United Red Army Original Sound Track/Jim O'Rourk | AFTER THE GOLD RUSH
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AFTER THE GOLD RUSH

とおくまでゆくんだ ぼくらの好きな音楽よ――

実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)オリジナル・サウンドトラック

このアルバムは夜中にそっと聴いていたい。
だって、昼間なら、むくむくと湧き上がるバケモノのような感情を
抑えることができないもの。

下へ降りよう。今いるところから一段下へ、さらに一段下へ――
こう言ったのは、かつての“ゲバリスタ”太田竜だったか。
彼は、70年代初頭の“消耗した”若者たちにこう呼びかけた。

市民社会に住む一千万の同世代者に絶縁状を叩きつけ、
ひとまとめにしてこれを敵と宣言し、すべての妥協を拒否する「革命者」になろう、
荒々しく「市民社会」のとびらを突き破り、世界の辺境に向かって旅立とう、と。

彼の呼びかけに呼応し、ある者は日本を離れ、アジア・アラブの“窮民”の下に飛び、
ある者は路地裏の安アパートに、東京を、日本を撃つための軍事基地を作った。
丸の内に、札幌に、大きな火柱が立った。


それは、72年2月以降のこの国の風景のひとこまにすぎない。
だけど、これだけは言える。
革命というヒューマニズムの名の下に、連赤以降も多くの血が流れたということだ。


ジム・オルークの混沌として、暴力的で、それでいて、とても繊細で、美しい音の塊に包まれながら、
ぼくは何故か、そんなことを考えていた。
ノイジーなカオスの向こうから聴こえてくるのは、透きとおるほどに美しく、心優しい音楽だ。


そういえば、70年代、若松孝二の映画のポスターにはこういう一文が書いてあった。


狂気の中に優しさが
憎悪の中に抒情が――