もう一度、再生について。
会社の病巣を見つけるには、会社内部の血のめぐりを理解することが肝要。
私はそれがしやすい立場です。
他の職種であれば、その一部しか施せない治療を、私は会社の全身にわたって診察できます。
ある会社の治療の例。こりゃ大変でした。
一 長期の定期保険を解約。
長期の定期保険は、キャッシュがたまります。
このキャッシュを引き出すことが、第一の目的。
第二の目的は、比較的高額な保険料の削減。
保険料の半分損金で、半分が資産となる経理ですが、キャッシュは100%出ていきます。
しかし、事業保障は必要。
代わりに、借入金の返済に合わせて、逓減定期保険という保険金額が年々減少する保険を提案。
一緒に、短期の定期保険もベースとして付けました。
かなりの支出減プラスキャッシュの増加。
ただ掛け捨て保険に切り替えたので、長く続けるつもりはありません。
あとは、いち早く会社を立て直すという社長の念が必要です。
二 不要資産の売却。
不要不動産の処分と不要自動車の処分が中心。
これでキャッシュを生み出すことができるのは、もちろんです。
ほか、固定資産税、保険料などの固定費も大幅削減。
三 役員報酬の削減。
当然です。
四 借入金の借換。
借換前と借換後で、元金返済額の減少幅を試算しました。
毎月、借換前の60%くらいの返済金額で済みました。
その代わり返済期間は、借換前より長くなりますが、業績回復までの時間が稼げます。
五 固定費の徹底削減。
これには従業員の給与カットも含みます。
これが一番の後回し策であります。
六 利益率のアップと買掛債務の回転日数の長期化。
損益はどうでもよいのです。キャッシュが残らねば。
支払いを出来るだけ延ばし、限界利益率を上げる。
社長のやる気次第です。
七 営業会議。
六つだけでは、まだ足りない。
各従業員が危機意識をもっていただき、社長の口でどれだけの売上が足らないかを提起します。
営業など知らない方たちに、営業をしてもらってノルマ達成の義務を課すしかない。
私が経営改善シュミレーションで、いくらキャッシュが足りないかを提言します。
あとは、会社のやる気のみ。
ざっと書き上げましたが、損益計算書など関係ないってことがわかるでしょう。
税法は、ほとんどの体系が損益計算書重視ですが、経営は違います。
キャッシュです。
税金をとられると思うくらいなら、それを賄うキャッシュを生み出す経営改善が必要だと私は思います。