先日、オーソモレキュラー分子栄養医学協会から、コエンザイムQ10の栄養素ガイドが発行されました。

 

分子栄養学の実践ではあまり馴染みがない栄養素ですが、知る人ぞ知る超有益な栄養素ですね。

 

特に、ある種の低血糖症に対する分子栄養学的アプローチにおいては、とっても役に立つ栄養素になっています。

 

 

 

コエンザイムQ10の詳しい働きなどについては栄養素ガイドを参考にしていただくとして・・・

 

栄養素ガイドでは解説されていない、低血糖症への応用について解説したいと思います。

 

まず、低血糖症にはいろいろ種類がありますが、分子栄養学では「耐糖能障害」「慢性疲労症候群」「慢性炎症性疾患」などが原因となっている低血糖症を扱うことが多いです。

 

耐糖能障害とは、インスリンの働きが悪くなったり、分泌量が低下したりして、何か食べ物を食べると血糖値が急上昇したり乱高下したりしてしまう状態の事です。この状態では、インスリンの感度や働きが悪くなっているために、過剰なインスリンの分泌が促されて血糖値が下がりすぎてしまうことがあります。

 

インスリンの感度や働きが低下している事と、血糖値が上昇しやすいことから、糖尿病の前段階とも言われている低血糖症です。

 

このタイプの低血糖症は、分子栄養学でもよく取り上げられることが多い低血糖症ですね。

 

 

↑このような、血糖値の急上昇と急降下を繰り返す、乱高下が起こるのが耐糖能障害の可能性が高い低血糖症です。

 

 

この他、低血糖症には「慢性疲労症候群」と関連しているものもあります。慢性疲労症候群とは、十分な休息を取っても回復しないほどの強い疲労感が長期間続く病気の事です。

 

この慢性疲労症候群の背景には「副腎疲労」が関わっていることがあり、この副腎疲労と低血糖症には関連があるとされています。

 

その理由は、副腎疲労が起こると自律神経の乱れやホルモンの乱れが起こり、これが原因となって血糖コントロールがうまく出来なくなってしまうためです。

 

私達の身体は、ストレスを受けるとストレスに対抗するために副腎と呼ばれる臓器から「コルチゾール」というホルモンを分泌してストレスから身体を守っています。

 

 

また、ストレスを受けると交感神経が刺激され、副腎からアドレナリンやノルアドレナリンなどのホルモンが分泌されます。このホルモンは、血糖値を上昇させたり心拍数を増加させたりして、身体を活動モードに切り替える働きがあります。

 

この時、過剰なストレスがかかったり、長期間のストレスに晒されていると、副腎はコルチゾールやアドレナリン、ノルアドレナリンを常に分泌する必要が出てきます。

 

このコルチゾールやアドレナリン、ノルアドレナリンを分泌し続けると、副腎がいずれ疲れ切ってしまい、コルチゾールなどのホルモンが十分に分泌出来なくなってしまいます。このような状態が、副腎疲労と呼ばれている状態です。

 

副腎疲労になると、ホルモンが十分に分泌出来なくなって交感神経と副交感神経のバランスが乱れたり、生体恒常性が乱れたりしてしまいます。

 

例えば、低血糖になった際には交感神経が刺激され、アドレナリンやノルアドレナリンが分泌されることで血糖値を上昇させています。この時、副腎疲労によってこれらホルモンの分泌が十分に出来ないと、血糖値が上げられずに低血糖になってしまいます。

 

このような自律神経やホルモンの乱れ、血糖コントロールの乱れなどが慢性的な疲労感などへと繋がり、慢性疲労症候群に繋がる原因となる事があります。

 

この慢性疲労症候群、副腎疲労も、分子栄養学で扱うことが多い病気です。

 

ちなみに、副腎疲労はストレス以外にも、アレルギーやリーキーガット症候群などによる腸内環境の悪化、鉄欠乏性貧血などによる自律神経の乱れなどが関連していることがあります。

 

分子栄養学的アプローチを行う際は、身体の状態を総合的にみてアプローチしていくことが大切です。

 

 

