小説 【 September Rain 】 -5- | Novel & Scenario (小説と脚本)

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未来の勤める会社は8階建てビルの5階から8階まででオフィスは7階。部署ごとに部屋が分かれていて未来は業務マニュアルを保管室にとりに行った。ファイルを両手にかかえて戻る途中、

「お、新山さん。珍しいね土曜」廊下で元上司の浜崎と会い、

「お疲れさまです」未来は足をとめる。

「部長に聞いたけど結婚て? 寿退社」

「ええ、まぁ」

「おめでとう」浜崎は来年定年で未来の両親と同世代。娘を見るようなあたたかい微笑でうなずく。

「ありがとうございます」未来も笑顔でお辞儀する。

「今月いっぱい?」

「ええ。引き継ぎのまとめがいろいろ」

「あぁ、それで今日」

「はい」

「フィアンセいいの? 放っといて」

「海外なんです。ロサンゼルス」

「ほんと」浜崎は目を丸くする。「出張? それともあちらの人?」

「ううん。2年前から赴任してて」

「へぇ」

「しばらくむこうの予定なんで、私も」

「あっちに住む?」

「ええ。落ちついてからいろいろ、式の予定とかもまだ全然で」

「離れてるとなかなかねぇ。仕事もしてると動けないもんなぁ」

「はい」

「残念だけど、がんばってね。お幸せに」

「ありがとうございます。いろいろお世話になりました」またお辞儀して未来は別れた。

デスクに戻るとファイルをひらき古いままだった情報を確認、パソコンで社内の共有フォルダにアクセスして更新する。修正したページを印刷してマニュアルを差し替える。担当業務を引き継ぐための準備だった。未来の部署は今日だれも出勤してない。取引先からの電話もなく仕事ははかどった。

デスクの横にはレストラン「アンブレラ」で借りた傘。自分の傘はオフィス出入口の傘立てにある。昼休みから戻ったあと雨はさらに強まった。風も吹きだしまるで嵐。雨が窓を叩き流れる。ぼやけたガラス越しの空に稲妻が走った。

   ***


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