ほめるんじゃなくて、感謝する。そして・・・ | 植松努のブログ

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講演でしゃべりきれないことを書きます。


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僕は、小さい頃、じいちゃんが大好きでした。

大きくて優しいじいちゃんでした。

いつも一緒に遊んでくれました。

 

先日、じいちゃんの職務経歴書のようなものが発見されました。

ものすごいボリュームです。

満州に開拓団を率いて行った後、そこから樺太にわたっています。

そこでも、いろんな地域をとりまとめるような役をしていましたが、

戦争によって、樺太はソビエト軍に占領されます。

そして、じいちゃんは、北海道にわたってきます。

 

僕の父さん(じいちゃんの息子)は、じいちゃんのことを、

「技術のことが何もできない人だった」

「いろんな集まりで酒ばかり飲んでいた」とけなしていましたが、

僕は優しいじいちゃんが大好きだったから、そんなことを言う父さんが嫌いでした。

そして、じいちゃんの経歴書をみたときに、じいちゃんのやってきたことと、

じいちゃんの優しさを再確認できた気がします。

 

僕の父さんは、厳しい人でした。

「友だちなんかいらん!くだらん!」

「男なんてのは、寝ないで仕事をしていればそれでいいんだ!」

ということをよく言っていました。

子どもにまで腕相撲をいどみ、いつも負かしてしまう人でした。

 

でも、じいちゃんは、いつも優しかったです。

あれができない、これができないと、怒られている僕に、

「努は優しいね」と言ってくれました。

それは僕にとって、救いの言葉でした。

そして僕は、もっと優しくなりたい、と思いました。

 

残念ながらじいちゃんは、まもなく、僕が6歳の時に、

突然倒れて、亡くなってしまいました。

今の医療技術なら救えるのだろうと思うと、なんとも悲しいです。

僕は、守ってくれる存在を失いました。

あとは、ひたすら、怒られるだけの人生になりました。

でも僕は、じいちゃんにほめてほしかったです。

だから、心のすみっこに、「努は優しいね」という、じいちゃんの言葉が残っていました。

 

残念な事に、僕にも父さんの血が流れています。

そして、小さい頃から、父さんの行動を見てきました。

「怒鳴る」「机をひっくり返す」「ものを投げる」「壊す」「扉を思い切り強く閉める」

「壁や扉を蹴って壊す」「殴る」

それが、ものすごく怖かったです。

だから僕も、時々、そうしそうになります。

でも、その衝動を抑えてくれてるのは、じいちゃんの「努は優しいね」です。

僕は、もっと優しくなりたい。

それが、僕の中の暴力をおさえている気がします。

 

おそらく、僕の中で、じいちゃんはものすごく美化されていると思います。

そして、じいちゃんを亡くしてすぐに、宇宙戦艦ヤマトの放送が始まり、

そこで、第1話から、じいちゃんが大活躍です。

僕は、沖田艦長にじいちゃんをかさねます。

そして、沖田艦長は、第1話でこう言ったのです。

「男なら、明日のために、今日の屈辱に耐えるのだ!」

これも、じいちゃんの言葉のように、僕の心の中の支えになりました。

 

だから僕は、小さい子ども達には、「優しいね」「ありがとう」と言います。

たとえば、片付けを手伝ってくれて、ほうきで床を掃いてくれた子がいたとしたら、

「掃除ができてえらいね」とか「ほうきを上手に使えてえらいね」ではなく、

「助けてくれてありがとう。優しいね。」と言うようにしています。

ほめるのではなく、感謝をして、「優しいね」と言うようにしています。

そうしたら、その子は、もっと優しくなろうと、思ってくれるかもしれません。

 

じいちゃん。じいちゃんの言葉は、僕を支えてくれてるよ。

そして、僕も、じいちゃんが僕にしてくれたように、子ども達にしているつもりだよ。

 

じいちゃん。喜んでくれるかな。

 

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