受講者として出席させて頂いた1日がかりの外部研修で、軽いノリで情報共有していたら、2時間くらい話をしてしまった齋藤です。

 

さて、

今回は、その研修中に「プロの介護士さん達から受けたご相談内容」を一部ピックアップしてお話ししたいと思います。

 

Q1.食べる時の正しい姿勢とは?足は床についていた方がいいの?

・自食か、介助食べか目的を明らかにする。

自食 →自食しやすい姿勢

  足底を床面に接地させ、上半身前傾姿勢で上肢が動かしやすい姿勢を。

介助食べ →摂食嚥下機能をに負荷をかけない姿勢

  上半身を後方にもたれさせ、頭頚部がリラックスできる姿勢を。VF、VE検査で誤嚥リスクの高い方は、車いすのティルト・リクライニング角度を後傾(水平に近づける)させ、重力を利用し気道に流れ込まないように設定。
 

・頭頚部を整える

頸の角度(頭と体幹の相対的な角度)を中間位~軽度前屈位を基本とする.

※例外あり.軽度後屈位の方が呼吸しやすい例では,後屈位を許容するのが好ましいこともある.

 

Q2.ムセのない誤嚥をどのようにみつけるか?

サイレントアスピレーションと呼ばれる誤嚥に対して、3つ紹介。

・VF(嚥下造影検査)-a、VE(嚥下内視鏡)-bで検査して明らかにする。

a.札幌白石記念病院ホームページより

b.国分中央病院ホームページより

 

・頸部聴診をして、嚥下音の聴取+嚥下後の自発呼吸の呼吸音の聴取する

甲状軟骨の横っちょに聴診器を当てる。

コラム第6回 嚥下障害の検査法1―頸部聴診法(その1)

 

・症状から疑う

<誤嚥がある時の症状>

咳込み,むせ ※必発ではない

食事中の喘鳴(ゼロゼロ,ゼコゼコ):咽頭残留、喉頭侵入

食後の喘鳴(ゼイゼイ,ヒューヒュー):気管支の攣縮

筋緊張亢進

チアノーゼ,SpO2低下

肺炎を繰り返す,発熱の反復

 

 

Q3.きざみ食って食べやすいの?

きざみ食は食塊形成がしにくいため、飲み込みにくい。

<摂食機能を助ける調理上の工夫>

・加熱をして柔らかくする

・適度に水分を加える(パサつきを防ぐ)

・つなぎをつける(ばらけ防止)

・繊維を断つ

・油脂を加える(ばらけ防止)

・とろみをつける

 

Q4.増粘剤の正しい使い方

・攪拌しながら入れる

・とろみを追加する時には濃い溶液を別に作って加える

・ダマは取り除く

・添加後は5~15分程待つ(とろみがつくまでには時間がかかる)

・「どこでも・誰でも」同じとろみの強さになるように方法を統一する。(例:計量スプーンすりきり〇杯)

とろみが強いほど良いのは間違い

 

 

Q5.食事の際の困りごと「丸のみ、ペースが早い」

・一口量を減らすために、スプーンなど自助具の見直しをする

・介助する場合は、下唇、舌先に食べ物がのるように。

・咀嚼を促す食品を選ぶ(ふりかけやスナックのような、サクサクカリカリした食感のもの)

 

 

Q6.唾液でむせるのはどうすればよい?

唾液を止めることはできない。
 誤嚥 < 誤嚥後の肺炎、窒息を恐れるべき。

雑菌の多い唾液を誤嚥することで、免疫などのその人の持つ防御性能を超える侵害が生じたことで肺炎は起こる。

誰でもすぐに実践できるのは、「口腔ケア」です。1日3~4回できれば理想。

あとは、窒息が疑われたときの対処を知っておくこと。(背部叩打法やハイムリック法)

 

普段から流涎がひどい例では、横向けに寝て口から流れ出せる姿勢の方が安楽かもしれないし、

持続吸引という方法もある。

 

少しでも明日からのケアの参考になれば幸いです。

 

以上です。

では、またねー。

 

 

<参考文献>

⽇本摂⾷嚥下リハビリテーション学会編集摂⾷嚥下障害患者の栄養Ver3

はつらつ食品(カタログ)