手術から1ヶ月が経ちました。
色々ご心配すみません。私は元気です!✨
前にも書きましたが、今回手術する事を公表して沢山の反応をいただき、その中でヘルニアの方が想像以上に多い事に本当に驚きました。ミュージシャンでも首や腰のヘルニアや、脊椎や神経の病気を患って悩んでる話、治っている人もいれば現在進行形の方、色々お話伺いました。
私はヴァイオリンを4歳から始めて、昔から腱鞘炎には気を付けるよう意識してきましたが、ヘルニアは自分がなるまでは意識をした事のないものでした。
ヘルニアの原因は特定出来るものではなく色々考えられますが、ヴァイオリンによる姿勢の歪みも要因の一つではないかなと思っています。
もう少し体のメンテナンスを日頃から気を付けていたらもしかしたら、、、とか思ってしまったり。
私が公表して本当に良かったと思っているのは、この事実を知れた事と、書いた事で誰かがこんな風にはなりたくないと思ってもらえたり、書いてくれてありがとうと言われた事。
経過も知りたいとのお声もあり、自分の記録の為にも、手術〜今までの事を書き留めておきたいと思います。
が、私はお医者さんではないので👩⚕️、あくまで一体験談として読んでいただけたらと思います。😌
まず始めに、私はヴァイオリストでなければこのタイミングでは手術をしていませんでした。
ヘルニアは実は無症状の人でも持っている人が結構いるとのこと。大事なのは症状が出てしまっているかどうかという事。
私の場合第6と7脊椎の間の椎間板が飛び出していました。
MRI画像では縦の断面では神経の半分くらいまで潰れており、横の断面では脊柱管の3分の1くらいの面積をヘルニアが侵入していて脊髄が奥に押しやられて押し潰れてブーメランみたいな形になっていました。(ちなみに首と腰ではヘルニアの出方は違います。腰の方がすごく飛び出している事が多いです。)
症状としては左首肩の痛みと、左腕の痛み、痺れ、握力低下、あと右半身の胴体を中心とする痺れ麻痺。
手術の目的はヴァイオリンに必要な左手の感覚を戻す事、痛みをとる事。
ヘルニアは何番目の脊椎の椎間板が出ていて何番の神経を圧迫しているかによって症状の出る場所が変わります。
私は第6、7脊椎の間の椎間板ヘルニアで、第7、8頸髄神経根を圧迫していることにより左手の中指、薬指、小指への影響がありました。
悲しいかなヴァイオリニストにとっては最悪な箇所。せめて違う場所のヘルニアだったら、せめて右に出ていたら、とか思ったりもしましたが、出ちゃったもんはしょうがない。ではどうするか、ということでまずは手術するかしないかの選択。
先にも書きましたが、私はヴァイオリニストでなければこのタイミングでの手術は選択していませんでした。
なぜなら私生活は痛くても多少力が無くても、山を超えた後は耐えられない程ではなかったし、一般的には3ヶ月ほど経過観察をして、安静にすることにより症状が和らげばする必要はないとのこと。手術は最終手段です。
神経の手術は圧迫を取り除く事により、神経が自力で回復する環境を作ります。(イメージ的には低反発枕みたいな😅ぎゅっと押していたものを取り除いた後にへこんでいた部分がゆっくり戻っていきます。)
神経の回復力は、年齢だったり、圧迫されていた時間によって人それぞれです。そして、回復したり落ち着くまでに2年ほどかかるとも言われています。
なので、手術をするとすぐに全ての症状が必ず良くなる訳ではなく、痺れが残る可能性もある事を説明を受けました。
要は良くなる可能性に賭けるという感じです。😅
私の場合手指の神経を圧迫されていて、手指の神経は一般的に回復しにくい事、そして万が一神経が死んでしまった場合一生取り戻せないとの事で、ヴァイオリニストとしては手術のタイミングは非常に重要な問題でした。
私も正直沢山不安の中で、奇跡的にヘルニアが全て引っ込んでくれていたら…と手術前日まで祈っていましたが、残念ながら前日のMRIでも大きく変わらず。前日の夜にやっと心がまな板の上の鯉状態になりました。笑
手術の術式ですが、私は人工椎間板置き換え術という術式でした。(あのYOSHIKIさんと同じ手術です🥁)
