「なぜ管外から」 抗議の中、山口・上関で調査本格化 中間貯蔵施設 | 市民自治ノート - NPOまちぽっとから

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「なぜ管外から」 抗議の中、山口・上関で調査本格化 中間貯蔵施設

 

朝日新聞デジタル 山野拓郎 鈴木史2024年4月24日

 

中国電力の敷地へのゲート前でボーリング調査に抗議する住民ら=2024年4月23日、山口県上関町長島、山野拓郎撮影

 

 使用済み核燃料の中間貯蔵施設の「適地」かどうか。中国電力は建設を計画する山口県上関町で23日、地層や地質を調べるためのボーリングに着手した。なぜ、中電の管外の核燃料も持ち込まれるのか、「一時保管」で済むのか――。調査が本格化する中、計画に反対する町民らは抗議の声を上げた。

 

 中電は同日午前、「10時過ぎにボーリング調査を開始した」と発表した。掘る深さは100~300メートルで、11カ所での作業に半年かかる。この日は3カ所で掘削を進めたという。

 

 町の内外から計画に反対する住民ら約30人が、調査が行われる中電の敷地に至るゲート前に早朝から集まり、「原発も中間貯蔵施設も許さない」「ボーリング調査はやめろ」と声を上げた。

 

 「原発いらん!山口ネットワーク」の小中進代表(76)は「多くの県民が納得していない施設の建設につながるボーリング調査は認めることができない」と話した。広島市から駆け付けた「上関原発止めよう!広島ネットワーク」共同代表の溝田一成さん(74)は「中電は(管内の)島根原発のプールにまだ余裕があるのに、なぜ関電と施設を造るのか。理解できない」と批判した。

 

 こうした反対の声に対し、昨年8月に調査の受け入れを表明した西哲夫町長は「反対の人もいるし、賛成も多くいる。議会で(議員に)発言を頂き、その結果で判断する」と報道陣に述べた。

 

 使用済み核燃料を再処理する工場が稼働に至っていないことについて問われると、「工場はおおかたできている。今後をしっかり見極めたい」と話し、「適地」と判断された場合、国・中電・町の3者による住民説明会を開きたい意向を示した。

 

 村岡嗣政知事は、調査を経て町が建設の検討に入る段階で県としての判断を示す方針。ボーリング調査の開始について「事業者には町の要請等にも十分配慮した上で調査に当たっていただきたい」とのコメントを出した。(山野拓郎、鈴木史)