『今はココじゃなくて花火に集中しろや。』



《無理!》



『頑張れよ。』



《少しだけ!》



プイッ
『あー、花火綺麗だなー。』



《智琉!》



『帰ってからならいくらでもいいぞ。
だから今は折角の花火を楽しめよ。
俺は今を楽しんでる。翔太は違うのか?』



《っ!……じゃあ手!手だけでも握らせて!今はそれで我慢する!
そして終わったら即効帰るから!》



『ハハ。やっぱそうなったか。
分かった分かった。……ほれ。』



ギュ!
《ん!》



『ハハハ。あ、そうだ。“や~まや~”。』



《はあ?それを言うなら “た” でしょ?》



『ん?でも今日は “や” なんだろ?
ほら、あっちでも言ってる。』













あっちと言われて、花火の音がする中耳を澄ませて聞いていると…










「や~まや~!」
「アハハ!お山最高~!!」











と、何とも楽しそうな声が聞こえてきた。














《…今日が“山の日”だから?》



『この花火も毎年“山の日”に打ち上げられるから、とかじゃねぇの?』



《…それで、“や~まや~”?》



『ま、別に何でもいいんじゃね?
ほら、翔太も一緒に言おうぜ?』



『や~まや~。』
《や~まや~。》



『な?おかしくないだろ?』



《…確かに。》



『あ、またでかいの上がりそう。』










ピュー




_ドーン









《や~まや~!
来年は絶対にこのホテルに泊まってやるからなー!》



『…は?なんだって?』















という事で、来年も智琉はその胸元開いてる浴衣でよろしく!


































の日特別編に最後までお付き合い下さり
ありがとうございました(^^)





明日は、お休みさせて頂きますm(_ _)m


皆さまいい夜を……♡