「世界の“美”の形って、こんなにも変わってきているんだな…」
最近、そんなことを感じる場面がとても増えました。
かつては、バレエといえばヨーロッパ。
美しさの基準も、表現の型も、ぜんぶ“西洋”が決めてきた。
私たちはその伝統を尊敬し、ひたむきに学んできたと思います。
でも――時代は、静かに、でも確実に変わってきています。
それは価値の多極化の進行とも言えます。
これが芸術においても起きている。
かつては、パリ・ロンドン・ニューヨークが“世界の芸術の中心”でした。
しかし現在、
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アジア(日本・韓国・中国)
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アフリカの新世代アーティスト
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中東・イスラム圏の表現者たち
が独自の美学・物語を発信し、西洋基準の「普遍的美」や「芸術の正統」が崩壊しています。
世界が「多極化」していく中で
いま、バレエの世界でも“中心”が一つではなくなっています。
アジアの国々、アフリカ、中東…それぞれの地域が自分たちの文化を大切にしながら、バレエという表現を新しく創り出しています。
「西洋に追いつく」ではなく、
「自分たちの言葉で踊る」。
その流れが、確実に広がっているのです。
日本のバレエ教育が持つ“静かな強さ”
日本のバレエ教育の特徴は、やはり丁寧さと誠実さだと思います。
正確な技術だけでなく、礼儀・姿勢・呼吸のような
“目に見えない美しさ”を大切にしてきた。
この感性こそが、いま世界が求めはじめているものなんです。
海外の舞台で踊る日本人ダンサーが「静けさの中に力がある」と言われるのも、この国の教育に流れる“内面の美”があるから。
「時間を育てる」文化
西洋教育が“結果”を求めるのに対し、
日本の芸道的教育は“時間を積む”ことを尊びます。
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「すぐには上手くならない」
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「10年で身体が育つ」
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「型を守ってこそ自由が生まれる」
これこそが、現代社会が忘れた成熟の時間”の教育です。
AIや効率主義が加速する時代にあって、
ゆっくりと身体で学び、心で感じ、失敗から立ち上がる――
このプロセス自体が、人間を取り戻す教育になっている。
「型」から「個」へ。世界と共鳴する新しい教育へ
昔は、「同じように踊る」ことが大切にされてきました。
でも今は、「あなたにしか踊れない踊り」を見たい――そんな時代になっています。
日本のバレエ教室でも、子ども一人ひとりの身体や心のリズムに寄り添う教え方が増えています。
それは、“踊るために生きる”から、“生きるために踊る”へという変化。
芸術が「競うもの」から、「育むもの」へ戻ってきているのです。
“輸入文化”から“創造文化”へ
長い間、私たちはバレエを「西洋から学ぶもの」として捉えてきました。
でも今、日本のバレエ教育は、独自の世界観を育てはじめていルような気がします。
“和の心”を大切にしながら、
静けさ、間、礼…そんな日本的な感性が、踊りの中で息づいている。
それは、世界のどの国にも真似できない新しい美の形です。
バレエを通して、人の心を育てる
バレエ教育の本質は、「上手く踊ること」ではなく、
どう生きるかを学ぶことなのかもしれません。
努力すること、諦めないこと、人を思いやること。
舞台の上で培われたそのすべてが、人生の力になる。
日本のバレエ教育が世界と共鳴しているのは、
“正しさ”よりも“誠実さ”を伝え続けているからだと思うのは大げさでしょうか。
バレエを通じて“新しい人間観”を育てる
これからの時代、
「世界のどこにいても、自分らしく美しく生きる」
その感性を育てる場所として、
日本のバレエ教育はますます大切な意味を持つようになると思います。
それはきっと、技術を超えた――
心の芸術教育。
そして、
静けさの中に息づく日本の美しさが、世界と共鳴していく時代が、もう始まっているのではないでしょうか?
大胆な仮説と願望をあわせた挑発的な文章になりましたが
いま、世界で起きている多くの出来事に対し、
これまで信じていたことが揺らいでいる
そんな印象と危機感を感じます。
「神は死んだ」
有名なニーチェの言葉のとおり、特にキリスト教的価値観が
影響力を失いつつある今の世界は混沌とした雰囲気を感じます。
相模原のバレエ教室なら




