脳梗塞
脳に酸素や栄養を届ける動脈が詰まることで、その先の脳の領域が壊死する疾患。
高血糖の状態が長く続くと血管がもろくなり、つまりやすくなり、脳梗塞の発症率が上がる。

虚血性心疾患(心筋梗塞・狭心症)
心臓を動かす心筋に酸素や栄養を送る「冠動脈血管」が詰まったり細くなることで、心筋が酸欠状態で壊死してしまう疾患。
アメリカでは、糖尿病患者の7割が、脳梗塞または心筋梗塞で亡くなる報告がある。

感染症
糖尿病になり、高血糖になると、生体防御に関わる「白血球」の機能が低下。
その結果、肺炎、膀胱炎、歯肉炎、そして風邪などの感染症にかかりやすくなる。

糖尿病性腎炎
高血糖の障害により腎臓の血管障害がおきると、血液をろ過する機能がおちるため不要物を尿として排出できなくなる。
日本において透析をはじめる第一原因が、糖尿病性腎炎である。

昏睡
糖尿病の発症によってインスリンの効き目が悪くなると、血液中にはグルコースが大量に存在しているのに、それを細胞内に取り込むことができなくなり、細胞が飢餓状態になる。
その結果、意識障害がおき、最悪の場合、昏睡に陥り、死に至る。

糖尿病網膜症
高血糖の状態が長時間つづくと血管がもろくなり、網膜に酸素を送る血管が詰まる。
酸欠状態になった網膜は、新たな血管をつくろうとするが、新しい血管は非常にもろく出血しやすい。
それによって目の機能に障害がおきたり、失明したりする。失明原因の上位を占める。

動脈硬化
糖は、酸化などの化学反応によって血管の内側の壁を傷つける性質がある。
高血糖の状態が続くと、血管の劣化が進み、硬くなる。
その結果、脳梗塞や心筋梗塞、抹消動脈疾患などを引き起こす。

糖尿病性神経障害
高血糖の状態がつづくと、神経細胞に酸素を供給する毛細血管の血流が悪くなる。
その結果、感覚神経や運動神経の情報伝達に障害があらわれる。
さらに神経細胞そのものも機能障害をうけ、手足の先の痛みやしびれを感じるようになる。

抹消動脈疾患(足の壊死)
足の動脈が狭くなったり詰まったりすることで血液の流れが悪くなり、足に痛みやしびれ、冷たさなどを感じる疾患。
その結果、足指の傷に気づかなかったり、血管の詰まりによって傷が治りにくくなり、足の壊死に至る。

 

糖尿病が原因となる、さまざま症状
参考文献:別冊Newton 人間の取扱説明書参考