一瞬の黄金色絨毯

テーマ:
銀杏の木が
一瞬の間に
黄金色絨毯を
作る
意地悪な秋風が
それを払いのける
それでも天使たちには
十分役立って
一瞬の間 
天使たちの時間では
15分ほど
そこ横たわって
疲れた翼を休める
だからあの黄金色の
絨毯の周りでは
そおっと歩くこと
くしゃみも厳禁
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林檎の上で

テーマ:

林檎の上で僕らは出会った

まだ熟していない青い林檎の上で


一度だけキスをして

一度だけ抱き合って

それから二人とも

滑り落ちてしまって


今でも滑り落ちている

それでも君の瞳の輝きと

あの林檎のいい香り

は覚えているよ

それともあれは

君の髪の匂いだったのか

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きみの居場所

テーマ:
ぎゅうぎゅう詰めの心だけど

昔の腹立ちと

昔の後悔と

昔の思い出を

すっきり捨てて

少しは風通しが良くなったよ

君の座れるぐらいのスペース

さびしかったら

どうぞ入って

好きな食べ物の

話でもしよう

ぼくはいちご大福が

好きです

ピンクの象の人生相談

テーマ:
ピンクの象が

人生に行き詰っているそうで

相談にやってきた

大きな大きなピンクの塊

目はつぶらで澄んでいるけど

光がなくて

もう疲れましたよ

そうポツリ

ぼくは何にも言えず

うんうんとうなづくばかり

清く正しく

明るく素直に

生きたいのですが

ピンクの象

ただそれだけで

どこに行っても

みんな笑うんです

うんうんとぼくは

うなづくばかり

昔は宇宙飛行士になりたかったですが

これにはぼくも吹き出したが

ピンクの象もころころと笑って

笑い声もかわいいのだ

いまは無職です

妻にも逃げられました

妻は七色の人魚でした

ポロリとピンクの象の眼から

涙が落ちて

それは大変でしたね

そういうのが精いっぱいのぼく

とうとうピンクの象は

ぶるぶる体を震わせて

泣きだして

こちらももらい泣きして

号泣

人生相談など

ぼくの柄ではないのだ

かくいうぼくは

無色透明な陸のイルカなので