F00ユニコーンガンダムに乗った生明は、脳裏に感じた璃彩(りりさ)の声に目覚めた。
そんな折、生明の中で何かが覚醒した。
本来、生明が意識ある状態でF00はデストロイモードになることは無い。
だがしかし、そこを打ち破って生明は意識を保ったままF00をデストロイモードに変身させた。
すると…その様子を見ていた人口ビースタムは、背後から攻撃を仕掛け、戦闘体制に入った…
すぐさまF00の機体を起こした生明は、人口ビースタムと対峙させ、相手が仕掛けて来るのを待った。
が、急に人口ビースタムが顔を強張らせたかと思うと、そのまま逃げるように消えていってしまった…
生明はそれを見て最初は何事かと警戒したが、何も起こらないと悟り、張り詰めた緊張がとけ、一気に体のチカラが抜けた…
「大丈夫…生明?!」
F00がコクピットにセットされたタブレットから話しかけた。
「なんか…疲れたぁ〜。早く…家に帰りたい…!お腹すいた!」
「分かった…早く帰ろう」
F00が、思わず苦笑した。
ーーーーーーーーその頃、地球連邦軍ではーーーーーーーー
「調査班、まだあの謎のモビルスーツ(F00ユニコーン)の詳細は、分からないままなのか?」
ビル参謀が無線にて、少し焦ったような口調で尋ねた。
「全く以て謎のままです。何処からやってくるのか、誰が搭乗しているのか、そして誰が作ったのか…」
「敵は同じN国なのだがな…我々に協力してくれたら、奴らを封じ込めるのが、たやすくなるのだが」
「やはり、あのモビルスーツのポテンシャルは…」
「悔しいが、とても我々のモビルスーツでは太刀打ちできぬ。それに最近現れたあの化け物(人口ビースタム)も、あやつらの仕込んだものに違いない…これ以上手がつけられなくなっては、あまりに厄介だ。だから頼む、早くあの白いモビルスーツの正体を、調べだしてくれ」
「…かしこまりました」
無線を切った後で、返答を担当した調査員が思わず呟いた。
「そんな簡単に上手くいくのかね…?!俺達連邦も、まあまあキナ臭いと思われても、不思議じゃねぇのによ」
それを聞いていた班長が言う。
「まぁなぁ…(笑)でも、俺達の生活のためにも、少しでも有利に事を進めたいのも確かだ」
「それは分かっちゃいますがねぇ…なんだか別次元の世界からやってきた、とかめちゃくちゃな事でも答えたくなりますわ」
まさか、それが当たっているとは、当人も思ってはいなかっただろう。
別次元の世界で、沖田が思わずクシャミした。
(その2へつづく)