オリガさん

角田光代さんの[八月の蝉]という作品が好きだ。
原作の小説、ドラマ、映画、全て観た。
凄まじい程の母性に溢れている作品。
作者の角田さんはご結婚されているが、お子さんはいない。
ご主人とトトちゃんという猫と暮らしている。
私も含めて子供のいない女性は、母性に憧れと神秘性を抱いている方が多いのではないだろうか。
角田さんの作品にも共感する部分が多く、胸の奥が張り裂けるような、でも温かい思いが伝わってくる。

[薫が居れば、ママは何も要らない]

という言葉は、思わず
(自分自身の言葉ではないのだろうか?)
と思ってしまう程物語に入り込んでしまう。
最近過去NHKで放送されたドラマが再放送となり、録画しておいたものをようやく観ることができた。
初回から胸が苦しい。
その中でソプラノヴォカリーズで流れる歌が頭から離れずにいる。
NHKに問い合わせたが曲目は解らなかった。
しかし執念で調べると、Apple Musicにあった。

‎渡辺俊幸の「八日目の蝉 オリジナルサウンドトラック」をApple Musicで
 https://music.apple.com/jp/album/%E5%85%AB%E6%97%A5%E7%9B%AE%E3%81%AE%E8%9D%89-%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%82%B8%E3%83%8A%E3%83%AB%E3%82%B5%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AF/366947944

愛しきわが娘
悲しみ

という2曲。
とても好きな曲で、渡辺俊幸さんという方が作曲、歌っているのはロシア人のオリガさんという方のようだ。
残念ながらオリガさんは、2015年1月に病気のため44歳という若さで急逝され、
2005年に放送された「NHKハイビジョン特集 伊勢神宮 受け継がれるこころとかたち」の音楽を渡辺さんが手掛けた際、メインテーマである「遷宮」という曲を歌われ、渡辺さんと何度も仕事をご一緒にされているシンガーソングライターだったそうだ。
渡辺さん作曲で女性ヴォカリーズばかりを集めたオリガさんも歌われているCDが販売されており、既に廃盤で高騰価格になっているのだが、是非聴いてみたい。

VOICE OF HEAVEN
 https://amzn.asia/d/3Kjeom8

子供がいたら、こんな気持ちになるのだろうか。
自分という存在を全身で求めてくれる存在。
もう生むことはないけれど、逢ってみたかったと思う。