アスペルガー症候群、これまた最近よく聞く言葉である。
巷では鉄道にものすごく詳しかったり秋葉原に通ったりしている人たちの事をアスペルガーっぽいねなどと言ったりする事をよく耳にする。

もともとは1944年、オーストリアの小児科医ハンス・アスペルガーによって「自閉的精神病質」と報告されたが当時はあまり注目されていなかった。
その後、1981年、イギリスの医師ローナ・ウィングがアスペルガー症候群の発見を紹介し、1990年代になり世界中で徐々に知られるようになった概念である。

それではこのアスペルガー症候群とはどのようなものなのだろうか。
しつこいようだが人間の認知の仕方を再びみてみよう。

ひとは物事を考えるときに4本のヤリをもっていると考えて欲しい。
この4本のヤリの考え方は非常に大事である。
この4本のヤリは何を表しているかというと何を考えているかである。
1本のヤリで「今日の夕飯の事を考え」
1本のヤリで「恋人の事を考え」
1本のヤリで「趣味の事を考え」
1本のヤリで「仕事の事を考え」と行っている。
これら4本のやりはバランスよく自分で使いこなしている。同時には1つの事しか考えないが人はこのような大体4つの事を自由に使い分け、切り替え可能である。

この考え方、アスペルガー症候群でいうとほぼ1本の太っいヤリだけで物事をみている状態と考えて欲しい。
境界性人格障害の際にのべた「2本ほどのバランスの悪い太いヤリ」と似ていると感じることであろう。
しかし大きな違いは2本ほどではなくほぼ1本であるという事と、バランスが悪く揺れる境界性人格障害の場合と異なりズンと安定しているという事の2点である。

この1本の太っいヤリだけだとどうなるかというと、次のような特徴をもつ。
まず1つの事に異様にこだわるようになる。
これは趣味であればひとつの事にもの凄く詳しくなるというメリットがあるのだ。
それゆえ最初のほうで述べた鉄道が好きだったり電気系に詳しかったりするのである。これはすごく大きなメリットでありそうでないいろいろと興味がいくヤリの持ち主にはなかなかマネできない芸当なのである。
ビルゲイツもこのアスペルガーなのではないかと言われているし、有名な哲学者ヴィトゲンシュタインもおそらくアスペルガーであろう。

次にヤリがバランスよく動かせないのでその場に合わせた対応が苦手であるといった特徴ももつ。
これは相手の空気を読めないなどと言われ本人も落ちこんでしまう場合が多々ある。
しかし本人が悪いのではないし、全く読めないのではないが1本の太いヤリを自由に動かす事はなかなか出来ないため時間もかかるしその場にそぐった発現が困難になってしまう。
本人は小さい頃から周りから少し疎外されているように思ってしまうため守りでひたすら丁寧にしゃべろうとする。つまり空気を読まず失礼になるよりも、丁寧になりすぎてしまえば怒られはしないと考えるのである。
それゆえ、アスペルガーの人たちの話し方はやたらと丁寧である場合が多いし少し不自然な敬語になる場合が多い。
それゆえ少し空気が読めないよね、何かオタクみたいといって仲間はずれにされてしまう場合がある。
そのような事から彼らはうつ病になってしまう場合が多い。

しかし彼らにすごく大きな才能や長所がある事を忘れてはならない。