スパイキャッチャーJ3(ジェイ・スリー) | 懐古趣味親爺のブログ

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幼少期(1950年代)から成人期(1970年代)までの私の記憶に残っているものを網羅。

“007”の世界的ヒットにより、テレビの世界でも『ナポレオン・ソロ』などのスパイアクションが作られ、日本でも東映テレビ室が『スパイキャッチャーJ3』を制作。NET(現:テレビ朝日)系列で1965年10月7日~66年3月31日に放送されました。

内容は、「ニューヨークに世界平和を象徴する建物がある。国連こと国際連合本部ビルだ。その国連の一室に、こんな組織のオフィスがあることを知る者は少ない。組織の名は、“The Undercover Line of International Police”=国際秘密警察ライン、略してTULIP(チューリップ)という。TULIPは世界各地に拡がっていて、そこに働くエージェントは俗に“スパイキャッチャー”と呼ばれている。この“スパイを捕まえる者”たちの大きな敵は、“The International Group of Espionage and Revolt”=国際謀略反乱グループ、略してTIGER(タイガー)だ。本作はTULIP日本支部の腕利きスパイエージェント、コードネーム=J3こと壇俊介が悪のスパイ組織TIGERと戦う物語である」の冒頭ナレーション通り。

主人公の壇俊介に川津祐介、日本支部長のJ1に丹波哲郎、情報やメカニックといった後方担当のJ2に江原真次郎、途中から通信係女性スタッフJ7の城野ゆきが加わります。1エピソード・前後編で、13エピソードあります。DVDが発売されており、「SOS火山トンネル(後編)」「SOSポラリス潜水艦(前・後編)」、劇場公開用に編集された「SOS危機一発」を収録。

「SOS火山トンネル」は、原子物理学会の研究書類を狙うタイガーとJ3壇俊介の戦い。学会に参加するブノンベ博士(ピーター・ウィリアムス)と娘のルナ(高見理紗)がマルチア(根岸明美)率いるタイガー一味に襲われます。護衛していた壇俊介はマルチアに撃たれますが、胸ポケットにいれていたシガレットケースのおかげで九死に一生。タイガーの本当の目的は、矢島博士(佐々木孝丸)と彼が所持している書類で、ブノンベ博士はタイガーの一味で、チューリップの目をそらすための囮だとわかります。タイガー一味は矢島博士の乗った車を火山トンネルで襲いますが、J3が駆けつけ……

前編はないものの、後編冒頭の前回あらすじナレーションでおおよその内容はわかります。自動車がぶつかって炎上したり、ヘリコプターが墜落するシーンはミニチュアによる特撮ね。

「SOSポラリス潜水艦」は、行方不明となったポラリス潜水艦の謎とタイガーの陰謀をJ3が暴く物語。横須賀基地へ帰還中のポラリス潜水艦モービーディックが消息をたち、米海軍の情報将校が殺される事件が発生。海上に潜水艦の艦橋が浮上し、タイガーからモービーディック返還の代わりに三宅島沖の原潜シーライオン引き渡しの要求がきます。要求を受け入れない時は、ミサイルによる東京攻撃ね。事件を調べているJ3に、カメラマンと称する謎の女(宮園純子)が近づき……

モービーディックは偽の命令で電波の届かないブランケット・エリアに待機しており、タイガーはモービーディックを乗っ取ったように装っていたんです。海上に現れたモービーディックの艦橋が偽物であることをJ3が見抜きます。宮園純子はタイガーの一味で珍しく悪女役。タイガーの戦闘員の役で八名信夫が出ていました。

「SOS危機一発」は、北大西洋ミサイル基地の機密地図を巡って、J3、タイガー、死の商人が三つ巴の戦いを繰り広げます。

機密地図を奪ったデスマンを捜しているJ3は、デスマンのことを知っている謎の女シメール(佐々木孝子)と知りあいますが、機密地図を狙うタイガー一味が出現。機密地図は、マダムX(根岸明美)の裏オークションにかけられることになり……

口紅に仕込まれた毒針、タバコ型発信機、赤外線双眼鏡など色々な小道具が出てきますが、何といっても、目玉はJ3の愛車シボレー・コルベット・スティングレイ。エアジェット装置で空中に浮遊(ホパリング)でき、タイトル映像(「SOS火山トンネル」のシーンを流用)ではタイガーの車による挟みうちをホパリングして相打ちさせます。「SOSポラリス潜水艦」では、強化バンパーを取りつけ、海上を滑るように走行して敵潜水艦の艦橋に体当たり。「SOS危機一発」では、反転して出てくるヘッドライトの下部から小型ミサイル発射。今から見るとチャチな特撮ですが、当時はカッコ良かったんですよ。

放送時間が木曜夜7:00~7:30で、当時の6時台は子供番組、7時台は子供と大人のどちらが見ても楽しめる番組、8時台以降は大人番組と明確に区分されていて、スパイドラマなのにお色気抜きだったのが残念で~す。