あと11兆円あるはずの、日本国内株式 への投資余力(よりょく)」が消えてしまっているようなのだ。 | 日本のお姉さん

あと11兆円あるはずの、日本国内株式 への投資余力(よりょく)」が消えてしまっているようなのだ。

あと11兆円あるはずの、日本国内株式 への投資余力(よりょく)」が消えてしまっているようなのだ。
副島隆彦氏の「重たい掲示板」より。
↓こちらに読みに行ってください。
http://www.snsi.jp/bbs/page/1/
~~~~時間が無い方は~~~で囲んだ部分のコピペを読んでください。↓

GPIF (114兆円。年金資金投資運用 なんたら)は、日本国民の大事な、年金の積立金を、株というバクチに突っ込んで、「15兆円、儲かった」と宣伝したばかりだが、この8月末からの 株崩れで、痛手を受けて、も
う20兆円ぐらいの評価損 を出しているようだ。
ということは、「あと11兆円あるはずの、日本国内株式 への投資余力(よりょく)」が消えてしまっているようなのだ。 彼らが、(政府の機関のくせに)発表しないから、真実が
分からない。 のたうち回っているのではないか。あの GPIFの建物から、飛び降り自殺する責任者が、数人、出ることを私は希望する。
公的資金から利益を出す、というのは禁止である、と全国の公務員は、頭の芯(しん)から、叩きこまれた重要な、「公務員の服務規程、教育勅語、戦陣訓」だったはずだ。それを、竹中平蔵たちが、「公務員も 利益出せ、利益
を出せ」と喚(わめ)いて、法律違反をたくさんやって、今の事態だ。
アメリカさまに 日本国民の 大切な資金を貢ぎ続けることしか頭にない、本当に、悪魔の様なやつらだ。“インタゲ”の旗振り人、伊藤隆敏(いとうたかとし)、西室泰三(にしむろたいぞう)たちも同罪となる。 日本国民の年金
が、吹き飛んだら、お前たちは、本当に、国民から石を投げられるでは済まない。縛り首だ。
日本政府とアメリカ政府とEU(ヨーロッパ)政府が、目下の株崩れを、買い支えることが出来ないと、何が起きるか。このあとどうなるか、だ。やっぱり、中国と同じで、ゆくゆくは、・・・市場統制、取引停止、市場閉鎖 ということ
になるのではないか。バカな奴らだ。
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わたしは、08年の「エコ洗脳本」で東芝のWH買収事件の真実と思うことを書きました。会員の方はいまでも「ぼやき」にある私の原稿を読めるはずです。あの時、東芝にWHを6千億円で買収させたのはGEです。断言できます。90年代半ば以降の東芝は(ついでにIHIと日立も)、GEに完全にクビ根っこを抑えられて、逆らえない状態にありました。
WHが売りに出されたときに、技術的な筋としては、長年の提携関係にあった三菱重工が買うのが当然でした。しかし、三菱がWHを買ってしまうと、アメリカを脅かす強力な重電企業が誕生してしまうため、GEが無理やり横槍を入れたのです。あの時、GEは日立と(仮面夫婦の関係で)共同入札し、東芝は単独入札するという「挟み撃ち作戦」で、三菱の買収を迎撃しました。
その後の3.11により、原子力で大儲けするという東芝の野望はあっけなく崩れ去りますが、2012年10月にはショー・グループから、「約束だったろう」と、1250億円で20%分のWH株を追加で売りつけられるという、情け容赦ない仕打ちを東芝は受けています。恐るべきヤクザの世界です。血も涙もありません。
結局の処、世界の原子力業界の黒幕はGEなのです。GEはもはや東芝、日立などの日本メーカー等はどうでもよく、原発技術をさっさと中国に持っていきたくて仕方ないように、私には思えます。これからは東芝をねちっこく追い詰めて、さっさとWH株を売り払わせて、中国に高く売りつけるという、えげつない作戦を立てているのでしょう。
これからの原子力の中心は、米、仏、日ではなく、中国とロシアです。共産主義国の天下です。
左翼の人たちが望んでいるのか知る由もありませんが、没落した日本のメーカーから、原子力技術が中国に渡るのを防ぐ術はありそうにないです。原発事故がひとたび起これば、風も海流も日本を直撃しますし、こちらに補修する技術も無くなれば、我々は、なすすべなく見ているしかなくなるのでしょう。
~~~~~~~~~~~~~~~~時間が無い方はここまで。
副島隆彦氏の「重たい掲示板」より。
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重たい掲示板
(※旧名:気軽にではなく重たい気持ちで書く掲示板)
[1813]2015年8月30日国会前抗議活動の様子を投稿します
投稿者:古村治彦
投稿日:2015-09-02 15:55:03
副島隆彦を囲む会・古村治彦です。
長らくお待たせを致しました、講演会・定例会DVDの発送は昨日から開始いたしました。お届けまでもうしばらくお待ちくださいませ。ご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございませんでした。ご注文はまだまだ受けつけております。
※以下のアドレスからご注文いただけます↓
