※ここまで「バガヴァッド・ギーター」を読んできて気が付いたのは、この本の本質は以下にあるのではないかと思いました。

 

ヨガの練習は、いかなる物質的な施設を獲得することを目的としたものではありません。それはすべての物質的存在の停止を可能にすることです。

 

ヨガシステムの完成とは、物質的存在からの自由を獲得すること

 

ですが、ほとんどの人間は「物質的存在からの自由」など求めていないのではないかと思います。そういう人たちにとっては、ただ退屈な本に思えるかもしれません。

 

しかし、真に霊的な成長を努力する人にとっては素晴らしい書であると思います。

 

 

 

バガヴァッド・ギーター ありのまま » 第六章15節

翻訳

このようにして、身体、精神、活動を絶えず制御することを実践し、精神を調整された神秘的超越主義者は、物質的存在の停止によって神の国[またはクリシュナの住まい]に到達します。

ヨガを実践する究極の目標が明確に説明されました。ヨガの練習は、いかなる物質的な施設を獲得することを目的としたものではありません。それはすべての物質的存在の停止を可能にすることです。バガヴァッド・ギーターによれば、健康の改善を求めたり、物質的な完璧を目指す人はヨーギーではありませんまた、物質的存在の停止は、単なる神話にすぎない「虚空」に入ることを意味しません。主の創造物にはどこにも空白はありません。むしろ、物質的な存在を止めることによって、人は霊的な空、つまり主の住まいに入ることができるのです主の住まいは、太陽も月も電気も必要としない場所として『バガヴァッド・ギーター』にも明確に描写されています。スピリチュアルな王国のすべての惑星は、物質的な空の太陽のように自ら発光しています。神の王国はどこにでもありますが、霊的な空とその惑星はparaṁ dhāma、つまり優れた住居と呼ばれます。

 

主ご自身によってここで明確に述べられているように、主クリシュナを完全に理解する完璧なヨーギー ( mat -cittaḥ、mat-paraḥ、mat-stānam )、真の平安を獲得することができ、最終的には主の至高の住まいであるクリシュナローカに到達することができます。ゴロカ・ヴリンダーヴァナとして。Brahma-saṁhitā (5.37)では、 「Goloka eva nivasaty akhilātma-bhutaḥ」と明確に述べられています。主は常にゴロカと呼ばれるご自身の住居にお住まいではありますが、その優れた霊的エネルギーによって、全体に浸透するブラフマンであり、また局所的なパラマートマーでもあります。 クリシュナとその全体的な拡張であるヴィシュヌについての適切な理解なしには、誰も霊的な空(ヴァイクンタ)に到達したり、主の永遠の住まい(ゴロカ・ヴリンダーヴァナ)に入ることができません。 したがって、クリシュナ意識で働く人は完璧なヨーギーです。なぜなら、その人の心は常にクリシュナの活動に夢中になっているからです(サ ヴァイ マナハ クリシュナ パダーラヴィンダヨ)。 ヴェーダにも(シュヴェターシュヴァタラ ウパニシャド 3.8)、tam eva viditvāti mṛtyum eti と書かれています。「人は至高のバガヴァーンであるクリシュナを理解することによってのみ、誕生と死の道を乗り越えることができます。」 言い換えれば、ヨガシステムの完成とは、物質的存在からの自由を獲得することであり、罪のない人々をだますための魔法のような手品や体操の妙技ではないのです。

 

 

参考:

第12節:
 
この世の人々は実りある活動での成功を望み、それゆえに半神を崇拝します。もちろん、人間はこの世で実りある仕事からすぐに結果を得る。