好きな日本史をわかりやすく紹介してくれる歴史研究者の本郷和人氏の本を書店で見つける
。
しかも、井沢元彦氏との共著
。
井沢元彦といえば、『逆説の日本史』があまりにも有名
。

即、購入する。
読む前からワクワクする
。
期待を裏切らない面白さ
。
特に印象に残ったのは、ずばり、『応仁の乱』
。
今まで、敢えて『応仁の乱』を避けていた自分がいた
。
理由は、様々な人物が入り混じって複雑すぎるから
。

守護大名の細川勝元、山名宗全、それに、時の将軍の足利氏の相続争い(義視、義尚)、また、斯波や畠山が入り混じる。そして、日野富子・・・。
だから、単純な私は『日野富子悪女説』と片付けてしまっていた
。
この書籍では、本郷氏と井沢氏がそれぞれが検証している。
本郷氏・・・日野富子だけの問題ではない。(これだけの理由で11年間戦わない)教科書では、応仁の乱が起こって足利将軍が没落したと書かれてるが、逆で、足利将軍の権威・権力がなくなったため、応仁の乱が起こった。
最も大きな原因は、当時一番力を持っていた畠山氏の家督争い。
井沢氏・・・当時、信長、秀吉、そして、家康などの半ば強引にコトを動かせる強力なリーダーが不在。足利将軍の力が弱まったこの時期に、強力なリーダー不在。そののために、各氏がうごめき、複雑に利害関係が絡み合ったため、長期間にわたり内乱状態になった。
2人の非常に分かりやすい検証で、目から鱗が落ちる
。
関ヶ原の戦い、川中島合戦、桶狭間の戦いなどのように、1対1の単純な構図ではない
。
しかし、この1冊を読むことで、少しは応仁の乱が分かった気がする
。
それ以外にも、日本史として定説となっていることを2氏が鋭く切り込んでいて、ドキドキしながら読み進めることができた
。
例)北条政子の人物像、承久の乱は承久の変?
実に私の知的好奇心を揺さぶる1冊
。
この書籍の中で井沢氏が推奨する司馬遼太郎のエッセイ『平和』を読んでみたいとも思う
。