胃瘻についての記事と考察2 | みんなに教わる介護情報伝道師ぬけが行く

みんなに教わる介護情報伝道師ぬけが行く

妻の起こした介護情報提供サービスをサポートしながら『介護はXデーが来る前に準備をしておかなければ経済的にも精神的にも大きな損をする』という持論を私は持ちました。それをいかに社会に伝えるかを模索し、その実現するための学びや行動を記していこうと思います。

見たこと、教わったこと

前回のブログで引用した朝日新聞の医療サイトの記事『軽度認知症患者さんはどこへ』では、文中で同じ著者の記事『食べられなくなったら寿命なの』にリンクを張っています。
そちらにも胃瘻について、特に終末期医療と胃瘻について記されているので、この記事も参照したいと思います。

記事中で、胃瘻の効能として、「経管栄養を実施すれば、末梢点滴よりも「1年11カ月-2カ月=1年9カ月」生命予後が改善するというデータですね」と生命予後を改善するデータが既に存在していた」とあるので延命効果についてはデータ的にも証明されているようです。

一方で効能とされていた肺炎リスクの低減については「胃ろうで、胃内容の逆流による誤嚥性肺炎のリスクが減ることはない」という声もあるようです。

一方、終末期に関係して「欧米では、脳卒中の後遺症や認知症の終末期で、食べられなくなったら寿命という哲学が根付いている」という部分ですが、確かにスウェーデンとオーストラリアでは、経管栄養はほとんど行われていません。」との記述が。
一方でアメリカは逆で胃瘻が市民権を得ていることも記述されています。

さらに『実は、「認知症の終末期」の定義は決まっていません。
決まっていないから、終末期なのかどうかで医師は悩むのです。認知症患者さんが「食べられなくなったら終末期」なのでしょうか。』という疑問の投げかけも。

「医師の8割・市民の7割が、植物状態に陥ったら、胃ろうで生かされるのは拒否したいと答えている。誰もが、病院の都合や家族の思惑に左右されずに、人間らしく安らかに自然な死を迎える権利を保障されなければならない」というアンケート結果もあるようです。

「事前指示書」で、「回復の見込みのない末期状態となった時には、延命治療は望みません」と意思を明確に表示しておけば、基本的には権利は保障され意向は尊重される。
しかしアンケートでは「拒否したい」と回答していても事前指示書を書けないということは、やはり何らかの「戸惑い」を感じているからではないかと筆者は考えているとあります。

切り口を変えたところでは「1人の胃ろう患者には年間ざっと400万円の公費と100万円の自己負担が必要となる。全国40万人の胃ろう患者のうち植物状態にある人が3割を占めるとすれば、毎年6千億円ものお金が使われていることになる」 という制度を支える部分を数値的に解析した記載もあります。

そして締めとして『自分自身が終末期をどう過ごしたいのか!という意向をきちんと表明することが大切なのです。 そして、明確に基準が定められていない「認知症終末期の定義」とどう向き合っていくのかという大きな問題を解決していかないと、「安易な胃ろう」の問題の解決はできないと私は考えています。』とあります。

同じ著者の記事『胃瘻から尊厳死を考えよう』も参考になります。


新たに知ったこと、考えたこと

胃瘻について、延命効果が高まることは数値的データにより明確に理解することができました。

また外国では胃瘻など経管栄養による延命処置についてはまちまちであること。福祉国家といわれるスウェーデンで行われていないことは今後その背景を勉強する必要があると思いました。

一方、多くの人がアンケートでは植物状態になったら胃瘻などの延命処置を拒否したいと思いながらも、それを明確に意思表明する事前指示書のサインには躊躇するとあります。それはやはり一日でも多く生きながらえたいという人間、いえ生物の根源的欲求によるものだと思います。

そして推計値でありながら、年間6000億円もの歳費が植物状態にある胃瘻患者に当てられている事実も借金王国日本が問題になりつつある今、議論に値すると思います。
とても残酷な考えかもしれませんが、意思表示もほぼできない単に体温があって息をしているだけの人を生かすこと。それが国力を奪い取ってしまったり、本当に助けが必要な人に回らない現実も見直す必要があるのではないでしょか。

最後にある『「認知症終末期の定義」とどう向き合っていくのかという大きな問題を解決していかないと』という部分、まさにそのとおりだと思います。上記の歳出に関係することにもなりますが、国としてサポートできるガイドラインを決め、それ以降は自己負担率を上げるという選択も必要になると思います。

誰しも愛する人に一日でも長く生きながらえてほしいと思うことでしょう。でもその思いが子孫にとって大きな負担になってしまうことになってかまわないでしょうか。また国力を損なってよいでしょうか。そうした広い見方も国として瀬戸際に押しやられつつある今、国民は考えなければならないのではないでしょうか

また一つ新たな知識を得ることができ、学習課題を得ることができました。感謝です。

もし文中や事例などに誤りがあったり、こうした情報もあるよという方、是非ともお教えください。