- 幻夜 (集英社文庫 (ひ15-7))/集英社
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地獄で出会った男と女は生き抜くためにもはや何でもありか?謎の美女はいったいどこへ向かおうとしているのか?
- 白夜行の結末から約2年後の1995年1月、阪神淡路大震災のまっただ中、地獄絵図の中で二人は出会った。新海美冬という謎の美女と水原雅也という金属加工の職人である。混乱の被災地で意気投合した二人はタッグを組み故郷を捨て東京へ向かう。
文庫本の帯にはWOWOW連続ドラマの宣伝がプリントされている。稀代の悪女美冬を深田恭子が演じる。
東野圭吾原作「夜明けの街で」映画版で主役を演じているフカキョンをつい最近観たところだったのであまり違和感はない。
以下ネタバレ注意
美冬と雅也はお約束の犯行を重ねていく。
白夜行では主に二人の過去を暴こうとする人間に鉄槌を下す。読者は雪穂の悲惨な幼少期の境遇を知っているので悲劇のヒロイン雪穂の数々の犯行に対して同情できる(親友江利子の強姦など納得できないのもあるが)。
幻夜では美冬は自分がのし上がるために、愛の奴隷と化した雅也を利用して犯行を重ねていく悪女として描かれる。
幻夜だけを読んだ人は雅也には同情しても「悪女」美冬に同情することはないだろう。
先に白夜行を読んでドラマの白夜行も観てる私は 新海美冬=唐沢雪穂=綾瀬はるか として幻夜を読み進めていた。だから不幸な幼少期を過ごし、亮司という最愛のパートナーと二人で築きあげた全財産を失った「可哀そうな女」美冬を同情し、応援してしまうのだ。
幻夜は刑事や義姉が読者といっしょに美冬の正体を暴いていく道程が面白いわけである。
このことにしても白夜行を読んでいる人間は美冬の正体は雪穂なのか?浜本夏美なのか?と想像を膨らませながら読み進めるのでハラハラ、ドキドキするが、白夜行を読んでない人間は美冬と名乗っている主人公は実は美冬に成りすましている別人だと途中で気がつくだけでオチもなにもあったものではない。
その肝心なオチだが著者のいたずらで新海美冬と名乗る女が結局誰なのか明らかにしないのだ。
はたして、新海美冬=唐沢雪穂なのか?
つづく




