
【with12月号】ジェジュン 長期の隔離を経験したからこそ伝えたいメッセージとは?
【with online】
いい男に会いたい!
22.Nov.2020
【ジェジュン】長期の隔離を経験したからこそ伝えたいメッセージとは?
【ジェジュン】今こそ、音楽で感情の旅を__ 。
7月29日、2枚目になるカバーアルバム「Love Covers Ⅱ」をリリースした。1980年代から現代まで、人々の心を震わせた名曲の数々を、ジェジュンさんが歌い継ぐ。
歌に込めた思いと、コロナ禍で感じた幸福のありか。
その言葉は、幸福な時間だけでなく、悲しみや痛みやつらささえも分かちあおうとする、無償の愛に満ちていた。
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素直に、「泣きたい時は泣けばいい」と言ってあげたいと思った
人間が喜びを感じるときや、心が嬉しさで満たされるとき。それは、人と人との心の触れ合いから始まるものだ――。そう、ジェジュンさんは静かに語り始めた。
「コロナ禍で、僕自身、いろんなことを考えて立ち止まったりもしました。実は、今(※インタビューは9月下旬)も、日本に入国して2週間の隔離期間を終えたばかりで、まだテンションは低いんです……」
撮影のときは、持ち前のイマジネーションを発揮して、用意されたセットの中で自由に動いていたジェジュンさんだが、いざ自分語りを始めてもらうと、瞳に翳(かげ)りの色が滲む。よくよく聞いてみると、2週間の隔離は今回で3回目。4月以降、トータル1ヵ月半の隔離生活を経験したことになる
「この半年で、ずっと同じ空間の中に閉じ込められるというのは本当につらいことだと痛感しました。外出できない環境にも2つあって、一つは買い物とか、生活のための外出は可能だけれど、自分の判断で外出を控えるパターン。
もう一つは、僕のように、完全に隔離されて、生活のための外出さえもできないパターン。とにかく、気分転換をする方法がないんです。まるで、自由を完全に奪われてしまったような気分でした。そういう状態を経験してみると、無限のストレスというか、わけのわからない圧力が頭の中にのしかかってきて、すごく疲れるんです」
とはいえ、そのストレスフルな生活の中で、気づかされたこともあった。
「隔離期間に、せっかくなら何か新しいことを学ぼうとも思ったんですが、その無限のストレスによって、常に感情をかき乱されてしまっていた。不自由さに縛られた状態になると、心も硬くなってしまうのかもしれません。何か学ぼうとして、思い通りに進まないとさらにストレスになるから、途中で新しいことを学ぶのは諦めました(苦笑)。
そもそも成長するために努力することって、そんなに楽しくないことじゃないですか。でも、自分の意思で、成長するために努力できる状態にいることは、実はとても恵まれていることなんですよ! それに気付けたのは、僕の中ではちょっとした発見でしたね」
他の誰でもない自分自身が、自分のことを大事にしなきゃダメだと
7月の末に、「Love Covers Ⅱ」というカバーアルバムをリリースした。昨年発売され、日本レコード大賞企画賞も受賞した大ヒットアルバム「Love Covers」の第2弾。制作にあたり、ジェジュンさんは、どんなメッセージを込めるかについて熟考を重ねた。
「アルバムを作るとき、メッセージはすごく大切。今回は、コロナ禍でみんなが大変な時期だったので、明るくてポジティヴな感情をお届けする方がいいのかなと最初は考えていました。でも、色々な人の心情を想像していくうちに、もっと素直に、『泣きたい時は泣けばいい』と言ってあげたいと思ったんです。
僕自身も、自分が弱っていること、落ち込んでいること、塞ぎ込んでいることを一旦受け入れないと前に進めない時期でもあったし、無理して明るく振る舞うんじゃなく、自分の痛みとか苦しみもちゃんと見つめてあげることも大事なのかなと。
コロナのせいで、ファンの皆さんの前でライヴもできないし、それ以前に、大切な人にもなかなか自由に会えない。“人と直接会って心を通わせる”という自由を失ったとき、他の誰でもない自分自身が、自分のことを大事にしなきゃダメだと思ったんです」
ジェジュンさんは、自分自身の心に起こったことを、無視しないでちゃんと見つめようと思ったという。
「『今、痛いな』とか、『今、苦しいな』とか、ちゃんと自分の心の声に耳を傾ける。今ってそういう時期かもしれないなって。過去を振り返ってみるのもいいし、恋人や家族に会えないストレスがあるとしたら、例えば、音楽で感情を掘り下げることもできるんじゃないかと思ったんです。
僕が準備していたのはカバーアルバムなので、昔の名曲の中に、最近は忘れられがちな、何か大事なメッセージがあるような予感もありました。このアルバムで、大切な人と会えなくても、どっぷり誰かを思う感情に浸かれるようなきっかけを与えられたら、と。それもまた、音楽の力なんじゃないかなと思いました」





