「ママー?ちょっと見せてね、うーん、うんちも出るかなー?」
ここはイオンのトイレ内個室。
まぁまぁ混雑した女子トイレの中に響く娘の声。
そういえば、この前保育園の先生から「キーちゃん、園でもいつも大きな声で元気いっぱいですよ」と言われたのを思い出した。
娘の声はとても大きいのだ。
「ママー??おしりふける?自分でお水流せる?パンツ履ける?」
「大丈夫、ママはプロだから。少しだけ声小さくしようか、ありさんのお声。」
「ヤダ。あー!ママ、パンツ履けて偉いねー。そのパンツどこで買ったのー?」
「ユニクロ。…あ、まだドア開けないで。」
頼むから静かにしていてくれ。
早々にトイレから立ち去ろうとドアを開けると、女子トイレ内は順番待ちの列が出来ていた。
気にしすぎだと思うが、みんなこっちを見ている気がする。
急いで手を洗い、立ち去ろうとするときに、列に並んでいた品の良いおばあ様が声を掛けてくれた。
「しっかりした子ね。」
「ありがとうございます。」
「このくらいの子はトイレに興味津々だものね。お母さんも大変ね。」
「ママ、トイレ上手だから大丈夫よ!おねえさんパンツなのよ、ユイクオの!(ユニクロ)」
恥ずかしすぎてペコペコと頭を下げながらトイレを逃げるように出た。
トイレに興味があるのはとても良いし、娘には当然まったく悪気がないのだが、ここ最近少し困った出来事だった。