レッドスランという馬がいる。母はレッドエルザで、兄はアメリカG1を7勝したイングリッシュチャネルで、産駒には日経新春杯2着のレッドレオン、現在4勝のレッドアステルがいる血統背景はしっかりした馬です。

レッドエルザは現役時代は体質が弱く、未勝利を勝ち上がることはできませんでした。体質の弱さは子どもにも遺伝してしまっていて、レッドレオンも続けて使うことができず、引退もそんな弱さからくるものだった。

 

今年の3歳にレッドアスランがいる。父はスピルバーグで、9月の新馬戦に出走したものの、走る気が見られず、後方のまま10着に敗れた。この馬はひ弱い感じはなかったようで、調教を積んで十分レースに出られる状態であったのだと思う。調教師は藤沢和雄先生ですから、初戦から勝ちに行ったかは微妙だが、出走までは変なことはなかったと思う。ただ、あのレースを見せられては、精神面の成長がないと次はないな、と思うようなレースだった。

 

初戦から約5か月たっているが、いまだに帰厩できずにいる。この状態で、ネットに上がってくるのは「転厩」じゃないか、という声だ。確かに、藤沢先生は、ある程度使ってくると、半年以上休みを挟むことがある。昔、レッドシャンクスというガリレオ産駒の馬は、屈腱炎での長期休養の後は、北海道遠征が多く、ほったらかしになっているような印象はあった。ただ、今回のレッドアスランは、初戦がそんな状態だったわけで、成長を待っているというのが現実だと思う。転厩を言うのは早すぎると思う。ちなみに、レッドシャンクスは最後はケガで生死をさまよい、結果命を落とすことになった。屈腱炎の時も最後も、藤沢先生のコメントはとても暖かいものがあり、僕はとても信頼している調教師の一人だ。ただ、やはり人気厩舎のため、根気強くレースを走らせてもらえないので、出資馬選びの時には判断材料の一つになっている。

 

これまでの出資馬で転厩をした馬に、この前は知ったアブルハウルがいる。池江厩舎にいたが、1勝クラスに上がった後は2度の惨敗で、咳をするなど順調でなかったことはあったようだが、去勢されて休んだまま、厩舎がいっぱいという理由で転厩になった。転厩するなら、去勢しないでよ!と言いたいところだ。幸い、転厩後の2戦はまずまずで、先が見えてきた感はある。一口馬主では、どんな事情で去勢されたか、転厩になったか詳しいことはわからない。ただ、さすがにこの転厩はどうかと思う。

 

その他の転厩は、サンマルティンがいる。国枝厩舎でオープン勝ちはあったが、気難しい馬だったようで、6歳秋からはまともに走ることができなくなったように感じた。国枝厩舎での最後は障害レースに出て暴走して、落馬という超危険なレースをして転厩になった。想像するには、国枝先生は「引退」を進めたが、クラブの現役続行の判断で転厩になったのだと思う。転厩先は、まだ新人だった宮田厩舎だった。宮田先生はきっと手を焼いていたのだろうと思う。2戦で引退して、競走馬オークションを経て次の馬主さんのもとへ行ったが、走る気が見られないまま敗戦を繰り返している。

他にも、レッドアルティスタがいるが、松田先生の定年だったので転厩はやむなしだ。未勝利、地方転出、出戻りの場合にも元の厩舎へ戻らないケースがあった。

 

個人馬主の場合には、調教師ともめて転厩ということもあるようだが、クラブ馬の場合には、馬主の意思がひとりの人ではないので、あまりそういうことはないだろう。 ネットでの発言は勝手ではあるが、そんなに簡単に転厩はできないということは理解しておく必要があると思う。