日本では2017年12月に医療保険認可を受けたばかりのまだ新しい術式。
前方固定術など色々術式はありますが、私の場合はヴァイオリンを今後弾く為には首の可動域を広くしておく事が重要で、人工椎間板置き換え術は本来の首の動きをそのまま残せる事と、術後もカラーを付ける必要もなく早く動かせるから、復帰も早く出来るであろうとの事で私には合った術式でした。
手術内容はその名前の通りですが😅、飛び出した椎間板を除去して、新しく人工の椎間板に置き換えるものです。
全身麻酔で首の前方を首の皺に沿って4cmほど切り、脊椎は首の後ろ寄りにあるので、食道と気管を横にずらして奥にアプローチする手法でした。
その為、術後声が出にくくなったり嚥下障害や呼吸困難を起こしたりなどの可能性がある事を聞きました。(お医者様も事前説明をしなきゃなので、多少怖い事も言われます)
私の場合、術後1週間くらいは咳払いや声のかすれが多少ありましたが、その後は今まで通り声が出ています。食道の方も術後2週間ほどは飲み込むのがスムーズではなかったですが、今は何の違和感無く飲み込めます。
お医者様は、首に傷がついてしまう事をとても気にしてくださっていましたが、技術の進歩は凄い!傷口を縫うのかと思っていたら今時接着剤があるとのこと。
ホントに、、!?と思っていましたが本当に接着剤で皮膚が張り付いていました!😱笑
術後しばらくは傷口の上にカサブタとのりがついている状態でその上からガーゼをしていましたが、お風呂もすぐ入って大丈夫だったし、退院時にはガーゼも取って良く、3週間ほどでカサブタも全て取れました。
カサブタがあるうちは街でもギョッとされる事もありましたが、今はそこまで見られてる感じもせず。1年くらいでかなり目立たなくなるとのこと。
私の場合は症状からすると本当は首の左側から切った方が良かったのですが、術後ヴァイオリンを早く弾きたいとの気持ちを聞いてくださり、少しリスクが高くなるとの事でしたが楽器を挟むのに問題のない右側から切ってくださいました。(ヴァイオリンを弾く時は首の左側に楽器があたる)
傷口としては、痛みはほとんどなかったのですが、傷の真上辺りが術後全く感覚がなくなりました。よくある事との事で、それも2週間ほどで治りました。
肝心の症状ですが、右半身の痺れや左首肩の痛みや左手の痺れは術後割とすぐになくなりました。
術後1泊はICUで過ごし、寝返りも看護師さんに手伝っていただかないと出来ずでしたが、2日目には一般病棟に戻り、通常ご飯も開始。丸2日間は点滴2本に尿のチューブ、首にも血液が溜まらないようにするチューブが入っていて、強い鎮痛剤も点滴されていたりで目眩でふらふらしながらゆっくり動いていましたが、全てのチューブが外れた3日目以降はどんどん動けるようになってきてリハビリやお散歩も開始、5日目辺りからはもう元気が余りすぎて困ってました。😅
11まで落ちていた握力も術後1週間くらいで20まで上がり、先日の術後1ヶ月検診では22まで上がっていました。
先にも書いた通り私の術式は日本で認可されたのは最近で、術後5年以降のデータがありません。なので、10年後どうなるかなどは正直分からないのですが、ひとまず今は手術を選択し、無事に終わった事が本当に良かったです。
首の手術、そして新しい術式という事でリスクも色々承知していましたが、先生が私のヴァイオリニストとしての想いを汲み取ってくださり、決心させてくださり、手術を遂行してくださったこと、本当に感謝しております。とても技術の要する手術との事で、でも先生方のお陰で安心して受ける事ができました。頭が上がりません。
最近は当たり前な色々に、涙が出る日々です。✨
感謝しかありません。
とっても長くなりましたが、私自身手術前に色々自分で調べた時に経験談などが有難かったので、
そして私が過去の事を忘れやすいので😂自分の記録の為にも、で記させていただきました。😌
改めて沢山のご心配をおかけしてごめんなさい、
そしてありがとうございました。
この経験がまた景色を新しくしてくれました。