温暖化で北極の海氷面積が拡がったとも解釈できる!(昨日の問題の解答例) | ひとも地球もサステナブル!

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昨日出題した問題の
解答例です。



◆北極海の海氷面積が
   拡がっている理由


まず2012年から2013年に
かけて拡大した北極の海氷
写真を紹介しました。

 
これをもとに出題したのが
次の問題でした。


☆ ☆ ☆ ☆

海氷面積が増えるのは、
地球温暖化が進んでいる
からとも言えるのですが、
それはなぜでしょうか?


次のヒントを参考に考えて
みてください。

※ヒント

①真水は0℃で、海水は塩分が
  入っているため-1.8℃になって
   凍り始める。

②海水は塩分を排除しながら
   (真水の成分から先に)凍る。

  
→周囲の塩分濃度が高まっていく

②淡水と海水の密度差は
  0.003g/cm3。
 →1立方センチ当たり
    0.003グラム

淡水と塩水、温水と冷水などを、
私たちは台所やお風呂で棒や
スプーンなどを使って簡単に
かき混ぜ、温度や濃さを同じに
することができるが、自然界の
中では、この僅かな密度の差が
なくなって均一の水になるには、
かなりの時間がかかる。


☆ ☆ ☆ ☆


いかがでしょうか?

お分かりになったでしょうか?

念のために解答例を
書かせていただきます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【解答例】

北極海の海氷は、塩分の
排除された「ほとんど真水」
からできている。

温暖化等によって海氷が
溶けると、海面付近に
密度の小さい真水(淡水)
の層ができる。

表面に拡がった真水の層は、
下層の塩分濃度の高い(密
度の大きい)水層とは混ざり
にくいので、しばらく海面
付近に留まる。

真水は海水に比べると凍り
やすいので、冬季の比較的
早い時期から氷になり、
上空から撮影すると海氷
面積が拡がって見える。

このことから、海氷面積が
拡がったからといって、
寒冷化が原因とは限らず、
「温暖化が進んだから」とも
解釈できる。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ここで重要なことは、北極海の
氷が減ったか増えたかは、
海氷面積ではなく、体積(総量)
で判断すべき
と言うことです。

海氷面積が増えたとしても、
海氷の体積が減っている
(海氷が薄くなっている)かも
しれません。

冒頭の図では、面積が増えて
いるとしか書かれていません
でした。


もと記事に当たってみましたが、
氷の体積(厚み)に触れた箇所は
私には見いだせませんでした。

私は、

面積と体積の両方に触れて
いない記事を信用しては
いけない(言論をある方向に
誘導しようとしている可能性
がある)


と思っています。



◆北海道の流氷も同じ原因

ついでに、毎冬に北海道
沿岸に漂着する
流氷を
考えてみましょう。

この流氷はシベリアの南部
地方を流れるアムール川の
淡水が凍ったもの
です。

北海道近海の海水が凍った
ものではありません。

流氷の中には、アムール川
上流の森林地帯からの栄養
分がたっぷり含まれています。

これが強い北風に乗って
北海道沿岸にたどり着くの
ですが、春になって流氷が
溶け出したとき、中に
含まれていた栄養分が沿岸
海域に広がっていきます。

そのためこの地域でプランク
トンが繁殖し、絶好の漁場と
なります。


もし、流氷が漂着しなくなった
とき、それは「北海道近海の
漁場が大打撃を受ける」
ことを意味する
のです。


最近はアムール川流域の
汚水によって流氷が汚染
されています。

流氷が溶けると、当然汚染
物質が漁場に入り込む
ことになります。

そういう意味で、

アムール川流域の公害は
日本にとって他人ごとでは
ない

のです。


 一方、もし寒くなりすぎて
(水温が下がりすぎて)氷の
厚みが増すと、流氷が海底を
こすりながら着岸する
ことに
なります。

このとき、昆布などの海草類
が大打撃を受けてしまいます。
 
私たちは、絶妙な自然の
バランスの中で生かされて
いる
ことを忘れないように
したいものです。