新しい居酒屋『イタミ』がオープン
よし、家族みんなで行ってみよう
新規オープンだけあって、人が一杯。
受付で、用紙に名前を記入し待ち時間を聞いてみると、15分で案内出来るとのこと。
それなら待ってみようと皆で納得。
と、ところが、20分過ぎても、まだ順番が来ない。
バタバタ動いている店員さんに聞いてみると、早口で、
「後10分ぐらいです。」
30分待っても、まだ名前を呼ばれない。
子供達は「お腹空いた~。まだ~。」の大合唱。
40分経過して、ようやく中に通された。
座って充実のメニューを見て、あれも良い、これも良いと待たされた事をしばし忘れることができた。
ピンポンを押すと、遠くで、
「は~い。しばらくお待ち下さい。」
しばし待つ。でも誰も来ない。
2、3分してようやくバタバタして店員さんが来る。
オーダーの機械の入力がぎこちない。
「すみません。すみません。」
ばかり言っている。僕らと視点は合わせない。
しばらくして、オーダーを取った人と別の店員が、飲み物を運んできた。
ところが息子のカルピスがない。
「カルピスは?」
と聞くと、
「オーダーに入っていないですね。すぐに持ってきますね。」
お詫びの言葉はない。
僕ら夫婦のビールの泡が消えてきた頃、ようやくカルピス到着。
気を取り直して、乾杯。
ビールが、残り1/4になる。
でも料理は来ない。
子供達が、
「お腹空いたよ~」
ピンポンを押すと、しばらくして店員さんが来る。
「料理がまだ何もこないんですけど。」
「只今、大変混み合っておりますので、しばらくお待ち下さいね。」
ビールを飲み干してしまったので、追加注文をする。
5分ぐらいして、ようやく追加のビールと料理がきた。
そ、それも、注文していた料理が一気にきて、机の上は皿で一杯になった。
食べ始めると、味は特に他の居酒屋と比べて美味しいわけではない。
忙しいのか、盛り付け方も少々雑。
待たされて、一気にきた料理を見ただけで、お腹が一杯になり、残してしまった。
お会計して店を出た時は、家族全員で、
「もう、このお店こないね。」
読んで下さっている同業の皆様、アル!アル!って思われたのでは。
居酒屋『イタミ』を『痛み歯科医医院』に変えてみたら...
新規開業!
内装、凄く綺麗にするぞ~。周りにない雰囲気に。
ユニット、高いやつ奮発するぞ~。
ディーラーさんがセットだと安いと言ってくれているから。
普通のパノラマとCTの値段差が300万しかないなら、最初からCTにするぞ~。
インプラントも開業したら勉強するから、専用の器機のセットも買うぞ~。
ディーラさんが安くしてくれると言っているから。
レーザーも開業時にまとめて買うと安いのか。
それなら買っちゃおう!
あれ、当初の予算から、1500万もオーバーするけど、何とかなるさ!
だって、綺麗なクリニック、
最新の器機があるんだから!
おまけに、専門の業者さんに頼んで、内覧会もするから、絶対に大丈夫
内覧会は、大盛況で、初日から20人以上の予約を頂いた。
すでに1週間は予約が埋まった。
大成功だ!
いざオープン。
あれれ、予約通りにきて下さっている患者さんを待たせているぞ。
歯科衛生士は、初診の診査に手こずって時間がかかっているぞ。
受付は、会計でバタバタしているぞ。
一生懸命、自費の説明もするけど、何故か患者さんの顔色が悪いぞ。
あ!患者さんがしびれを切らして、怒って帰っていった。
...。
そして一ヶ月後。
一日の予約して下さる患者さんの数は...
最近、開業前の先生の相談にのるのですが、場所、設備、内覧会とモノにとてもこだわる先生が非常に多い。
それらに力を入れ過ぎて「人」と「金」のバランスが悪い。
だから、開業しても上手くいっていないケースが多い。
最初に挙げた居酒屋『イタミ』と同じだ。
そうならないようにするには「人」も「モノ」「金」と同じように、きちんと考えなくてはいけない。
「人」が一番大切と考えていると、他とのバランスが実は良いと思っています。
ウチの歯科医院のように「予防」を軸にしたいと考えたら、主役として活躍してくれる歯科衛生士の力が必要です。
しかし、ご存知のように離職率が非常に高く、何処の歯科医院も募集をかけているのに来てくれないという話を聞きます。
理由は簡単で、歯科医院が、歯科衛生士が働きたいと思う魅力ある職場をつくれていないから。
・歯科衛生士として予防に力を入れたい
・国家資格である歯科衛生士という資格を活かしたい
・担当制で、きちんと一人の患者さんを診ていきたい
・歯科助手と仕事がきちんと分けてある職場がいい
・産休&育休制度がある
・研修会の参加へ補助がある
...etc
色々ある。
それらの中で、実践できる事をきちんと文章にして求人票などに書く。
本気で予防を大切にしている事をきちんとアピールする。
開業前からブログ、Facebookなどをマメに更新し、先生の人物像、歯科に対する思いなどを、どんどん発信する。
相談にくる先生達に、アドバイスしているのですが、継続して出来ている先生は、ほとんどいません。
どこの馬の骨かも解らない先生のところに勤めたいなんて思わないんです。
これを読んでハッ!と思った先生は、今日から発信を続けて下さい。
そういう取り組みが上手くいき、歯科衛生士が募集に応じてきてくれたからと言って安心してはいけない。
面接、試験をして、自院に合った人か見極めなくてはいけない。
例えば、他医院で10年勤務した経験があるからと言って、決して良い訳ではない。
何となく衛生士をやっていたら変な癖がついていて、修正が難しいからだ。
採用が決まって、安心してもダメ。
新規開業の場合、オープン前に、トレーニングが必要です。
先生達が考える「予防」のシステムを構築出来ている歯科医院の歯科衛生士さんに、特別に指導に来てもらい教えてもらうのが一番良いと僕は考えています。
実際、僕もそうしました。
レーザーや、インプラント器機を我慢して「教育」にお金をかける方が、必ず将来良いです。
そしてオープン。
予約は、最初は控えめに入れておくのが良いです。
思ったように診療が進まないのが当たり前。
あの材料がないなんて、よくある話です。
ゆっくり診れるぐらいの診療で、じっくり患者さんの話を聞き、スタッフと共に、一緒に成長していくのが一番良いです。
そして、最後に大切な事。
例えば、レストランや居酒屋で、雰囲気は良い、人も良い、けど、
料理がまずい
では行きませんよね。
そう、
歯科医師の技術が大切です
良い歯科衛生士さんが一緒に働いてくれても、先生の技術がマズければ辞めていきます。
そして、悪い噂は広まり、患者さんも徐々に減ります。
歯科医師になって、15年目になるのに、まだまだ勉強する事ばかり。
歯科医療、本当に奥が深いです。
相談してくる若い先生、1人1人に、このような長い文章考えていたら、僕の時間が何時間あっても足りないので、ブログに掲載しました。
今後、相談に来られたら、メールで一言「このブログ読んで」にしようかな(笑)
先日、生月の海をバックに撮ってみました
眩しすぎて、スタッフからは不評の写真です(笑)
でも載せちゃった
明日も皆様と共に、良い一日でありますように
14日の土曜日の夕方にほとんど書いていて、微修正してアップする予定が、夕食後、撃沈。
深夜に目が覚めて、アップとなりました。
という訳で、土曜日付でアップしております。
診療以外の時間もバリバリ仕事していると、週末にガックリきますね。
でもやるべき仕事が山積み。
大きな目標に向かって、突き進みます