久々に本を読む
。
このところ、色々なことにかこつけて本を読んでいなかった
。
図書館で私の大好きな作家?学者?、本郷和人氏(東大教授)の本を見つける
。
タイトル『考える日本史』河出新書
何だか、お堅いタイトルであるので少し心配する
。

しかし、読み始めると、その心配は杞憂に終わる
。
項立ては、信・血・恨・法・貧・戦・拠・知・三・異の10個の単漢字。
その漢字1字のお題に対して、歴史を紐解いていくストーリー。
グイグイと引き込まれていく
。
たくさん印象に残っているが、特に印象に残った話を2つ紹介する。
Q:『なぜ、平城京や平安京に中国のような城壁がなかったのか?』

A:当時の朝廷は近畿地方では独り勝ち状態
。小競りあいはあったとしても、全く異質が攻めてくることがなかった
。
A:地政学的にも大陸とは海をへだてた島国。当時の朝廷は、外国から攻められてくることを想定していなかった。要するに、外国から日本は放っておいてもらえた
。
私はそもそも、平城京・平安京に城壁がなかったことすら知らなかった
。
そのことを知ることができただけでも知的好奇心が揺さぶられる
。
もう1つは、織田信長の戦い方
。

奇襲作戦と言われた『桶狭間の戦い』はあまりにも有名。
信長はこの奇襲作戦を、それ以降の戦いでは決して用いなかった
。
それ以降、相手よりも圧倒的に多い兵数、兵力、武器、そして戦略・戦術を駆使して領地拡大を図った。
信長は自身を振り返って、武勇伝として『桶狭間の戦い』を語らなかっただろうと想像される。
むしろ、無謀な戦い方(桶狭間の戦い)を反省材料としたのだろうか?
本郷氏は、著書の最後でこう語っている。
Q:「歴史なんて勉強して何の足しになるの?」
A:「歴史を学ぶということは、人生で必要な物事を「知り」、それをもとに「考える」トレーニング。」
もし、太平洋戦争当時の軍部の人たちが、本郷氏の考えを理解していたらと思うと非常に残念。
そうすれば、真珠湾攻撃(奇襲作戦)を用いず、兵数、兵力、武器、戦略、戦術を冷静に分析し、この戦いは無謀だと結論付けることができたと思う。

『歴史は繰り返す』とよく言われている。
しかし、間違いの歴史だけは繰り返したくないものだ
。