http://www.snsi.jp/shops/index#dvd
2015年8月30日(日)に日本各地で安保法制反対の集会やデモ行進が行われました。東京にある日比谷公園や国会議事堂前には、主催者発表で12万人、警察発表で3万人の人々が集まったということです。
その時の様子が分かる写真と動画を貼り付けます。
●写真
●動画(リンクをクリックしていただくと動画が始まります)
①日比谷公園から国会前の様子
https://www.youtube.com/watch?v=6ohr-TAI14M
②抗議集会の様子(5分過ぎから各野党党首の演説があります)
https://www.youtube.com/watch?v=qim1R1fEvEk
※いずれも「真実を探すブログ」(http://saigaijyouhou.com/blog-entry-7814.html)から転載を致しました。
古村治彦拝
[1812]私の金融セミナーは満員御礼。 世界株崩れ が続いて、2番底 ができつつある。
投稿者:副島隆彦
投稿日:2015-09-02 08:49:37
副島隆彦です。 今日は、2015年9月2日です。
ついに世界的な金融崩れが始まったようだ。 日経平均は、1日、724円下落して終わった(18165円)。そして、今朝の5時に、NY株式市場は、469ドル下落で終わった(16000ドル割れがあった)。
一回目の8月24日崩れ(1番底)、を、政府たちは買い支えきれなかったようだ。これは2番崩れの発生である。
下↓ の 「1809」番でお知らせした 「 9月6日。副島隆彦(そえじまたかひこ)の“予言者”金融セミナー 第10回 」は、申込者があふれて、満員御礼となりました。
まことにありがたいことです。多くの人がキャンセル待ちになっています。それで、私は、追加公演を計画したのですが、そうではなくて、もっと本格的に、なんとか10月の頭(あたま)に、次の 金融セミナーを、今度
は、東京体育館のような大会場を借りきって行なおうかと目論(もくろ)んでおります(笑)。
従いまして、今から、会場に出かけようとお考えの皆様は、どうか、もう少し情勢をじっと見て、お待ちください。すべては目下の“世界金融崩れ”の成り行き次第です。
私が、近著「官製相場 の 暴落が始まる」(祥伝社)と 「熱狂なき株高 で踊らされる日本」(徳間書店) で予測してきて通りの事態になった。 サブプライム危機(2007年
8月)、翌年のリーマン・ショック(2008年9月)から8年だ。
あれから8年が経ったのだ。 噫(ああ)、あれから8年だ。私は、6年目ぐらいで大暴落、大恐慌突入 を予測していたのだが、そのあと2年、粘られて遅れた。ようやく、私
が予測(予言)した通りに大暴落が始まった。私は、急いで今の事態を分析し、これからの激しい動きを予想、予見しなければいけない。
私は、ここの「今日のぼやき、1551番」で、8月25日に、次のように書いた。
(転載貼り付け始め)
昨日(24日) 、日本の株価(東証の平均株価)が、895円 暴落しました。先週末(金曜日)の600円下落を引き続いたものだ。 NYの株価も落ち続けている。 昨夜、10時半に、「NYダ
ウ 取引開始直後、1000ドル下げ」というニューズがあった。終り値は、400ドルぐらいの下げだろう。
この動きが今週、ずっと続くようだと、世界経済はいよいよ停滞し、大不況に突入する。この動きをなんとか阻止しようとして、現在、米・欧・日の先進国3地域で、深刻に連携、談合をやっているだろう。
計画的な “株価吊り上げ” を、このあとも、政府資金の投入でやって乗り切ろうとするだろう。株価の大暴落を喰い止めようという必死の弥縫策(びほうさく)だが、この 統制経済(コントロールド・エコノ
ミー)の・・・・市場操作 に失敗するようだと、今の動きは、確実に「ドル覇権の崩壊」に繋(つな)がる。
(転載貼り付け終わり)
副島隆彦です。 日本政府と、アメリカ政府(米財務省とFRB)が、この2回目の株崩れを買い支えて阻止できないようだと、本格的な世界的な株の大暴落の始まりとなる。
2回目の株暴落を 日本の政府資金(年金=GPIF、日銀ETF、郵貯)で買い支えて、ヘッジファンドたちの 日経平均先物(にっけいへいきんさきもの)の売り崩しを阻止できない
ようだと、さらなる“連鎖する大暴落”となる。
政府が、「どれどれ権力者であるオレさまたちが 」と 自分でバクチを張ると、失敗するに決まっている。
軍隊とか警察とか、税務署とかの権力機関を自由に動かせる、と 思って、市場(マーケット)という、人智(じんち)を越えた世界に、いいかと思って、嵌(はま)り込むと、動きを見透かされて、ヤラれるに決まっている。本当に愚か者たちだ。
アメリカのFRB議長のジャネット・イエレン 婆さんは、恒例の8月末の、ワイオミング州ジャクソンホールでの会合を欠席して逃げまわっている。表に出てこない。怯(おびえ)まくって、どうしていいか分からなくなっている。
「9月の米の政策金利(短期金利)の0.25%の引き上げ」どころの騒ぎではない。
そんなことをしたら、アメリカから資金が一斉に逃げるから、NYの株価がさらに暴落を続ける。

