7:56受付番号4番

夫は5番

初の一桁にちょっと興奮


採卵当日は自動受付機ではなく

窓口にて受付を済ませる

受付機前には通常の診察の方々の順番待ちができていて

ほえー

っとなる


その後わたしが先に呼ばれ移動

こ これから一体何が始まるんです?


まず血圧を測り看護師さんに渡す

名字さんは今日は何番目(忘れた)ね

麻酔は‥なしだね

ベッドはここね

とパーテーションで区切られた個室に通されて

着替えやらトイレやらの説明を受ける

事前にノーメイク ノーネイルを指示されていたが

それが常々デフォなわたしには関係なし

不織布の手術着に着替え帽子を装着すると

いやこれガチっぽいじゃないか

と思わず自撮りをしてしまう

そうこうしている間にも本日採卵の方々が続々と現れ

個室に案内されていた

たしかわたしの採卵の順番は最初の方だった

この順番については何度か採卵を繰り返して考察したが

たぶん 採卵数に準じているのではないか説が濃厚

つまり少ない順

いや真相は不明

あくまでもわたしの推測ってだけ


直前に看護師さんから声をかけられ

しっこを絞り出す


じゃあ名字さん 行きましょうか


始まるのか わたしの採卵が

手術室前で生年月日とフルネームを言わされた後

自動ドアが開き一歩入ってビビってたじろぐ

部屋の中は暗めでど真ん中に無機質な手術台

看護師さんに加えて何人かがあちこちに点在

そしてよくテレビで見るような青い手術着の医師が待ち構えていた

マジでガチなやつじゃないですかーやだー


そこからはもうすごい勢いだった


はいこちらですー

脚ここねー

寝てくださいー

血圧計つけますよー

もう少しお尻こっちねー

脚閉じないでねー


促されるまま完璧なるまな板の上の鯉である


ところが


消毒しますよー

と局部にひんやりとした液体をかけられたところで状況が一変する


!?


何が起きたのか

結局最後までわからなかったので説明のしようがないが

何かを突っ込まれて力の限りとにかくガシガシされている

シンプルに痛い

乾いたところに何かを急に挿入したらそりゃ痛かろうよ

顔が歪み脚に力が入るも

ハイ脚閉じないで!

と看護師さんに怒られる

いやそうは言ったって無理だろこれ

と危うくキレそうになるところを理性で抑えつつ

早く終われと耐えていると

ほら針が入りましたよー

これねー

これ卵ねーほらこれー

などと横のモニターを指しながら傍らの看護師さんの実況が始まり

いつの間にやら採卵に移行していた

卵胞に針が刺さり徐々に吸い出され萎んでいく様子

顕微鏡でなにやら細胞のようなものをかき分けている様子

はえーと腑抜けたツラで眺めるわたし


針が刺さる瞬間はプツっとした鈍痛があるものの

さっきのガシガシが衝撃すぎてこんなのは鼻くそである


採卵が終わると

ガーゼ2枚でーす

といって看護師さんがガーゼを詰め込んだのを皮切りに

はい血圧計外しますよー

ゆっくり起き上がってくださーい

はい足こちらですー

はい立ってー

ゆっくりどうぞー

と怒涛の勢いで手術室を追い出された


個室に戻り30分の休息時間が与えられている間

わたしはずっと考えていた


この既視感はなんだ

この勢い

この怒涛の流れ

これは


アレだ

ドリフの銭湯コント


ラッシャーイ!

と出迎えられて客に扮したチョーさんが

されるがままにあれこれやられるアレ


そう

採卵を説明するならば

ドリフの銭湯だった

これしかない


次回

採卵結果 判明ス