●妙見菩薩(みょうけんぼさつ)
(※画像はwikipediaから)
密教に於ける天部の一尊。元は、中国の道教に
於ける北極星(妙見)を神格化したもの。
星辰(星・星座)の王とされることから「尊星王
(そんじょうおう)」、または「北斗妙見菩薩」・
「北辰菩薩(ほくしんぼさつ)」ともいう。
陰陽道に於いては「鎮宅霊符神(ちんたくれいふしん:
陰陽道最高神にして家宅の災禍を鎮める護符の神)」
として、道教では「太一(たいいつ:道教に於ける
天の中心や宇宙の真理)」として重視された。
『七仏八菩薩神呪経』では菩薩の将、神仙の中の
神仙とされ、諸国土を護る効験ありとされる。
天台寺門宗では北方守護ということから吉祥天と
同一視され、また大日如来の化身ともされる。
古来、中国では不動の中心星である妙見を帝王の
星と仮託し、地上の人臣の命運を司るものと観念され
妙見信仰へと繋がった。
日本へ入ってくると、陰陽道では天皇位の星ともされ、
日本の道教では太一信仰として伝承されていく。
============================================
インドに源流のない中国オリジナルという中々に
珍しい菩薩様です(ただ、次回紹介予定は日本
オリジナル菩薩だったりしますが)。
また道教の神であるからか、明治の神仏分離により
神道の神は神社に、仏教の仏は寺に――と別れた
のに対し、妙見菩薩は存在そのものが分かれて、
寺と神社の双方に本尊として祀る寺社があるという
面白い状態になっています。
九州だと熊本の八代神社が日本三大妙見の一つでして、
まだ白木嶽妙見宮と呼ばれていた戦国時代には、
「織田信長」の指示で九州の合戦を調停すべく
下向した公卿「近衛前久」がこの妙見宮を宿所とし、
ここで熊本南部の大名「相良義陽」と会見しています。
公卿が宿所とするほどですから、それだけ格式高い
神社、かつ高位にある一尊だと言えるでしょう。
それ程の神ですので、御利益は、
「天下泰平」・「家内安全」・「立身出世」・「家業安泰」・
「開運」・「長寿」・「厄除け」・「方位除け」・「災難退散」・
「安産守護」・「海上安全」・「眼病平癒」などなど
数々の諸願成就の霊験があるとされます。
真言は 2つあり、
「オン・ソジュリシュタ・ソワカ」
もしくは
「オン・マカシリエイ・ヂリベイ・ソワカ」
印は、手を軽く広げ、親指のみ曲げて手の平に着けます。
動画は、「北辰妙見菩薩大祭」の模様を。