それよりも怖(こわ)いのは、米国債(ナショナル・ボンド、財務省証券)の大きな崩れである。

一番恐ろしい、この「債券バブルの崩壊」、「緩和(かんわ)マネーの終わり」の話はここには書かない。

「中国の景気減速が世界に悪い影響を与え」と、すべて、中国のせいにして、今の世界株崩れを説明しようとする。

なんというワルいやつらだろう。あれほど中国のことを長年、腐(くさ)して見下(みくだ)して、軽蔑してきたくせに。

今頃になって、「世界の経済は、実は(実需中心である。世界の実物経済を支えてきた)中国を中心に動いているのだ」ということを、いつの間にか、認めている。

中国は強いから、株式(上海総合指数)が、3000ポイントを割って、2500近くまで崩れても平気だ。 中国人は、天性の博奕(ばくち)打ちだから、平然としている。

暴落したら、そこから買い上げる。

日本人のように、これぐらいのことでは脅(おび)えない。

私は、『中国、アラブ、欧州 (ロシアもインドも)が手を結び ユーラシアの時代が 勃興する』(ビジネス社刊、2015年8月初 刊) を出した。

その中で、「(7月に)中国株の 一番底だ。

この先の動きを見極めて、人民元預金をして、中国株を買うべきだ。中国は強い。中国は勝つ」 と書いた。

この本を買って読んでください。

中国は、「社会主義的な特色のある市場経済 」を 実行しているから、いつでも統制経済(とうせいけいざい、コントロールド・エコノミー)に移行できる。

先進国は、「自分たちは近代人で、法の支配(ルール・オブ・ラー)を大事にするから、株式市場の閉鎖 とか株式の取引停止などということは出来ない。法律違反だから」 と 強がりで言っている。

どうせ、このあとは、取引停止の連続的な嵐が 世界中の各市場で 起きるのではないか。

GPIF (114兆円。年金資金投資運用 なんたら)は、日本国民の大事な、年金の積立金を、株というバクチに突っ込んで、「15兆円、儲かった」と宣伝したばかりだが、この8月末からの 株崩れで、痛手を受けて、もう20兆円ぐらいの評価損 を出しているようだ。

