ちょっと前に、東京に帰国し、友人や家族に2年ぶりに会ってきました。グリーンカード取得して渡米するときには、「東京なんて大っ嫌い!」と、ダサい男の子にうんざりした宅急便の魔女みたいな気持ちでいましたが、久々に帰国して「やっぱり東京も悪くないじゃん!」というところも、いろいろ発見したり。
ゴミのなさ、清潔さ、新しさ
当然すぎて東京に着くまで考えもしなかったのが、路上のゴミ。ある晩新宿で朝まで踊り続けた後、朝日を浴びて外に出たときは流石にゴミが路上にあったもの、普段の生活上ではゴミが本当に少ないです。もちろんマンハッタンの高級住宅街や、ブルックリンの家賃が高い地域はゴミが少ないのですが、そうではない地域はゴミがあるのが普通です。
地下鉄の駅などを始め、昔からあるものはずっとそのままなので、エスカレーターなどは汚いですし、ガタガタです。Lower East Side という地域にあるエセックスストリート駅のエスカレーターなどは、汚すぎ&古すぎて、よくわからんゴミが溝に詰まってるし、乗りたくないエスカレーターランキングでぶっちぎり世界No.1 でしょう。
トイレのアクセシビリティ
NYCに住めば、少なくとも一度は地下鉄のプラットフォームからレールにオシッコしている人を見かけるでしょう。夫は、プラットフォーム上に人間のウンコを見たこともあったらしいです。「ウンコした人がかわいそう、きっとトイレがなくて、間に合わないからプラットフォームでしたんだろう」と言っていました。わかるけど、ウンコのある駅を利用する人も、掃除する人もかわいそう。
東京は駅に基本的にトイレがあるし、なくてもデパートや公園などにちゃんとしたトイレがあるので、トイレに困ることがないですね。このトイレに困る現象は、ポートランドに住んでいた時もあったので、NYCに限らずアメリカ全土で起きることなのかもしれません。
物乞いが(あまり)いない、静か
NYCの地下鉄に乗ると、巨大なスピーカーを持った人が入ってきて、突然音楽を流してポールダンスし始めて、終わった後にチップくださいと言ってきます。僕はこういう自由なところがNYCの好きなところでもあるのですが、まず東京ではありえないシーンだと思います。ダンサーじゃなくても、精神病や心理的に問題のある人、ドラッグ依存症の人たちが大声で物乞いしているのは日常茶飯事ですが、これも東京にはないですね。実に静かに乗車できます。
均質的で、完璧
東京に関してポジティブなことが多かったですが、ネガティブなこともあります。それは非常に均質的で、完璧すぎて息が詰まるのです。人の行動様式、ファッション、すべてがどれも似通っていて、かつ人々も「ちゃんとしてる」人ばかりです。
NYCは、街は汚いしトイレないし物乞い多いのですが、人種はバラバラだし、出身国もバラバラだし、所得格差も激しいので金持ちもいれば貧しい人もいるし、全体的にカオスな感じがします。
そのカオスさが面白く、自由さが心地よいと感じます。僕がゲイだったり、ちょっと不思議な恰好して歩いていても軽蔑の目で見たり、変な目で見てきません。それどころか「I love your outlook! (あなたの服装素敵!)」と知らない人が言ってくれたりします。この、何でもありみたいな空気がNYCの最大の魅力だと思いますし、僕が東京より楽しいと思う最大の理由なんだと思います。