脳動脈瘤の話 その後 | ある脳外科医のぼやき

ある脳外科医のぼやき

脳や脳外科にまつわる話や、内側から見た日本の医療の現状をぼやきます。独断と偏見に満ちているかもしれませんが、病院に通っている人、これから医療の世界に入る人、ここに書いてある知識が多少なりと参考になればと思います。
*旧題「ある脳外科医のダークなぼやき」


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GW中、さぼってしまったので、久々の更新です。

 

今日は動脈瘤治療のその後のことについて書こうと思います。

未破裂脳動脈瘤の場合は治療して、退院したあと。

破裂脳動脈瘤の場合は、治療して、スパズム期を抜けて、無事退院したあと、

とお考え下さい。

 

つまり、治療が無事終わって、その後退院したあとに、どのようなことが必要になってくるのか、

ということです。

 

そして、今回は、主に、コイル塞栓術後のフォローアップに関する話としてお考えください。

というのもクリッピングに関しては、ある程度満足な形でクリッピングが為されれば、

その後に再発する頻度はかなり低いからです。

クリッピングの術後についてはまた後述するので、今回はコイル塞栓術の場合を中心に書いていきます。

 

脳動脈瘤のコイル塞栓術後、どの程度の頻度で検査などが必要でしょうか?

また、どういった検査をしていくのか?

 

それらについて書いていこうと思います。

ただ、まあ、これは人によって考え方は異なると思うので、

あくまで、私の私見であるとお考えください。

 

大きくわけて、2パターンに分かれます。

それは、これはなかなか再発しなそうだな、という場合と、

すぐ再発してきてもおかしくないな、という場合です。

 

コイル塞栓された動脈瘤の経過を見る、という意味で、

もっとも信頼できる検査はカテーテルによる脳血管撮影です。

 

しかしこれは通常入院を要し患者さんの負担が大きいですし、わずかながらとはいえ、穿刺部出血のリスクや、

脳梗塞のリスクをはらみます。

よって、通常はMRIと単純レントゲンでのフォローアップを行うことが多いです。

CTと造影剤を使った検査では、塞栓したコイル塊のアーティファクトの影響で周囲の血管は観察することは困難です。

 

一方でMRIを使ったMRAでは、CTよりは比較的塞栓したコイルの周囲の血流をみることができます。

これで、明らかに瘤内に血流が入り、再発しているような場合はMRAで分かるのです。

 

また、近年では、3テスラのMRIが入っている場合、

Sirent MRAという撮影方法によって、金属のアーティファクトをより軽減して撮影することができます。

 

また、通常の1.5TのMRIでも、ガドリニウム造影剤を使うと、瘤内の血流が通常のMRA撮影よりも見やすいです。

ただ、ガドリニウムはあまり頻回に使用すると少しずつ体内に溜まるようですので、

そう頻回に行うわけにもいきません。

 

いずれにせよ、これらのMRIを駆使した検査によって、瘤内に明らかに血流が入るようになれば、大抵はわかります。

 

通常の、そこまで再発しなそうだな、といった場合、

これをまずは術後3か月、半年、と3か月おきくらいに行って、

それで全く問題がなければ半年間隔、で2年くらい様子を見ます。

それでも問題がなければ、そこからその動脈瘤が再発してくることは稀ですが、

1度脳動脈瘤が出来た方は年間2%程度でほかの場所にも動脈瘤ができると言われておりますから、

年に1度くらいはフォローするのが賢明です。

 

もし、そのMRI検査のどこかで再発が疑われれば、

確認のためにカテーテルによる脳血管撮影を行うといった流れを私はとっています。

 

もし、再発しそうだな、というような動脈瘤の場合は、

たとえば未破裂の動脈瘤の場合、MRIでのフォローも術後1か月後くらいには一度早めに行います。

 

それが破裂後の動脈瘤の場合は、術後1か月かそれ以内の時点で、

MRIとともに、もう脳血管撮影を一度行うようにしています。

これは、くも膜下出血で入院して、スパズム期も終わり、ちょうどその後しばらくして退院する直前くらいに行うことが多いです。

 

ちなみに、病院によっては、

コイル塞栓術後は、半年後、1年後、1年半後、2年後と、半年おきに毎回カテーテル検査を行うというようなところもあります。

 

ただ、負担もそうすると大きいですし、

可能な限りMRIで代用、となると私と同じようなフォローの仕方の人も多いと思います。

 

脳動脈瘤のコイル塞栓術を受けた読者の方の、

フォローアップの検査はいかがでしたでしょうか?

 

もし読んだ人がいたら、教えてください。

 

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