Light Ring.では、ソーシャルサポートによる、若者の自殺うつ病の予防を目指しています。


①悩みを抱える人や専門家ではなく「そばにいる一般市民」に主体と対象を特化している点

②「若者による若者のための」メンタルヘルス課題の解決を目指している点

精神疾患の治療、では無く"予防"に主眼を置く点

以上の3点をキーワードに、事業活動を続けています。


今回から、Light Ring.の講座に参加いただいた方へのインタビューを通じて、

より深く ソーシャルサポートを実践する 「若者を支える”若者”」を
ご紹介していきたいと思います。


初回は、浅野健太郎さん。

・ソーシャルサポート力養成講座vol.4

・Light Ring.TIme vol.10

の2つに参加いただきました。




石井:浅野さん、今日はお忙しいところ本当にありがとうございます。


浅野さん:いえいえ、石井さんもおつかれさまです。


石井:浅野さんの講座での発言などとても興味深いと思い、今回お声がけさせていただきました。

    インタビューさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。


浅野さん:よろしくお願いします。


石井:早速なのですが、浅野さんは悩んでいる相手とはどのような関係ですか?


浅野さん:高校時代からの友人です。いちばん付き合いが古いですね。


石井:悩んでいる相手の方は、現在どのような様子ですか?


浅野さん:バイトすると気持ち悪くなってしまう様子で、対人関係に恐怖心のある状態です。

現在、体調が悪いためニート生活をしていて、外に出歩くことにも支障が出ている状態。

入院をキッカケにして野菜しか食べられなく、すごくやせてしまいました。

もとから上がり症でパニック障害だと聴いています。


石井:浅野さんは、普段、その方へどのような支えをしていますか?


浅野さん:支えというと大げさかもしれないと思う。

あくまで友人なので、支援ではなくて寄り添うが適切な表現に近い。

助けたいという感覚で会っていないので、こちらからサポートは特にしないです。

相手がどんな状態になっても、会話を続けることが友人の在り方だと思う。

自分の悩む方への接し方の枠はすでに定まっていると思っています。


具体的には、彼はお店に入るまでに緊張して1時間かかってしまうので、

安心して入れるようになるまで、雑談をします。

LINEしたり、画像やネットニュースを送ったりして、コミュニケーションしています。

あまり会うことはないですね。

会う約束をする際には「行く」と言うけれど、当日来ない事もあります。

そのことについて、特に気にはしていません。


石井:何を求めて、Light Ring.の講座に参加しましたか?(参加動機)


浅野さん:貧困、ニート、非正規社員、生きづらさを抱えている方に関心があります。

NPOの社会的意義にも関心が有り、Light Ring.の取り組む支援の関わり方について、

周囲に憂鬱な人もいたため自分ができることもあるんじゃないかとおもったのがキッカケです


石井:支えるに違和感があるとのことでとても恐縮なのですが、

社会視点を持ちながら身近な方を支える、浅野さんは、現在「支え手」として、何に困っていますか?


浅野さん:ー距離感ですね。

悩みをしてきた人、相談を受ける人で

パワーバランスが出来てしまうのがいやで、

自分も悩んでいるような暗い感じに合わせてしまいます。

そうすると自分もつかれてしまうんですね。


だから第3者の自分が、他に見てて、自分で自分に、もういいんじゃないか

よくやってるんじゃないかということが、セルフケアに繋がっていると感じます。


石井:なるほど、それでは今回参加いただいた2種類の講座で何か得られたものはありますか?


浅野さん:

共通して、支えている同じような人や支えを大事だと考える人との繋がりが得られました。

ソーシャルサポート力養成講座では、聴くスキルアップの体験。

客観的に聴き方の良いところをフィードバックされるのは無いので新鮮でした。

Light Ring.Timeでは特にまた会いましたねって言える仲間がいる感覚がとても大きいです。


石井:講座受講後に、ご自分に何か変化はありましたか?


浅野さん:繋がりが増えました。あとは

  ソーシャルサポート力養成講座の「第4部 専門機関につなげるSST」を通じて、

  病院に行くことを進めるコミュニケーションをロールプレイして、実生活でも実践してみました。

 普段は、相手が今の状態からよくなるために提案することや情報提供することは一切無いです。

 それは、相手が主体的になりたくなったときに、決めたり動いたりすることだと思うから、

 周囲にいる立場が「良くなったらいいんじゃないか」と希望を伝える事は必要ないと思っています。

 

 ただ今回、始めて「病院へ行ってみたら」と声かけをトライしてみたことで、

 「実は1回行ったけど、病院の前で緊張してしまい入れなかった」と打ち明けてもらいました。

 なかなか踏み込んだ話はしないので、そうなんだと新しいことが知れました。

 それだけで、その後は言わないようにしています。あくまで友人で支援者ではないので。


石井:講座受講後に、お相手に何か変化はありましたか?

 

浅野さん:まだとくにありません。友人として支えるというのは、

外に出れるようになって良かったじゃん、など、

自らできたことに対して1つ1つ確認していくことだと思う。

それが、結局は自分でやりたいことを見つけたり、動き始めたりしやすくするんだと思う。

目標や希望を押し付けることじゃない。逆にその操作感が相手に伝わったらおしまいだと思っている。

相手はその感覚をとても敏感に感じ取れる。その感覚が伝わったらすぐ関係を遮断してしまうと思う。


生き続けられているだけでも大きいんじゃないかと思う。




ご協力、本当にありがとうございました。


浅野さんの「友人としてそばにいる」考え方は、

Light Ring.の考える「出来る範囲で出来る事をする」ソーシャルサポートの観点からも

とても学ぶところが大きいです。


若者の自殺うつを予防するための「身近な支援」とはどういうものかについて、

これからも若者の仲間として、語り続けていけたら嬉しいです!