ということは、「あと11兆円あるはずの、日本国内株式 への投資余力(よりょく)」が消えてしまっているようなのだ。

彼らが、(政府の機関のくせに)発表しないから、真実が分からない。 のたうち回っているのではないか。

あの GPIFの建物から、飛び降り自殺する責任者が、数人、出ることを私は希望する。

公的資金から利益を出す、というのは禁止である、と全国の公務員は、頭の芯(しん)から、叩きこまれた重要な、「公務員の服務規程、教育勅語、戦陣訓」だったはずだ。

それを、竹中平蔵たちが、「公務員も 利益出せ、利益を出せ」と喚(わめ)いて、法律違反をたくさんやって、今の事態だ。

アメリカさまに 日本国民の 大切な資金を貢ぎ続けることしか頭にない、本当に、悪魔の様なやつらだ。

“インタゲ”の旗振り人、伊藤隆敏(いとうたかとし)、西室泰三(にしむろたいぞう)たちも同罪となる。

日本国民の年金が、吹き飛んだら、お前たちは、本当に、国民から石を投げられるでは済まない。縛り首だ。

日本政府とアメリカ政府とEU(ヨーロッパ)政府が、目下の株崩れを、買い支えることが出来ないと、何が起きるか。

このあとどうなるか、だ。やっぱり、中国と同じで、ゆくゆくは、・・・市場統制、取引停止、市場閉鎖 ということになるのではないか。バカな奴らだ。

私、副島隆彦 の友人のひとり は、「副島。このあとは、ずっと暴落だから、日本版のVIX(ヴイアイエクス、恐怖指数)を買うよ」 と言った。

以下の 「株が暴落しそうになったら、激しく跳ね上がって儲かる」日本版の VIX(恐怖指数)のURLを載せます。

天性、博奕打ちの素質のある人は、参考にしてください。1552 国際のETF VIX短期先物指数
iPath VIX短期先物指数連動受益証券発行信託http://www.nikkei.com/markets/company/index.aspx?scode=2030

副島隆彦です。

以下は、最新の新聞記事だ。

(転載貼り付け始め)

●「 NYダウ終値、469ドル安…1万6058ドル 」読売新聞 2015年9月2日(水)5時58分配信

【ニューヨーク=越前谷知子】1日のニューヨーク株式市場で、ダウ平均株価(30種)は大幅下落し、前日終値比469・68ドル安の1万6058・35ドルと3営業日連続で下落して取引を終えた。ナスダック店頭市場の総合指数は、140・40ポイント安の4636・11で取引を終えた。
(転載貼り付け終わり)

副島隆彦です。
お、この読売新聞のNYにいる 越前谷知子(えちぜんやともこ)という記者は、愛国者・中川昭一(なかがわしょうち)の失脚と死に関係している女だ。

死ぬまで、中川の亡霊の追いかけられるだろう。

「この300億ドル(3兆円)は、ヨーロッパの貧しい国々に、日本からのプレゼントです」と、ストロスカーンIMF議長(当時、後に、女性問題スキャンダルでアメリカの計略で失脚させられた。フランス大統領になるべき人だった)を喜ばせた。

中川昭一財務大臣(当時)は、「日本の外貨準備高から、切り取って与えた」のだ。

これにアメリカ財務省が怒り狂った。

それで、中川昭一は、殺された。

(転載貼り付け始め)

● 「 日経平均大引け、大幅続落 700円超下げ、中国景気への警戒感 」2015/9/1 15:07 日経新聞9月1日の東京株式市場で日経平均株価は大幅続落した。
終値は前日比724円79銭(3.84%)安の1万8165円69銭で、直近の安値を付けた8月25日以来の低水準だった。
東証1部の95%以上の銘柄が下げるほぼ全面安の展開だった。
きょう午前発表の8月の中国の製造業購買担当者景気指数(PMI)が好不況の分かれ目である50を下回ったことで、中国景気の減速懸念が再び強まった。
投資家の運用リスクを回避する動きが続き、外国為替市場で円相場が1ドル=120円台半ばまで円高・ドル安が進行。
輸出企業の採算悪化を懸念する売りも重なった。
終盤には株価指数先物に断続的に売りが出て下げ幅を広げ、きょうの安値で終えた。

●「 日経平均先物、夜間で一時300円超下落 欧州株安、円高で売り加速 」2015/9/1 18:02 日経新聞9月1日夕刻 の大阪取引所の夜間取引で、日経平均先物が一段と下げ足を速めた。
中心限月である2015年9月物は一時、同日の清算値に比べ320円安い1万7790円まで下げた。
日中と夜間取引を合わせて8月26日以来の安値水準。
欧州株式相場が軒並み下落したことを嫌気した売りが続いた。
外国為替市場で円相場が対ドル、対ユーロともに円高が進み、日本企業の輸出採算の悪化を懸念して売りの勢いが増した面もある。
(転載貼り付け終わり)


