なぜ、未来をあきらめてしまうのか?理由があるよ。 | 植松努のブログ

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講演でしゃべりきれないことを書きます。

自分が小さいときに、

今の自分がこんなになってるって、

わかっていた人はいないと思います。

 

そらそうです。

人間は、未来がわかりません。

 

てことは。

今の自分が、未来にどうなっているのかは、わからないはずです。

 

だから、

 

自分の人生、しょせんこんなもんだ。

 

と、未来をあきらめる必要は、まったくありません。

というか、あきらめる根拠がありません。

 

人生は、いくらでも変わります。

変わらないのは、変わる可能性をあきらめて、なにもしないからか、

変える方法を間違えていただけです。


しかし、学生時代、学校の成績で進学先を決められます。

僕は、中学生の時に、進路の先生に、「飛行機ロケットの仕事がしたい」と言ったら、

「飛行機やロケットは、東大に行かないとできない。」

「お前の成績では、東大には絶対に合格できない。」

「お前の成績でいけるのは、この学校だけだ。」

「ということは、お前には進学は無理だから、はやく就職先を決めろ。」

と言われました。

みごとに、わかりやすい説明です。

ちなみに、僕は沢山の子から手紙をもらいますが、

そこにも、これと全く同じ事が書かれています。

 

これは、「変えることの出来ない過去の成績」で未来をあきらめさせる行為です。
これをやられてしまうと、「過去」がだめだと、「未来」もダメなんだ。

と思うようになってしまいます。

でもこれは、間違った情報です。

 

お願いだから、大人の人達は、子ども達に、「出来無い理由」を教えないでください。

なぜなら、「出来無い理由」は、いろんなのがあるけど、

最後には全部同じ意味になってしまうからです。

 

それは

「努力してもムダだよ」

です。

 

たとえば、子どもが、歌手になりたい。と言ったとします。

「歌手なんて、すごく競争激しくて、お前なんてなれるわけがない」

「歌手なんて、喰っていけないぞ。不安定だぞ。」

「歌手なんて、よほどルックスがよくて、よほど歌がうまくないと無理だ。」

「歌手なんて、強いコネがないとなれない。」

「歌手なんて、ものすごい金を使って、専門の学校に行かないと無理だ。」

もう、いくらでも出てきます。

(これらは、子ども達のお手紙にあった、実際の大人からのアドバイスです。)

でもこれらは、すべて、「努力してもムダだよ」につながる、「できない理由」です。

 

そうじゃなくてさ。

「歌手!?いいね! だったらさ、まずは、今度の町のイベントで歌ってみない?」

「だったらさ、実際の歌手に会いに行ってみようよ!」

「だったらさ、僕の知り合いで、カラオケで高得点だして、芸能デビューする人がいるよ!まずは、カラオケいこうよ!高得点狙ってみようよ!」

ほかにも、いくらでも、未来につながる道があります。

ちいさなことでも、やってみたら、わかることがあります。

もっと上手になる可能性もあります。

その「もっと踏み込む」きっかけを、アドバイスすべきだと思います。

 

自分が、できない理由を教えたら、未来をあきらめる子が誕生します。

その子もまた、できない理由を教えるようになります。

それはもう、ゾンビのように感染拡大していきます。

 

しかし、

自分が、「だったらこうしてみたら?」を教えたら、未来をあきらめないで挑戦する子が誕生します。

その子は、「だったらこうしてみたら?」を伝える人になります。

それも、どんどん感染拡大していきます。

 

ささいなことで、社会は滅びます。

ささいなことで、社会は発展していきます。

 

「あきらめ方を教えない。出来る方法を考える。」ってのは、

増税とか、働き方改革よりか、よっぽど日本の発展に効果的だと思うけどね。