ローリング・ストーンズ
ハッピー / オール・ダウン・ザ・ライン
リリース:1972年7月(米) 1972年9月(日)
発売:ワーナー・パイオニア レーベル:Rolling Stones
P-1156S \500 特殊ジャケット 解説:小倉エージ
キースの作品で自らがリード・ボーカルをとるこの曲は、キースとミック・ジャガー以外のメンバーが参加していない。
当時スタジオにキースとプロデューサーのジミー・ミラー、そしてサックスのボビー・キーズの3人しか居ない時にレコーディングしたらしい。後で、ミックのボーカルとか、ニッキー・ホプキンスのピアノなんかを足して完成させたとのことだ。
何本かのギターとベースもキースが担当し、プロデューサーのジミー・ミラーがドラムを叩いている。スネアの音にバラつきがあるのはご愛敬か。ちなみにミラーは69年に発表された「無情の世界」でもドラムを叩いている。
ジャケットはストーンズのシンボル・マークとして有名な「Tongue」(ベロ)がデザインされたもので、口の中のタイトルの部分がくり抜かれている。
そして、中に黄色いインサートが入れられているのだが、アメリカ盤はインサートがなくて、レコードのレーベル部分が見えるようになっている。
解説は小倉エージ氏で、「さっきから ”ストーンズを見てきた” と自慢したくてうずうずしてたのですが、どうも言い出しにくくって困っていたのであります」
などとおっしゃっています。
ストーンズは今年の9月から11月にかけての北米ツアーを無事に終えた。
チャーリー・ワッツの死去という、とてつもない大きな悲しみに襲われたグループは、キースと関係の深いスティーヴ・ジョーダンをドラマーに起用してツアーを乗り切り、コンサートのオープニングでは、従来の派手なシークエンスに代わり、在りし日のチャーリーの姿をスクリーンに映すという演出で客席の涙を誘い、「チャーリー」のコールが湧き上がったらしい。
また、ツアー初日のセントルイスでは、ミック、キース、ロニーの3人がステージ前方に進み出て、ミックが追悼のメッセージを語った。
声を詰まらせながら振り絞るように語るミックと、そのミックの手を取りうつむくキースの姿にもらい泣きする人は多かったのでは。
僕もその一人。