副島隆彦です。

現在の 朝8時30分の 「日経平均先物」は、17,880円で、995円安だ。

▲5.07%だ。 暴落が続いている。しかし、 「24時間市場」の「日経平均CFD」の方は、17,845円 の 安値から切り返しつつあって、318円安だ。

▲1.78%だ。 アメリカのヘッジファンド=国際投機筋=どもは、“日本売り”を続けるつもりだ。
このあと、今日の東京市場が開くのだが、安値から始まり、もみ合うだろう。
日銀は、日銀ETFを、義理堅く、336億円今日も投入するかもしれないが、政府の主力艦であるGPIFが、 2000億円ぐらい突っ込んで、一個師団投入で、「何がなんでも吊上げてやる」と出るか、見ものである。

副島隆彦拝[1811]
天武天皇の正統性について
投稿者:守谷健二投稿日:2015-08-31 11:41:41
藤原氏について藤原不比等が『日本書紀』に登場するのが持統三年(689)です。これ以前には、藤原氏は存在しません。すべて中臣氏です。

『日本書紀』は、万世一系の天皇の日本統治を正統化するために創られた書ですが、また藤原氏の存在を正当化する書でもあります。

天武天皇の時代に始められていた「史書編纂」は、大宝元年(700)には、一応完成を見ていた。

遣唐使・粟田真人は、それを携えて唐に渡ったのでした。

しかしそれのあまりの独創ゆえ、唐朝に受け入れてもらうことが出来なかった。改訂する必要がありました。
改訂作業の参考にしたのが中国最新の正史『隋書』でした。

『古事記』は、改訂版『日本書紀』の青写真です。

『古事記』が推古天皇で終わっているのは、隋朝が推古天皇の時に滅び、記述がそこで終わっているからです。

『古事記』は、和銅五年(712)正月、稗田阿礼が語ることを、太安万侶が書記した、との序文を持つ。

この二年後の和銅七年、「壬申の乱」の生き残りで、天武朝・持統朝の真の主宰者・高市皇子の片腕で、軍の実権を握っていた大納言兼大将軍・大伴安麿が亡くなっています。

この時から藤原不比等が亡くなる養老四年(720)八月までが真の不比等の時代です。
『日本書紀』は、この年の四月に撰上されています。
不比等は、改訂『日本書紀』に、藤原氏の存在の正統性を創造して書き入れました。
天智八年十月十日、内臣・中臣鎌足が重い病に倒れたので、天皇が自ら見舞いに出向き、これまでの労をねぎらった。

また十五日”天皇、東宮大皇弟を藤原内大臣の家に遣わして、大織冠と大臣の位とを授く。よりて姓を賜いて、藤原氏とす。

これより後、通して藤原内大臣と云う。

十九日、天皇、藤原内大臣の家に幸(いでま)す。

”不比等の時代は、いまだ天智勢力と天武勢力が拮抗していた。
不比等死後に実権を握ったのは、高市皇子の息子の長屋王(ながやのおおきみ)です。
不比等は、用心深く大皇弟(後の天武天皇)の顔もちゃんと立てて『日本書紀』を創っています。

養老四年の不比等の死から、神亀六年(729)二月、長屋王殺害まで、長屋王の時代です。

長屋王の殺害は、不比等の四人の息子の共謀です。

不比等の四人の息子はそれぞれ独立して藤原四家を作りました。

長男の武智麿の家を南家と云い、次男・房前(ふささき)の家を北家、三男・宇合(うまかい)の家を式家、四男・麿の家を京家と呼びます。

天武系勢力の重心・長屋王を滅ぼし、藤原氏の時代が始まったかに見えました。

しかし、好事魔多し、天平九年(737)、わずか四か月の間に、藤原四家の当主が四人とも病に倒れ死んでしまった。

人々は、長屋王の怨霊が荒れ狂うのを見たのです。

長屋王の遺子・鈴鹿王を知太政官に祭り上げ、天武系の人物である橘諸兄を右大臣に任じ、長屋王の荒れ狂う御霊を慰めた。

ここに天武勢力が息を吹き返したのです。続く。

[1810]天武天皇の正統性について
投稿者:守谷健二投稿日:2015-08-24 09:22:52

大伴氏の立場 2壬申の乱の天武(大海人皇子)の勝因の第一は、美濃尾張国で近江朝(大友皇子)が徴兵していた二万の民衆を何の抵抗もなく手に入れたことです。

そして第二の勝因は、大和古京で名門大豪族の大伴氏が一族を結集して天武に付いたことです。
この大伴氏で最も活躍したのが、大和古京での蜂起の成功を、不破関(今の関ヶ原)に陣を張っている総大将高市皇子(天武の長子)に伝えた大伴安麿でした。
安麿は、孝徳天皇(在位645~654)の下で右大臣を務めた大伴長徳の第六子と書かれています。
大伴安麿は、和銅7年(西暦714)五月、正三位大納言兼大将軍で亡くなっています。天武・持統朝の真の主宰者であった高市皇子が亡くなった持統十年以降、軍事の中心にあり文武朝・元明朝に睨みを利かせていた。
安麿は。高市皇子の片腕であったと考えられます。

