木村 文哉 『武道的身体のつくり方』
- 木村 文哉
- 武道的身体のつくり方 身体革命を読み解く
昨今の古武術、ヨガ・ブームなどで注目されてきたのが、身体内部を開発するというもの。
これまでの常識とされていた各筋肉のパーツに負担をかけて身体を鍛えていくウエイト・トレーニングとは一線を画している点に特徴がある。
例えば、通常では意識されにくい深層筋を鍛えれば、驚くほど身体はよく動くらしい。
あるいは、手足を動かすことよりも、もっと胴体の動きに着目し、これを意識的に動かしていくことで、身体のパフォーマンスを向上させるとか……。
で、この本では、そのような身体開発のメソッドを、スポーツライターである著者が、あれこれ取材し、紹介している。
「火の呼吸」と呼称されるヨガ、中国武術の意拳・太気拳の静的な身体開発法である立禅、胴体力をテーマにした伊藤式体操、ナンバ歩き等々。
著者自身も、格闘技を実際にやっているようなので、それらの経験に引き合わせながら、上記の各メソッドの有効性について論じているのが、なかなか説得力があっていい。
ただ、最後の章だけ、唐突というか、いきなりウエイト・トレーニング(従来のものとは多少趣は異なるにせよ)を取り上げているのは、全体との整合性の点でどうかとは思う。
この章はなかった方がよかったのでは?
切れ味: 可
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