今日も暑い一日でしたが、夕方から涼しい風が吹き始め、今は快適な那須です。
珍しく6日間家で休日を過ごしたわけですが、遅い夏休みというところです。

さて、9.11から既に10年がたったわけです。
この間、私は国際的な仕事をする機会を得たことから、いろいろな国の人たちと話し合う機会も得て、逆に、日本が如何に恵まれた国であるかを知ることができました。

この間、アメリカはアフガニスタン、イラクと派手にドンパチやって回ったわけで、「テロとの戦い」との錦の御旗を掲げて突っ走ってくれているわけですが、果たしてそれが正しいことだったのでしょうか。

確かに、アメリカが主導する資本主義を根底に置いた民主主義としては、間違いとは言えない範囲だったとは思いますが、アメリカ的資本主義、帝国主義の押しつけとの、主にイスラム圏の諸国の批判も、決して間違ってはいないと思います。
関係しますが、現在も全世界で続いているいわゆるジャスミン革命、元々の思想は穏健な民主主義革命なのですが、政権が転覆したエジプトにしてもリビアにしても、今もめている他の国々にしても、実態は内戦以外のなにものでもありません。
果たしてどこまでやる気なのか、本当に民主主義につながるのか、私は注目しています。

確かに日本では、民主主義が当然のように行われていますし、日本の民主主義、世界的に見れば社会主義、共産主義をも併呑したような画期的なものなのです。
なぜなら、先進国で日本ほど貧富の差、給料の格差の少ない国は他には無く、ドバイでは、民主主義、社会主義を資本主義下で理想的に両立させた唯一の例と評価されているほどです。
一頃話題になった貧困率なんてものは、日本の基準の貧困は、海外の国の中流以上と言って良いぐらいのレベルですから、無意味です。
世界的な視野で見れば、日本の民主主義は、ある意味理想を体現しているのです。

アメリカは、確かに自由な国ですが、成功と没落、両方向に自由な国であり、確固たる信念を持って上を目指せば、進路にアメリカンドリームが開ける一方、何も考えずにいたら落ちる一方であり、下には下があり、その犠牲の元に一部の人々の栄光が成り立っているような社会でもあります。
ですから、日本的に見れば、自由であるよりも、厳しい国だと思います。

それでは、幸せな国と言われる北欧諸国、これ、アメリカとは対極的な方向を目指したとも言える国で、高福祉、高負担は、現状を肯定し、大きな成功を目指さず、それを幸せとして満足できる人々にとっては、確かに幸せな国である反面、チャレンジ精神旺盛で、より大きな成功を夢見る人にとっては、たとえ成功し続けたとしても、加速度的に負担が増していくだけで、到底幸福とは感じられない国でもあるわけです。
ですから、世界に目を向け、成功を夢見る若者は、南欧やアメリカに逃げていってしまい、残ったのは老人だけというどこぞやの国の過疎地域のような社会構造になりつつあります。

ヨーロッパは変な地域で、ユーロ圏として統一した弊害が今いっぱい出てきていて、本来、それぞれの国で経済的に独立していたものをユーロという尺度を押しつけたため、ギリシャやイタリアのような構造的な、解決が大変難しい経済危機を抱え込むことになったのです。
それが、円高の大きな要因にもなっているわけです。
日本も、政府は借金大国ですが、国民の貯蓄が大きいため、国としては金持ちなわけで、それが通貨円の信頼性につながっているのです。

中国はと言うと、まだまだ発展途上です。
日本の高度成長期との大きな差は、日本は、経済的成功を国民全体が享受し、1億総中流を体現していったのに対し、中国では中途半端な資本主義導入が、職業による大変な貧富の格差、都市部と農村部の生活格差等の自己矛盾を抱え込むことになってしまいました。
正直、今民主化したら、空中分解しかねませんから、徹底した言論弾圧も、ある意味人民のためとも言える状態になってしまっていると思います。

あと、私が理解に苦しんでいるのは、リビアに対する欧米の態度です。
カダフィ大佐は、確かに独裁者でしたし、アラブの狂犬と言われたように、一時期テロに走った時期もありました。
しかし、彼は昔ながらのリビアの伝統的な生活を守っていたり、むしろアラブ圏の指導者としては、大変まともな面も持っていたのです。
世界の多くの国の実態は、民主主義共和国、共和国…の名前はついていても、独裁国家なのです。
中東の産油国は、全て王族独裁国家といってよい体制ですし、アフリカ諸国も、共和国の名前はついていても、土地は全て王族の持ち物、政権も王族独裁がほとんどです。
ですから、NATOまで加わって、民主主義実現のためにリビアに内政干渉をした理由がわかりません。
エジプトがこけたからだとの推測も間違いではないと思いますが、むしろ、周囲の国々の指導者たちは、明日は我が身かもと、戦々恐々としていることでしょう。

そんな国際情勢の中で、日本は大震災があってもまともであり、いや、そのまともさが世界に喧伝されることになりました。
「何故略奪が起きないのか。」「何故暴動が起きないのか。」「何故みんなで仲良く助け合えるのか。」
これ、日本人にとっては愚問ですが、他の国の人々にとっては、真摯な疑問であり、それができる日本は驚異なのです。

つまり、日本の常識、世界の非常識なのですが、私は海外の人々と話し合ってみて、それだけ日本は平和であり、恵まれており、すばらしい国であることを痛感しました。

平和なすばらしい祖国日本に、誇りを持ちましょう。

なお、国歌、国旗を尊重するのは、常識を越えた国際マナーです。
他国のものであっても、国歌斉唱、国旗掲揚は敬礼して行うものであり、それを拒否するような人間は、どの国でも受け入れられないことを申し添えます。(この点だけは、日本は本当に非常識かもしれません。)
 
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