こんにちは!

二週間前まで肌寒かったのに!
梅雨が明けた途端に灼熱になりましたね~。

いつもこの時期は上手く寝付けず、昨夜も深夜2時に目覚めてしまってからなかなか寝れず、本を読みながらのたうち回っていました。笑
これから猛烈な睡魔がくるんじゃないかと恐怖に怯えています。笑

でも、深夜の読書って静かでけっこう集中できてなかなか良いんですよね。
読みながら眠気がきたら結果オーライですし。面白くて興奮する場合もありますが。

そんな今日はわたしのようにうまく寝付けず深夜に目を覚ましてしまう人(いるのか?)に
おすすめしたい一冊をご紹介します。


山本文緒さんの『シュガーレス・ラヴ』。
女性の「不元気」をテーマにした、10編の短編小説集です。

いきなり「不元気」という微妙な言葉を書いてしまいましたが…。
この小説集では以下の症状に悩まされる女性たちが登場します。

骨粗しょう症、アトピー性皮膚炎、便秘、突発性難聴、睡眠障害、生理痛、アルコール依存症、肥満、自律神経失調症、味覚異常。

いわゆる「病気」と言えるものから「ちょっとした不調」まで。
「病」とひとくくりにしてしまうとちょっと大げさだったので「不元気」という表現にしました。
そしてどの病気も不調も人ごととは思えない身近なものです。

どの物語にも「不元気」に苦しむ女性/「不元気」に気付かない男性の対立があり、それゆえに女性の苦しみが際立ちます。

ひとりで痛みや苦しみを抱え込む女性、それに気づかず無遠慮な発言をしてしまう男性…なんていうシーンには自分にも心当たりがあり、もどかしい思いに駆られました。

ですがこの物語は女性の痛み・苦しみにスポットをあてているだけではなく、どうしてそんな症状に至ったのかが徐々に明らかになるにつれ、彼女たちの弱さ、ずるさもあぶりだされます。

そこからほっこりする恋愛物語に昇華する物語があれば、予想の斜め上の展開となる”意地悪”な物語もあり、清濁混じった物語集に人間らしさを感じて唸らされました。

そしてこの物語を読んで考えさせられるのは、痛みを抱えて苦しんでいる人をどう受け止めるか?という受け手側の意識です。

自分が元気だと、つい相手にもその「元気さ」を押し付けてしまっていないか?とふと思い、背筋がヒヤリとします。

受け手側の意識として大事なのが、相手への想像力とさりげない優しさなのだと思います。

タイトルの「シュガーレス・ラヴ」にはそういう意味も込められているのではないかな、とひそかに感じました。

わたしもお砂糖ひかえめの優しさ(「愛」があるから優しくなれる)を意識していたいです。

本書は1997年初版、いまから22年前の物語のため、おっさんサラリーマンの強烈なセクハラ発言や女性の「~わよ」という語尾など、違和感を覚える描写がしばしば出てきます。

時代が変わって良かったなという思いが半分、当時の女性たちの苦労はいかばかりか…という思いが半分のやや複雑な気持ちになりますが、女性の「痛み」を「シュガーレス・ラヴ」で和らぎ、癒す物語は色褪せず、わたしの心にしっとりと染み込んでいったのでした。


この装丁素敵!

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