この安麿が『万葉集』の中心的歌人の大伴旅人、大伴坂上郎女の父、『万葉集』の最終編者と考えられている大伴家持の祖父であることは前にも述べました。
『万葉集』から安麿の最初の妻が、近江朝の大納言巨勢人卿の娘であったことが判ります。
巨勢人卿は、大友皇子(明治に追号され弘文天皇)に最後まで忠義を尽くし「壬申の乱」の後、本人並びに子孫を悉く流罪に処す、との重い刑を受けています。
安麿の最初の奥さんは、この巨勢人卿の娘だったのです。
大伴旅人は、安麿と巨勢人卿の娘との間に誕生している。
安麿の家庭を悲劇が襲っていた。
安麿と妻は、引き裂かれていた。
安麿の二番目の妻は、石川郎女です。
石川郎女は『万葉集』の中心的ヒロインです。
草壁皇子(天武天皇と皇后後の持統天皇の間の子)と大津皇子が、石川郎女を争った歌が『万葉集』に残されています。
大津皇子、石川郎女に送る御歌一首あしひきの山のしずくに妹待つと われ立ち濡れぬ山のしずくに 〔107〕石川郎女、和(こた)へ奉る歌一首あを待つと君が濡れけむあしひきの山のしずくに成らましものを 〔108〕この〔108〕後の歌〔109・110〕を読むと、石川郎女は、皇太子草壁皇子の寵愛を受けていたが、草壁皇子のもとを去り、大津皇子に走った。
大津皇子が殺害された原因に、この事があったのではないかと云われている。

つまり、石川郎女はいわく付の女性であった。
草壁皇子の母である持統天皇に睨まれている存在であったのです。
安麿の次男・大伴田主は、石川郎女との再婚に反対であったことが『万葉集』より判明します。
この石川郎女との間に生まれたのが女流歌人として最も多くの歌を残した大伴坂上郎女です。

和同7年(714)、大伴安麿が亡くなった後、第一の実権者に君臨したのが藤原不比等(養老四年、西暦720没)です。
この不比等の時代に『日本書紀』は精力的に改修され完成を見ています。

なお『古事記』は、和銅五(712)年正月に書いた、と序文は述べています。
藤原不比等の父・中臣鎌足は、天智天皇の信頼の篤い片腕でした。
持統天皇は天武天皇の皇后でしたが、天智天皇の娘です。
また元明天皇も天智の娘です。
天智の娘たちは、父の信頼篤い中臣鎌足の遺子・藤原不比等を上手に匿い、大事に育て上げたのだと思います。
天智系勢力の中心に藤原氏が成ってゆきました。
それに対し、天武系勢力の中心は大伴氏でした。
藤原不比等が亡くなった後、高市皇子の子・長屋王が右大臣、左大臣(721~729)になり実権を握ります。
まだまだ天武勢力が健在であった証拠です。
しかし、神亀六年(729)二月、藤原不比等の四人兄弟の共同謀議により長屋王は、謀反の濡れ衣を着せられ殺害された。
天武系勢力の大々挫折です。天武系勢力の中心、長屋王家の藩屏の中心であった大伴氏は、何をしていたのか。
大伴氏の頭領・大伴旅人は、神亀四年の年末に太宰帥を拝命し、都を留守にしていたのです。
帰京するのは天平二年(730)の年末です。
大納言に昇進して帰京しています。
『万葉集』は、第五巻を中心に、旅人の太宰帥時代の歌を数多く残しています。それらの歌を読むと、藤原四兄弟と、大伴旅人の間に、取引があったとしか思われないのです。
大伴旅人が、長屋王を裏切ったのではないかと。

[1809]この7月、8月に世界で何が起きていたか。
そして 私の金融セミナー開催のお知らせ
投稿者:副島隆彦投稿日:2015-08-17 15:34:12