漆の塗りを見ていると落ち着きます。って自分で塗ったのにウットリしてるんじゃないですよ!
塗りをする家で育ったので子供の時から恐がらずに漆の器で食事してきました。扱いは…結構雑かもしれません。慣れると、扱う際のポイントが分かりますのでそれ程傷も付きません。
やっぱり傷を気にされるのか、はたまた花塗りは雰囲気が重いのか、漆器選びでも少しハードルを感じている方は多いんじゃないですか。
良質の漆は、一度固まれば非常に硬い層になります。だから意外と傷になりません。その層を支えるのが下地。キチッとした下地はいつまでも奇麗な塗りの層を支えてくれます。
ハードルが高いと思われる『朱 尺一丸盆』 これは鏡(広い平らな面)をあえて花塗りにしています。見るからに傷を気にして仕舞い込みそう…
だから試しに工房で毎日使っています。現在、丸2年。傷は付いています。細かい傷で漆のツヤで全く気にならない程の傷です。
角度を変えて
デザインがとても気に入っていても、なかなか使えなかった丸盆。あるお店で展示中にアクシデントがあり、縁の部分の下地の最下層に着せた布までダメージを修理したものです。かなり痛々しかった。
多分、持って見ても分からないと思います。修理してしまうとほぼ新品です。
傷のテストで使用していますが、塗り直して残念なことが一つあります。鏡は布着せをあえてせずに、板目の木地の変化でいずれ根来(朱漆が使うことですり減って、下の黒漆が出た状態)になるよう強い下地を少ない回数にしてあります。自然な根来が遠くなったんです。
出来るだけ展示中は見ていただけるようにします。今回のギャラリーもみの木さんでは今度の土日には持って行きます。
花塗りに始まり花塗りに終わるといわれる漆塗り。使ったことのない方は是非!オススメです。