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フェリチン鉄は、ヘム鉄と同等に安全で、吸収率が高いと言われています。

最近では、ヘム鉄でも非ヘム鉄でも無い、身体に優しい「第三の鉄」として注目されていますね。

 

実際にそこまで良い物だとしたら、なぜ分子栄養学実践専用のサプリメントでは取り入れられていないのでしょうか?

 

フェリチン鉄サプリメントが分子栄養学の実践で非推奨の理由を解説します。

 

 

まず、分子栄養学の実践でフェリチン鉄が使われていないのには明確な理由があります。

 

それが、
 
アレルギー
 
です。
 
フェリチン鉄サプリメントは、主に大豆やエンドウ豆など豆から抽出しています。
これらは大豆タンパク質、エンドウ豆タンパク質の一種なので、当然アレルギーの原因物質です。
 
アレルギーの原因となることから、フェリチン鉄サプリメントの販売ページでは、アレルギーをお持ちの方は摂取しないよう注意喚起が行われています。
 
 
そしてこのアレルギー、実は大豆アレルギーやエンドウ豆アレルギーを抱えている方に限った話しではありません。
 
胃やお腹の調子が悪い方や、リーキーガット症候群を抱えた方も注意が必要です。
 
と言うのも、アレルギーにはアナフィラキシーショックなど「即時型」と、摂取後数時間〜数日後に症状が出る「遅延型」の2種類があります。
 
即時型はアナフィラキシーショックや蕁麻疹などが代表的で、原因食物が特定しやすいのが特徴です。
 
一方、遅延型は頭痛や慢性疲労、下痢など、食べ物と関連が結びつきにくい症状が現れることがあり、原因特定が難しい場合があります。
 
リーキーガット症候群で引き起こされるアレルギーは「遅延型フードアレルギー」のため、すぐに不調は起こりません。
 
フェリチン鉄の摂取によって遅延型フードアレルギーが起こったとしても、それが原因として気がつかないまま、摂取を続けてしまう可能性があります。
 
 
このリーキーガット症候群とは、腸粘膜細胞に隙間が出来て分子の大きなタンパク質や毒素がこの隙間から血管内に入ってしまう状態のことです。
 

 

通常、栄養を吸収している小腸上皮細胞は、細胞同士がしっかりと結合していて、異物や毒素が体内に侵入しないようになっています。

 

この細胞同士の結合を「タイトジャンクション」と言いますが、リーキーガット症候群だとこの細胞同士の結合である「タイトジャンクション」に隙間が生じ、未消化のタンパク質や有害物質が血液中に侵入してしまう状態になります。

 

分子の大きなタンパク(例えば植物性フェリチン鉄がそのまま)が血中に入ると、免疫細胞が防御反応や攻撃反応を起こしてインターロイキンなどの炎症性サイトカイン(炎症を起こす信号のようなもの)を血中に放出します。

 

これらの炎症性サイトカインが血流に乗って全身を巡り、肝臓や脳など様々な臓器で炎症を引き起こすことで、遅延性のアレルギーや頭痛、肩こり、めまい、疲労感、だるさなど様々な不調を引き起こしてしまうのです。

 

 

この遅延性フードアレルギーや、炎症、炎症性サイトカインの放出は、実は「鉄代謝」とも密接に関係しています。

 

具体的には、炎症が発生すると、体はサイトカイン(特にIL-6など)を放出します。

 

この炎症性サイトカインが放出されると、肝臓を刺激して「ヘプシジン(Hepcidin)」というホルモンの産生を急激に増加させます。

 

このヘプシジンは、鉄の吸収や利用に深く関わっているホルモンです。

 

私達の小腸上皮細胞で吸収された鉄は、「フェロポルチン」という鉄を血管内に放出(吸収)する専用の輸送タンパク質の働きによって、鉄の吸収量が調節されています。

 

 

例えば、鉄が過剰になったり不足したりすると、この「フェロポルチン」という鉄を血管内に放出(吸収する)タンパク質が増えたり減ったりすることで、鉄が血管内に放出される量が調節されているんですね。

 

通常、鉄が不足している場合は、このフェロポルチンの発現量が増えて鉄をより多く血管内に取り込もうとします。

 

しかし、炎症などで肝臓から「ヘプシジン(Hepcidin)」が分泌されると、このヘプシジンとフェロポルチンが結合し、細胞内リソソームに誘導してフェロポルチンを分解してしまいます。

 

フェロポルチンが分解されると、鉄が血管内に放出(吸収)される量が減り、鉄の利用が出来なくなってしまいます。

 

つまり、体内で炎症が起こると貧血が進行してしまうんですね。

 

 

また、免疫細胞である「マクロファージ」にもこの「フェロポルチン」というタンパク質を持っていて、古くなった赤血球や遊離の鉄などから回収した鉄を細胞内のフェリチンに貯えた後、必要に応じてフェロポルチンを介して血中に放出する働きをしています。

 

リーキーガット症候群などによって漏れ出た植物性タンパク由来のフェリチン鉄は、アレルゲンとなるためマクロファージに食べられますが、炎症性サイトカインが放出されるとヘプシジンによってマクロファージのフェロポルチンも減少するため、マクロファージ内に溜めた鉄も血中に放出できなくなってしまいます。

 

その結果、

 

鉄サプリメントを飲んでいるのに貧血が改善しない

(むしろ貧血が進行する、フェリチン値のみが上昇する)

 

という現象が起こります。

 

ややこしい話ですが、アレルギーが引き起こされると炎症によって鉄の利用障害が発生し、鉄サプリを摂取しても貧血が改善しないということが起こるんですね。

 

なので、分子栄養学の実践では、このようなアレルギーの原因となり得る鉄サプリメントの利用は非推奨です。

 

 

基本的に、貧血となるには必ず根本原因があり、貧血を抱えている方は何らかの病態やリーキーガット症候群(根本原因)を抱えている可能性があります。

 

例えば、貧血に加えて花粉症やアトピー、アレルギーを抱えている方、血中ビタミンD濃度が低い方、副腎疲労や低血糖症を抱えている方、甲状腺機能に異常がある方などは、これらが原因で炎症や貧血が引き起こされている可能性があり、リーキーガット症候群のリスクも非常に高いです。

 

貧血はこれら病態とセットで引き起こされることが多くありますので、アレルギーの原因となり得るフェリチン鉄サプリメントの摂取はオススメできません。

 

特に耐酸性コーティング、腸溶性コーティングなどが行われているものはよりアレルギーのリスクが高くなります。吸収が良くなるからと闇雲に摂取するのは非推奨です。

 

 

一方、ヘム鉄は動物性の「ヘモグロビン」を酵素で分解し、低分子化したものなので基本アレルギーの心配はありません。

 

ヘム鉄は吸収率が高く、アレルギーの心配も無い非常に安全な鉄分です。

 

このような安全性の違いからも、分子栄養学ではフェリチン鉄よりも「ヘム鉄」を推奨しています。

 

 

分子栄養学の実践では、摂取した栄養素が身体を作るための材料として使われて初めて意味があります。

 

鉄分が摂れるサプリメントなら何でも良いわけではありません。

 

闇雲な実践はむしろ体調不良や身体を壊す原因にもなりますので、くれぐれも自己判断や自己流では行わないようにして下さい。

 

 

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はる かおる
 

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