中国経済が薔薇色という宣伝が嘘であることがわかる。
未曾有の就職難が現実のものとなった
中国の大学新卒413万人のうち、実に51%も「就職先」が未定
第二四半期のGDP成長率は10・4%と「パンパカパーン」の発表があった。
中国経済は燃えている、と錯覚しそうになる。
「共同、北京」発、7月19日付けは下記のように伝えている。
「大学卒業者のうち半数以上の就職が決まらない未曾有の就職難が起きている」。
「2004年に約280万人だった大学などの卒業生は今年413万人と増加。多くの大学生は大都会で高給を求めるため雇用側の要求との不適合も指摘される」。
昨年340万人の新卒のなかで、職が無かった人が79万人。
つまり23%が職にあぶれ、ついには「月給一千元でもいいですから」と売り込みに歩く学生の姿が目立った。
それが今年は51%。
中国の学制では卒業シーズンは七月である。
入学は九月。つまり、現時点で51%に職がないということは、日本で言えば3月中旬、入社式が四月というのに、内定が一件もないという焦りに似ているだろう。
この衝撃がどれほどのものか、日本の感覚ではなかなか理解が難しいかも知れないが、この一事だけを取り上げても、中国経済が薔薇色という宣伝が嘘であることがわかる。
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古い記事です。↓
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成18年(2006年)5月16日(火曜日)
中国の不良債権は9110億ドル、公式発表の7倍
アーンスト&ヤングは、中国に「弊社の不良債権は間違い」と謝罪したが。。。
昨師走に中国は、唐突にGDPを16%嵩上げした。
成長率は9・5%(2005年度)、ことしの全人代では経済成長率目標を抑制し、8%にすると発表した。
これまで世界の有力銀行、証券のシンクタンクは中国の不良債権率を5000億ドルから9000億ドルと見積もってきた。
世界有数の会計事務所アーンスト&ヤングは、5月3日に公表した報告書で、これを最悪「9110億ドル」としたが、北京の強い抗議に屈し、「あれは間違い」などと釈明した。
しかしこの事件により、かえって真実の数値が明らかになった、と見た方が良いだろう。
公式統計と実態が7倍も違う。さすがに白髪三千丈の比喩力がある国、数字の改竄ぶりも桁が違う。