大吉原展 | Darknight・Prom NTRC特撮軍団長・ヤラセロウ大元帥のブログ

最近、長時間残業・深夜残業が続き、パソコンを立ち上げる気力が萎える日々が続き、ブログ更新どころではなくなりました、と言いつつ、ヒダリストの間で非難囂々と評判の「大吉原展」を見に、上野の東京藝大美術館に行った。

 

「鬼滅の刃」遊郭編のヒットを契機に、吉原遊郭が所謂「聖地巡礼」の対象になったこともあり、タイムリーな企画だと思われるが、ヒダリスト連中は「人権侵害の歴史から目を背け、吉原を美化するのか」等の批判が燎原の火の如く沸き起こり、実際T京S聞にも、「負の側面への言及が不足している」という苦情が寄せられている。

 

確かに、「負の側面」については「解説文」でしか触れておらず、会場で目を引くのは浮世絵・錦絵・工芸品であり、一番の呼び物は東京藝大秘蔵のお宝にして国指定重要文化財の、高橋由一筆「花魁」だが、これは修復後初公開とのことである。

 

個人的な感想を述べれば、「東京藝大の視点で見た吉原」に徹したな、ということである。挨拶文にもある通り、殊更吉原を容認・美化することはなく、「非日常の世界」「文化・芸術サロン」としての吉原にスポットを当てている。もし、「大吉原展」の会場が東京国立博物館だったら、「ブラタモリ」的な視点での考察もあり得ただろう。

 

一つ腑に落ちないことを挙げれば、「廓噺」についての言及が一切なかったことである。主催者のT京S聞にとって、吉原の遊女はあくまでも「搾取の対象」「気の毒な存在」であり、「苦界」とも称された吉原を物笑いのタネにする等以ての外とでも思ったか?

 

因みに来年の大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺」の主人公・蔦屋重三郎は、吉原遊郭のガイドブック「吉原細見」の販売・出版を手がけている。蔦屋重三郎を演じるのは横浜「トッキュウ4号」流星だが、「大吉原展」の音声ガイドを頼むくらいの茶目っ気はなかったか?