「カルト」についてはいろいろな言い方ができるが、定義は確定していない。私たちと違う宗教であるとか、特定の集団がカルトと決めることはできない。
「カルト」とは、私たち人間が一つの集団を形成するときに起こってくる問題である。ただ、カルト性の強い集団というときに、その集団的特徴は以下の4つにまとめられる。
1.過度な集団アイデンティティー
教祖に従い集団に所属すること以外に自分の存在意義を
持てなくなる。
2.個人生活の剥奪
個人としての生活や社会生活が奪われる
3.内外の批判封鎖
集団に対する批判を自分の中に持たないようにし、外からの
批判も許さない。
4.絶対服従
教祖や教団に自身の判断や思考・行動をすべてゆだねる
このような集団的特徴を持つために以下のような傾向がある。
①強いカリスマ支配
唯一の救い主とされる絶対的な教祖の命令・意志に支配され、
その教えに従うことが善であり、そむくことに恐怖を抱くよう
コントロールされる。
②終末論(亡国論)
間違いの無い予言として、世界が終るとか、国が滅びるとか
言われ、様々な現代の状況をその予兆とし、恐怖心を煽りたてる。
③罰論(応報論)
世界・地球・国家が崩壊するということ以上に、救世主や救い
の教えを信じないこと、先祖や前世からの因縁で、地獄に落ちる
と処罰が与えられると言い募り、個人的に脅かされ、心理的に
恐怖を定着させる。