1.日本の法律が日本人を守れなくなってしまう

TPPに入ると

「関税」を撤廃するだけじゃなく
「非関税障壁」も撤廃しなくちゃならない。
これが一番の問題だ。

ところで「非関税障壁」とは?

「関税」があると値段が高くなってモノが売りにくくなる。
これはモノを売りたい人にとっては「障壁」つまり邪魔モノだね。

外国にモノを売りたい人にとって、
「関税」以外の邪魔モ ノが、すべて「非関税障壁」になる。

具体例をあげよう。

例えば、

「健康保険」というサービスを日本に売り込みたい
アメリカの保険会社があったとする。

ところが日本には 国民皆保険制度がある。

会社員やその家族は「社会保険」 に、
自営業の人は「国民健康保険」に入っているから、
これ以上健康保険なんて必要ない。
だから、アメリカの「健康保険」なんて誰も買わない。

これは、アメリカの保険会社にとっては明らかに商売の邪魔だね。

だから、
TPPに加盟すると、そのうちにアメリカの保険会社が、

「国民皆保険制度を廃止せよ!」

なんて言ってこないとも限らないんだ。

それでも日本政府が国民皆保険制度を廃止しない、
と言い張るとどうなるか。

アメリカの保険会社は日本政府を裁判で訴えることができる。

その判定をするのは世界銀行の中に事務局がある
「国際投資紛争解決裁判所」だ。

この裁判 所の判断基準は、
自由貿易のルールに則っているかどうかだけ。

それが日本人のためになるかどうかなんてまったく考慮してもらえない。
そして、日本政府が負けたら、
賠償金を支払うか制度を変えなければならないんだ。

ということは、
せっかく日本政府が日本国民を守るためにつくった制度や法律、
規制などが、すべてなし崩しにされかねない、ということ。

それぞれの国の法律以上に、外国企業の利益の方が優先される、

そんな社会がやってくる、ということ。

国民が選挙で選んだ代表によって法律がつくられ、
実行されていくという「国民主権」が崩れてしまう、
ということ なんだ。

自分たちがつくった法律が、外国によって勝手に変えられてしまう。これで「国」って言えるのかな?

そう考えると、
TPP加盟によって、日本という国が崩壊してしまう、といってもいい。

これは、黒船来航とか、敗戦とかと同じくらい、

歴史的な 重大事なんだよ。