この他、低血糖症には「慢性炎症性疾患」が原因として関わっている場合があります。慢性炎症性疾患とは、その名の通り炎症が慢性的に続いてしまう状態の事です。

 

有名なものとしては、「関節リウマチ」や「アレルギー」「がん」などがありますね。これらも当然低血糖症には関連しているのですが、これら病気以外にも「肥満」や「非アルコール性脂肪肝」「慢性腎臓病」なども低血糖症と関連している慢性炎症性疾患の一つです。

 

例えば、肥満になると炎症性サイトカインと呼ばれる炎症性物質の分泌が増加し、この炎症性物質が分泌されるとインスリンの効きが悪くなることが知られています。

 

 

インスリンの効きが悪くなると、血糖値が下げられなくなって高血糖、糖尿病に繋がったり、血糖値が乱高下して低血糖に繋がることがあります。先ほど解説した「耐糖能障害」と呼ばれる状態です。

 

インスリンは、血液中のブドウ糖を細胞内に取り込ませることで血糖値を下げる働きをしています。インスリンの働きが悪くなると血液中のブドウ糖を細胞内に取り込ませることが出来なくなっていき、その結果血糖値が上昇したり乱高下してしまうというわけですね。

 

このような肥満も、低血糖症と深い関係があります。

 

 

また、一見すると痩せているように見える人も注意が必要です。

 

痩せているように見えても、実は内臓脂肪がたまっていたり、肝臓に脂肪がベッタリと付いている「脂肪肝」になっている場合があります。いわゆる「隠れ肥満」と呼ばれている状態ですね。

 

 

この隠れ肥満の原因の1つである「非アルコール性脂肪肝」は、糖尿病や低血糖症とも関連が深い疾患です。

 

順天堂大学の研究グループが調べた結果では、内臓脂肪がある人よりも脂肪肝を抱えている方の方が、インスリン抵抗性が高いという結果になりました。

 

肝臓に脂肪がベッタリ付いていると、炎症性サイトカインの分泌が促進され、慢性的に炎症が発生します。この炎症性サイトカインが慢性的に分泌されてしまうことで、インスリンの働きが低下(インスリン抵抗性)してしまいます。

 

ですので、低血糖症に対して分子栄養学的アプローチを行う際は、このような慢性炎症性疾患に対するアプローチも必要になってきます。

 

血糖値の上がり下がりだけに注目せず、身体全身の状態を整えるようにしていきましょう。

 

 

このような「慢性炎症性疾患」や「慢性疲労症候群」「耐糖能障害」などに対する分子栄養学アプローチを行う際に役立つのが、コエンザイムQ10です。

 

コエンザイムQ10の栄養素ガイドにも書いてありますが、コエンザイムQ10には「慢性腎疾患」や「非アルコール性脂肪肝」「2型糖尿病」「慢性疲労症候群」「歯周病」などの改善に役立つことが書かれていますよね。

 

ちなみに、歯周病も2型糖尿病や低血糖症と関連があります。理由は、歯周病も「慢性炎症性疾患」の一種だからです。

 

つまり、コエンザイムQ10は、割とオールマイティに糖代謝の異常や低血糖症の原因となる疾患の改善に役立つんですね。

 

 

よく糖質制限や糖分の摂取だけで血糖をコントロールしようとしている方を見かけますが、それだけでは不十分です。

 

低血糖や糖代謝の異常には、必ず根本原因があります。その根本原因からアプローチしていく事が必要です。

 

この根本原因へのアプローチに、コエンザイムQ10は非常に役立ちます。低血糖に対する分子栄養学的アプローチを行う際には、必ず取り入れたい栄養素ですね。

 

 

ただ、勘違いしてほしくないのは、単にコエンザイムQ10を摂ったからといって低血糖や慢性炎症性疾患が治るというわけでは無い点です。

 

コエンザイムQ10は、分子栄養学的アプローチを行う1つのピース、道具に過ぎません。この道具を上手く使いこなすためには、正しい分子栄養学の知識が必要になります。

 

この道具の使い方を正しく伝え、サポートするのが、僕のような分子栄養学ナビゲーターの仕事です。

 

道具は正しく使って初めて意味がありますので、当てずっぽうで行わずに必ずプロにご相談ください。

 

 

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