来年は、オリンピックイヤーと同時に、不動産賃貸経営者や不動産投資に関わる人にとって、大事な年として、120年ぶりの民法大改正の年であることだ。
 
 大まかにいうと、今まで特約等で結んでいたことを今現在の現状に合わせるよう明文化するということだそうだ。

 改正点がおおくあるのだが、ここでは特に大家業を営んでいる人に直結する内容を具体的に確認する。

<連帯保証人に関すること>
①保証する金額の制限が設けられる(極度額の制限)
  賃貸者契約に連帯保証人をつける場合、契約書に極度額が明文化される。
 すると、高額な極度額が設定しずらくなる。

②連帯保証人への情報提供義務
  家主に対して、連帯保証人が家賃状況の提供を求められたら、速やかに回答する義務が発生する。もし、このことを怠ると、回答義務違反を問われて、請求に対して支障が生じる可能性がある。

<通例となっていたことが明文化>
①敷金や原状回復義務について
 賃貸借契約終了時に、敷金については債務があれば、それを差し引いて借主に返還することが明文化されたり、通常消耗については、借主は現状回復義務を負わないことが明文化される。

②賃料減額について
 今までは、借主に「賃料減額請求権」というものがあったが、この「賃料減額」が明文化されるという。例えば、エアコンが壊れていたのでその分を減額してほしいとの訴えがあるかもしれない。

 以下に、私自身の対策や考えを示す。

<敷金についての対策> 
  私は、ここ数年は、居住用の賃貸について『敷金、礼金ゼロ』としている。この民法大改正に備えるというよりも、会計処理をするとき、預り敷金の返還が面倒であることも要因である。今後は、敷金を預かるというよりも、クリーニング代をいただくようにしたほうがよいと思う。
 今までいただいている敷金返還については特に、気を付けていきたい。

<連帯保証人に対しての対策>
 敷金同様、ここ数年は、連帯保証人は付けていない。たぶん、多くのオーナーは、保証会社を通していると思う。今後は、おそらく連帯保証人は死語になっていくだろう。
 とはいえ、私の物件も昔からの入居者には、連帯保証人の場合がある。早速、管理会社を訪ねて、今後について相談しようと考えている。

<賃料減額について>
 昔からの大家さんの中には、借主から「家賃を減額してくれ」と言われたら、「だめ」「嫌だったら出ていけ!」というスタンスの人がいたと思う。(今でもいますよね・・・)
 このような大家さんは、民法大改正で排除されていくと思われる。
 やはり、低姿勢で、「借主さまは、お客様」という姿勢で臨まなければいけないと思う。

<まとめ>
 たくさん書いてきたが、簡単に言うと『より一層、借主保護』となると言える。そこで、我々、オーナーもしっかりと対策を立てていく必要がある。
 民法大改正では、他にも「時効」なども大幅に変わると言われている。目を光らせていきたい。


 最後に、宅地建物取引士試験を勉強している人にとっても、合格するためには、来年民法大改正に伴い、権利関係が大幅に変更する関係で、今年中に何としても合格したほうがいいと言われている。祈!合格!