番外編:RIVERSIDEのオルガン入りWES MONTGOMERY

 

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『THE INCREDIBLE JAZZ GUITA』や『FULL HOUSE』が代表作とされるRIVERSIDEのWES MONTGOMERY。この選択については大筋で異論はありませんが自分が一番好きなものとなると・・・・・。

 

 

ANOTHER SIDE OF WESなのか?それとも、こちらが表なのか良く分かりませんがGUITAR+ORGAN+DRUMSという変則トリオをWESは大変気に入っていて?MEL RHYNEと組んでRIVERSIDEに4枚のアルバムを残しています。他の編成のものと違って常に自分のギターに焦点が当てられているため当然といえば当然で・・・。全4枚とは正規に発売された『THE WES MONGOMERY TRIO』、『BOSS GUITAR』とVERVEへ移籍後にORIN KEEPNEWSの許可なく発売された『PORTRAIT OF WES』、『GUITAR ON THE GO』です。

 

 

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多くのスクウェアなハードバップ・ファン(私もそうですが)と同様に所謂コテコテ派のオルガンは趣味ではありません。ただROCKを聴いていたのでオルガンが全部ダメということはありません。理想的なのはプロコルハルムの「WHITER SHADE OF PALE:邦題 青い影」やBOB DYLANの「LIKE A ROLLING STONE」でのオルガンのような、よりドラマチックにするための、いわばSTRINGS的な使い方をされた時です。

 

 

MEL RHYNEのオルガンは、まさにそういう使い方をされていて、もちろんソロ・スペースも与えられていますが、あくまでWESのギターを引き立たせるためのもの”JAZZのオルガンは、かくあるべし”という見本のような演奏です。特にミディアム・テンポ以下のものをSTEREO盤で聴くとバックのオルガンが素晴らしい効果音となって最高のラウンジ・ミュージックになります。

 

 

4枚にはそれぞれ聴きどころがあって・・・・『~TRIO』は「ROUND MIDNIGHT」と「TOO LATE NOW」。『BOSS GUITAR』は「CANADIAN SUNSET」に「FOR HEAVEN’S SAKE」。『PORTRAIT~』は「FREDDIE THE FREELOADER」と「LOLITA」。そして『GUITAR ON~』は「FOR ALL WE KNOW」と・・・どれも捨てがたいのです。

 

 

アルバム全体から見ても、移籍後に発売された『PORTRAIT ~』、寄せ集めの『GUITAR ON GO!』を除く2枚の内容は、甲乙つけ難くあとは収録曲の好みの問題かもしれませんが、私が最終的に『BOSS GUITAR』を選んだのは、どうしてもORGANとのコンビでモゴモゴ感が強調され不満が残るRIVERSIDEのWESのなかで最もクリアな音で(WESのギターが)録音されているからです。『~TRIO』と同じで、やや有名曲が多いのが難点といえば難点ですが・・。好きな音楽なら録音なんて・・・と思われるかもしれませんが好きなものだからこそ、できるだけ良い音で聴きたいのです。

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録音に差が出たのはENGINEERの違いによるもの。『TRIO』がJACK HIGGINSなのに対して、『BOSS GUITAR』はRAY FOWLERです。総体的にギターが他の楽器と重ならない分だけSTEREO盤の方が良いと思いますが、HIGGINSの録音が決して劣っているというわけではなく『「~TRIO』のSTEREO盤の「WHISPER NOT」などで、フィル・インされるDRUMSの音など切れ味鋭く素晴らしい音だと思いますし、パ~ッと全面に広がるオルガンもHIGGINS録音の方がSTEREO効果を発揮しています。ただ如何せんHIGGINSの方が、GUITARの音が太く録音されていて、モゴモゴ感が残るのがなんとも残念です。

 

 

ちなみに『INCREDIBLE ~』を担当したのもJACK HIGGINS、これも音がイマイチで、不満の残る録音です(MONOしか持っていませんが)。それに比べると『FULL HOUSE』はライブ録音なのに素晴らしく良い音がします。ちなみに私はMONOとSTEREO両方所有していますが、STEREO効果(音の広がり)は前出オルガン入りトリオと比べると、然程ではなく、なんとしても両方をという盤ではないと思います。個人的にはMONOの方が好きです。ちなみにENGINNERは名手WALLY HEIDERです。

 

 

でホントは『BOSS GUITAR』のSTEREOとMONOの比較をしたかったのですが、残念ながらMONO盤は所有しておりません。この4枚のうち両方所有しているのは『~TRIO』と『PORTRAIT OF WES』で『BOSS GUITAR』と『GUITARS ON THE GO!』はSTEREO盤のみ。両方所有する盤はともにSTEREO効果が十分発揮されているSTEREO盤の方を愛聴しています。RAY FOWLERに関してはSTEREO録音が得意と言われるだけあって『BOSS GUITAR』も同様な結果が得られると思いますが、持っていないし聴いた記憶も定かでないMONO盤について推測でものを言うのは反則行為ですから・・・触れません。

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できれば『~TRIO』についてもSTEREO盤はRAY FOWLERかWALLY HEIDERに録音を委託して欲しかったなぁ~とつくづく感じます。そうすれば『~TRIO』のSTEREO盤が、間違いなく一番好きなWESになっていたと思います。
何故?STEREOとMONO両方持っているのか疑問視されるかもしれませんが、多くの方々と同じくオリジナル盤の蒐集に際しては基本的にMONOだけ買っていました。その後、好きな盤については四分の一、五分の一の価格で入手できるSTEREOも購入していったのです。これが逆の順だったら、とても無理な話で・・・だから『BOSS GUITAR』のMONOを入手するのは、いつの日になることやら・・・だいたい結果も見えていますし・・・・(笑)。

 

 

 

*BOSS GUITAR(RIVERSIDE RS-9459)、INC付黒大ラベル、両溝、STEREO
*THE WES MONTGOMERY TRIO(RIVERSIDE 1156)、黒小ラベル、両溝、STEREO
*PORTRAIT OF WES(RIVERSIDE RS- 9492)、青ORPHEUMラベル、STEREO(2ND)
*GUITAR ON THE GO(RIVERSIDE RS-9494)、ターコイズORHEUMラベル、STEREO